200季 今年のゼミは、穏やかな場所
ある日のこと、2回目のゼミがあった。学食と関係のない時間で行うため、とても行きやすくなった。今日は自己紹介、緊張と期待が高まる。
「こんにちは〜」
挨拶をしても1人。もう5分前だと言うのになぜこうなったのか。講義はこの日は前に詰まっているわけではないのに…どうしてこうなった。
「こんにちは!」
「あ、飛翔じゃない!早かったね!」
「あやめはもしかして…前に講義入ってた?」
「実は入ってないのよ…ちょっと寝てただけよ。それにしてもみんな遅いねぇ…」
と、二人で談笑していると徐々に人が増えていった。南川教授も講義終わりで急いだのか息を切らしながらやってきた。
「こんにちは…ちょっと疲れたわ…」
「教授!?」
「…ごめんなさいね…」
「またあいつか!?」
「あいつ…ひどいわよ…」
「またあのアル中ですか?」
「そうよ…ちょっと一息つかせて…」
「…あ、今日の出席は先生がやるからいいわよ~」
アル中とは…隣のゼミの何かである。いつもうるさいのだが仕方がないことだが少し可哀想ではある。少し休ませると、息が整ったようだ。
「ふぅ…ごめんなさいね~さぁ、今日のゼミをやっていくわよ~」
「飛翔くん!今日は何をやるんだろう!」
「今日は自己紹介だよ…聞いてなかったのか?」
「ごめん!何も聞いてなかった!」
「さぁ、今日は自己紹介だけど…みんな準備はいいかな?」
「…いいわよ。」
「それじゃあまずはゼミ長の飛翔から!」
「ですよね~…ゼミ長の神崎飛翔です。趣味は料理で、能力は人を笑顔にすること…能力の開示いる?…2年間よろしくお願いします。」
「ありがとう!飛翔くんの得意料理…気になるなぁ~」
「得意というわけではないですが…みんなで作りたい料理があって…それがクッキーなんですよ。」
「クッキーね!美味しいのができるように協力しましょう~では次は…副ゼミ長のあやめ!」
「副ゼミ長の笹川あやめよ。趣味は弓術で、能力は…50%で急所を突くことができるわ。よろしくね!」
「50%!?残りはどうなるの~!?」
「ただ死ぬほど痛いだけです。」
「怖そう…みんなはあやめを怒らせないでね!?」
「次行きますよ?」
「そうだね!次は俊ちゃんお願いします!」
「大内俊一です。趣味はスポーツ観戦で、能力は良い香りを判断することかな…これからもよろしくね!」
「よい香りね…私はどんな感じかしら~?」
「先生の香りは…バラと桃のコンポートのような匂いがします!」
「甘いってことはいいことかしらね~ありがとう!」
「私が行くよ!中村ことりです!趣味は作詞で、意見を出すのが苦手です!」
「ことりって結構おしゃべりだと思ったけど意外だったわねぇ~これから頑張ろっか!」
「はい!」
「次は…」
「私が行くね!一ツ渡瑞穂だよ!趣味は読書、能力は…ごめん確認忘れた。」
「読書ねぇ…最近は何を読んでいるの?」
「東能代敬五郎の1984っていう小説。特に最後のセリフがいいですよね!」
「“…そして誰もいなくなった。”…不気味なところがまたいいですよね!」
「…待って!その小説誰だよ!」
「東能代敬五郎?あぁ、PiXiViのネット小説だよ…ところで次は誰が生贄になる?」
「…私が行こう。幣舞智恵、神社の巫女だ…趣味は特にないが、能力は妖怪退治だ…けど、ここではだれもいないのね…」
「風格がすごいわね~…実際強いの?」
「…まだまだです。」
「卒業するころには最強になれるといいねぇ~」
「ありがとうございます。」
「次は私ですね!夢川奏と言います!もしかしたら聞いたことあるかもしれないのでよろしくお願いします!」
「…本物!?」
「教授は知らないんですかね…本物の歌姫ですよ!」
「今度聞いてきます!」
「私が行くよ!」
「おお!」
「白金みなみです!趣味はお菓子作りです!ゼミ長!一緒に作りましょう!」
「これはゼミ長に気に入られるチャンスか~まぁ、ほどほどにね~」
「最後に私!成田美空だよ!2年間頑張ろうね!」
「…これで全員かしら。私は南川望愛。学食サークルの顧問もやっているから、これからどうぞよろしくね。」
「今度どこかで飲みに行こう?」
「ゼミ生全員ででしょ?行くに決まってるじゃない。」
「今日はこれで解散するけど、LiNeのグループができたら私も誘っておいてね!」
「…あやめ、作ってくれてありがとうね。」
「教授のラインは飛翔に任せたわ。」
「わかった。とりあえずこれからよろしくね!」
こうして和気藹々な環境な南川ゼミを見たところで他のゼミはというと…地獄になったところもあれば最初から戦争になったところもあったようだ。このゼミ事情はおいおい語っていこう。