195季 新しい自分、新しいゼミ
“ピンポン”
チャイムが鳴った。朝の身支度がもうすぐ終わる。そんな時、結花はドアを開けた。いつもと変わらずゆるいTシャツの真音と今日は水色のワンピースを着る京子と、よくわからない服装の雪がいつものように立っていた。
「おい飛翔!いるのわかってんだぞ!」
「あと10秒以内に来ないと…わかってますよね?」
「おーい…みんな…テンションが違うぞ?」
…おっと、すみません。これではただの恐喝ですね。
「こほん、飛翔…早く来て…」
「急にどうしたんだよ気持ち悪いなおい。」
「なんだよ!」
「このダイオウグソクムシは仕方ないですよ。」
「もうはっきり言ってるじゃない!これじゃあ私のキャラが分からないじゃない!」
「まぁ、真音はツンデレを捨てた猫ということで…」
「雪!?これじゃあ何もわからないじゃない!」
「学校に行こう!」
「あ、はい。」
学校は急行で15分、普通でも30分かからずに到着する近くの学校だ。亡き魔王様が設立していたことや講堂の荘厳さから名門校や伝統のある学校として知られている。学長は風早教授が学長のポストになったものの、問題はまた別なのである。そう、今年のゼミだ。去年一昨年と西園寺ゼミだったが、今年はどうなるのだろうか。
「僕は南川ゼミですね。」
「え…私と雪…西園寺ゼミじゃない…」
「私は富内ゼミですよ。」
「…え!?僕誰とも違うの!?」
「南川ゼミって当たりじゃない…」
「そうですよ!今年から就活や卒論考えないといけないのですよ…」
「…その件も含めて、あとで学食に集合ね!」
こうしてみんな話しながらゼミの顔合わせに行った。しかし…
「あ、飛翔くん!お久しぶりですね!」
「あ、南川教授…」
「先生でいいよ~何なら下の名前で呼んでも~」
「あ、飛翔くん!」
「お!俊一とことりもここなんだ~」
「じゃあ、みなさん自己紹介は来週にするとして、今週はゼミ長と副ゼミ長を決めたいと思います!」
「ゼミ長は飛翔くんがいいんじゃないかな?」
「俊ちゃん!そうなると決まっちゃうぞ~?」
「え!?飛翔くん似合いますよ~」
「じゃあ、ゼミ長は神崎君でいいですか!?」
「…僕がやります!」
「ありがとう!それじゃあ副ゼミ長も決めましょうか!」
「…はい。」
「じゃあ副ゼミ長は笹川さんで!」
「あやめ!?」
「…自己紹介の時まで黙ろうと思ったけど、どこか支えたくなっちゃうのよ。」
「…じゃあゼミ長と副ゼミ長交代する?」
「いや、私は飛翔を信じるわ!」
「それじゃあ二人に拍手!」
こうして南川ゼミは和気あいあいとした雰囲気で始まった一方、隣の西園寺ゼミでは…
「おい愚民ども!今日から私がずっと一緒だぞ~」
「勘弁してくれ~」