268季 あけましておめでとう、初詣の日
「新年あけましておめでとうございます!」
「今年も一年よろしくお願いします!」
「今年はここで初詣なのね…」
ここは神楽阪…からバスで揺られたところにある栗本神社である。飛翔がお盆に行っていた場所でもある。
「ここってすごい場所だよね。ちょっと気分が落ち着くというか…」
「寂しいですよね。」
「そうだね。僕も少し前に来たんだけど、ここはどれだけ荒んだ心を持っていても自分の罪を見直すことができるんだよ。まぁ、そうでもない人がいるみたいだけど。」
「確かに…」
「だからここに刑務所があるんだね。」
「ところで、さくらや早苗さんは?」
「みんな予定がそれぞれあるんだよ。結花さんだっていないでしょ?」
「結花さんはここにいますわ。」
「いるんですね!?」
「驚かないでください。私は一本早かったんです。」
「そう。私のためにね。」
「君は…」
「夜晴さん…」
「私にお姉ちゃんがいたのは知ってるでしょ?高嶺月のこと。」
「…あの件は悲しかったね。」
「美悠とりりかを守れなかったあの日、私が一発で倒れたあの日…お姉ちゃんは飛翔の兄に誘拐されたの。あそこの刑務所から脱獄した時…目をつけられたの。」
「新年から辛いことを思い出させてるわね…」
「いいんだよ。もう私の罪は取り返せない。私が守るべき人は私の目の前で死ぬ。それが罪の償いになるのだから…だから飛翔のことを許せなかった。あの日、病院で入院していた飛翔を見るまでは。それ以降は言えなかったけど、私は飛翔の兄を殺すつもりだった。そうだ、お姉ちゃんが言ってたよ。飛翔くん、お兄さんとあなたは違うから…自分の思うとおりに生きて…だって!」
「…時間は過ぎていく。そう、時間は過ぎたんだよ。」
「美春さん?」
「そう、私が橘美春。時間が経つにつれて罪悪感から逃げられないと思ったんだよ。だからいろいろと協力したんだけど…でも、すべきことを忘れてた。真音さん、京子さん、雪さん…学食を滅茶苦茶にして…自分のわがままで壊してしまって…本当に申し訳ありませんでした…」
「大丈夫。もういいんだよ。」
「待ってたよ。おかえりなさい。」
「でも、浜大にはいられませんよね…」
「あぁ。私は転校したよ。新しい大学は浜大よりも小っちゃいけど…でも、すごく暖かいから。長光国際大学!」
「確かに長国なら大丈夫そうだね。むしろ、合ってると思うよ。」
「卒業するのは…あと3年ぐらいだけど、でも、頑張るね。」
「…そういえばさ、卒業した会の新年会を今度やるみたいなんだけどさ、今度一緒に…」
「いくわよ!行くに決まってるなぁ!」
「というか全員参加でしょ。みんなと仲良くなりたいなぁ…」
「それはそうよ!」
「6日だけどね。」




