258季 最後の記憶、君は味方
あと少しで年が明けるというが、今年にやり残したことはないだろうか。例えば…
「私たちはもうすぐ卒業するんだよね…」
「そうだね、やり残したことってある?」
「私は…そうですね…みんなともっと一緒にいたかったですね。」
「確かに。私たちは本当に一緒にいたけど、もっと一緒にいても良かったわね。」
「いや、私任せになるでしょ。」
「確かにそうですね。」
「朝のルーティンから違うでしょ。私は化粧をして、朝ご飯を作って家を出るのに…」
「朝のカップ麺は外せません!食べた後の睡眠が気持ちいいんです!」
「京子、それは同意できないわ。」
「本当に一度病院に行こう。」
「私は起きたらすぐに家を出て、大学に行く前にコンビニによって朝ご飯を買って…トイレでメイクしてるわ。」
「…家でした方がいいんじゃない?」
「家だとやる気でなくて…」
「実はさ、私も最初はそこまで考えてなかったんだよ。でもさ、朝5時に起きるようになったら暇になったんだよ。」
「そこから始めたのね…」
「そうだね。」
「ところで卒業生になるとどうなるの?」
「卒業生になったら卒業研究をするんだろうけど…」
3人が喋っているところに、徐々に人が集まる。
「ちょっと待て、卒業が確定するとメールが届くはずだぞ。」
「澪!?もしかしてきたのか?」
「あぁ。来たよ。年齢関係なく卒業する資格があると受験の案内が来る。そのメールが来たら卒業がほぼ確定する。」
「その受験の内容って?」
「さぁ。でも今年は多いと聞いたぞ。」
「卒業資格…ですね。」
「…私は飛翔くんが気がかりだが。」
「どうして飛翔が?」
「あのコンテスト以降、飛翔くんは色々なところからオファーが来ている。」
「え…」
「まぁ、あの豆腐ハンバーグと言い、あの磯和えと言い…彼の作る料理はいくら小さくても人の心を動かせるんだ。」
「確かに。飛翔の料理はとても美味しくて、とても泣ける料理だわ。心を動かされる気持ちは大いに理解ができる。でも…なんだか寂しいって思うのは私だけ?」
「私は嫉妬ですね。どんな手を使っても飛翔を手に入れたいです。」
「私は感謝と誇りだね。やっとひーくん…飛翔が評価されたんだって。彼は昔…笑われていたから。」
「飛翔が?ありえない。」
「ありえないんだよ。人の夢を笑うことって。大人が子供の夢を笑うことって…ありえないんだよ!!」
「雪!おつかれさま。そして、ありがとう。」
「…そうだよな。雪は大変だったんだよ。」
「飛翔か。どうした?」
「学食の仕事が終わったから来たんだ…僕の夢を笑わなかったのは雪とその取り巻きだけなんだよ。先生も親も、クラスメイトもみんな笑った。みんなをごはんで笑顔にする…その夢のどこがおかしいのか今でもわからない。」




