197季 新しい日への、ゼミ長会議
夜が明けて朝になり、大学に行って講義が終わった。今年も変わらず学食優先なので授業の単位は代替して取っている。そのためか、卒業まで卒論と少しだけになったのだが、ゼミ長になるとは思わなかった。あやめに相談したが、“終わったら教えて”と言って、次の講義に向かった。
「飛翔さん、一緒に行きましょう。」
「…はい、ゼミ長会議を行います。私が学科長の富内です。まずは所属ゼミと自己紹介からお願いします。」
「富内ゼミ長、蟹江京子です。」
「南川ゼミ長、神崎飛翔です。」
「東福寺ゼミ長の森中早苗です。」
「西園寺ゼミ長の阿部涼と申します。」
「星野ゼミ長、玉水渚です。」
「佐原ゼミ長、銚子みさきです!」
「ありがとうございます。この会議は年に2回、各ゼミの取り組みや合同ゼミでやりたいことなどを決める会議です。今年は私が学科長ですので…厳しいと思われているかもしれませんが…今年一年よろしくお願いします!」
「は…はぁ…」
「今日は顔合わせと日程の確認、合同ゼミをどうするかなどを決めましょう!」
「…とりあえず、このままで!」
「ありがとうございました!それでは今日は解散で!お疲れさまでした!」
「…みなさん、あとでライン交換しましょう!」
「そうですね…ところでみなさんのゼミはどういう感じですか?」
「富内ゼミは…厳しいけど暖かい感じがするね。」
「南川ゼミはほんわかゆるゆる。」
「東福寺ゼミはグループワークとかが多いですね。」
「星野ゼミ、来週ドッジボールです!」
「佐原ゼミは副教授が付きましたね…」
「…僕はキャラ崩壊しそうです。」
「…阿部君、西園寺ゼミが辛かったら相談しな?私がどうにかする。」
「はい…」
「富内先生って結構優しいんだね。」
「あの人は見た目がいかついけど生徒のことを一番に考えるからね。」
こうしてラインを交換しながら解散した。家に帰ると最後の休みを取るためにお酒とおつまみを買いに行った…
「このほろ酔い絶対美味しい奴。あ、レモンサワーだ!これもこれも!」
「そうですわね~それでどんなおつまみを買おうとしているのですか~?」
「うーん考えてないから今から…ひぃ!」
「飛翔さん、西町なら大丈夫だなんて考えない方がいいですわ。わたくしの今日の仕事、中町でしたもの。せっかく峠の釜めしを買ったというのに…しかも本物の釜に入ってる高い物なんですよ!」
「…あべし!」
「飛翔さん、お酒は明日買いに行きましょう?」
「…はい。」
疲れを取るならお酒というのは短絡的な考えかもしれない。しかし、学食作りを始めれば基本的に自由な飲酒ができないのでもしかしたら死活問題…なのかもしれない。
「お酒は20歳になってからですわ!」