198季 現実も見る、今日は就活日
飛翔は迷っていた。今までは就職を考えなければいけないと思っていたが、真音の話では学食で一生働くことができるという…仲間と一緒という安泰を取るか、就活という荒波を取るか迷っていた。
「実は天使会も月額で最低13万ぐらいは貰えますよ。」
「13万から仕事をするほど増えていくのかな…」
「その通りですよ!」
「佳奈…飛翔さんには飛翔さんの考えがあるのですよ…」
「そうですね…」
「そうだ、飛翔さんにサプライズをプレゼントしましょう!」
「だったら…小金森か針ですかね…」
「針!?」
「針ですよ。」
「SAGA!?」
「それは佐賀…って、何ボケてるんですか!?」
「いやぁ…つい…通りすぎなもので…」
「魅華子…副天使長の役職は初音様が決めたので…」
「返還してほしいわけじゃないよ!?ただ…その…お友達になって欲しくて…」
「友達でしょ?」
「そうですわ!」
「たぶん飛翔も同じ答えを言うわね…」
「あ、そうなの…って、そうじゃなくて。天使以外の友達が欲しいの…」
「それでしたら私と友達になりましょう!」
「…君は?」
「由良千明です!」
「あぁ、新聞記者だよね?」
「そうですよ!」
「君とはいい酒が飲めそうだよ。今度飲みにでも!」
「ありがとうございます!では明日の19時に神楽阪の新石器時代で!」
「わかったわ!」
「…友達ができたね。」
「魅華子は悪い人じゃないのですが…仕事上あまり他人と関わらないので…」
「確かにね…」
「…ところで飛翔さんはどこでしょうか!?」
「もしかして部屋でまだ迷っているんじゃないかな?」
「…やっぱり学食を作ろうと思う!」
「飛翔さん…!」
「やっぱり料理でみんなを笑顔にしたかったの?」
「そうだね。僕にはそれが一番合っているかと思って。」
「そうでしたか!」
「ところで…飛翔は学食づくりのための資格は持ってるの?」
「この世界の調理師免許ならもうすぐ取ろうかと…」
「本当ですか!?」
「…まぁ、本来ならすでに取れてたけどね…」
「魔王様が亡くなったから取れなかったの…?」
「そうなんだよね。」
「…それなら!とりあえず誰か取らないとですわね…ちょっと待っててください!」
それから30分後…
「帰ってこないね…」
「…もしかして!」
「明日全員来させてください!管理栄養士と調理師免許はわたくしが教えますわ!」
「あー…こうなったときの結花は大変だぞ?」
「ちなみにわたくしはお察しの通りなのでビシバシ行きますわよ!!」
「は…はい!」
この次の日、学食サークルのみんなを呼び出した。眠気を我慢して朝の9時から講習が始まったのだが…この話は次にしよう。