199季 調理師になろう、そして夜に
「それでは調理師免許の講義を行いますわ!」
結花は調理師と管理栄養士の資格を教えるようだ。みんな真剣にやっている中、サークル長の真音は申し訳なさそうに話した。
「結花、私は調理師免許持ちなの。雪も栄養士なら持っているの。」
「それに…メニューは私たちが決めた後、ちゃんと精査されてからレシピが決まるんだ。私たちは問題ないんだよ。」
「…確かに問題ないと思いますわ。技術も仕組みも良くできていますわ。でも…学食は食の安全や学生の健康も考えなければなりません…いつ何が起きてもいいように教えているのです…」
「そうね。申し訳なかったわ…」
「さぁ、続けましょう!」
こうして朝に始まった講義は昼に終わった。そのあとは解散したので、結花と佳奈の誘いで気分転換に行くことにした。
「どこに行くの?」
「少し遠いところですよ。」
「石森神社?それとも伏見八幡?」
「…飛翔さん。」
「結花さん!?手刀したの!?」
「…」
「わたくしたちはサプライズをするんですよ。大丈夫です。」
山を一つ越え、川を越え、目的地に着いた。見慣れぬ一文字の駅、ここは針という駅だ。
「飛翔さん。着きましたよ。」
「ずっと柔らかかったな…」
「飛翔さんって…変態ですか!?」
「まぁまぁ。わたくしの太ももが気持ちよかった話はさておいて、針ですよ。」
「こりゃ末期だ。」
「すぐ起きたんだけどね…ずっと押さえられていたよ…」
「それは…」
「ところで針って何があるの?」
「針と言ったら…グルメの街でしょう!」
「中華街の最寄りってここなんだ…」
「そうと決まれば食べ放題に行きましょう!」
「すみません!一人3000モイぐらいの食べ放題はありますか?」
「あの店に行こうか。」
「じゃあここは…へぇ、タブレット式の注文なのね…」
「…頼んだら少し待つのか。そして店員が来るわけだ。」
「早速いただきますわよ!」
「…青菜炒めはまぁまぁうまいな。あそこの店よりは良いな。」
「火鍋もあるのが嬉しいですわね!具材も多くて素敵ですわね。」
「大根餅も水餃子も、色々美味しいね!…これいくらなんだろう…」
「一人2300モイ、だけどこの値段の食べ放題でこのクオリティはなかなかいいよ。」
「そうですわね。サプライズのはずが逆に驚かされてしまいましたわ…」
「たまたまだって。行きそうな店が少し嫌な予感がしたからさ。」
「そうでしたか…」
「…飛翔、よかったね。夢が叶いそうで。」
「ありがとうね。もしかして悩んでいるように見えたからここに連れてきたのかな…」
その後二人は照れてしまったのか、そそくさと店を退店した。帰りの電車、遠くに明るい光があった。