211季 気になる聖書、天使の幸せ
人はいくつ過ちを犯せば、許してくれるのだろうか。もはや許すというその概念がないのかもしれない。
「と、この聖書に書いてあるわけだが、これについてどう思う?」
「これ…そういうものじゃないから。」
「やっぱりこの聖書ダメだわ。morigan式聖書は今すぐ捨てて、私たちの聖書を作ろう!」
「…今までmorigan式だったの!?」
morigan式聖書とは、筆者が作成した聖書である。ところどころ自分の考えや自分の言葉が多く、読みづらい印象が特徴だ。全くこのmoriganという人は…
「ところでなぜ聖書なのでしょうか…?」
「この聖書は…天使会の約束事だ。」
「もしそうなら…なんでわたくしたち3人だけなのでしょうか!?」
「それは誰にもわからない。まず魅華子はどこだ?」
「彼女なら朝犬の散歩してましたわ。」
「そうか…」
「佳奈は今寝てますね。起こしましょうか?」
「美白来たら起こそう。」
「遥希はどちらに?」
「知らないなぁ…」
「ところでどうして別れたんだ?」
「佳奈と遥希ですよね…あれどうしてなんだ?」
「あ、それですか!」
「魅華子!遅いぞ!」
「ごめんなさい!会合だというのに犬が離れなくて…」
「それは仕方がないな。」
「ところで佳奈と遥希はなぜ分かれたのでしょうか?」
「あの戦争で離ればなれになっただけ。むしろ隠れてデートしてるぞ。あの二人。」
「なに!?前聖書にはなんて書いてあるんだ!?」
「…恋愛は問題なさそうですけどね…どうしてですか!?」
「あれね…結花と佳奈は忙しそうだったでしょ…遥希は誘おうにも誘えなかったの!」
「遥希は優しすぎるんだ…そうだ、僕が話を…」
「よし、聖書の一文決まったぞ。浮気はダメ絶対…と。」
「そうですわよ。飛翔さんはわたくしと、遥希さんは佳奈と。これでいいじゃない。」
「僕にとって結花さんは色々といい人すぎる。まるで天使みたいに。」
「天使なんですけどね…もしかしてわたくしだと釣り合わないぐらい良い…?あの…」
「結花、照れてるな?」
「でもいい子ですよ…魅華子さんはどこに?」
「美白迎えに行くって置手紙してたぞ…結花のこと、正直どうなんだ?」
「簡単ですよ。好きです。できるだけ平和になったら結納でも。」
「結婚したいんだな。遥希と佳奈は結婚を前提に付き合ってるらしいぞ。」
「え!?飛翔さん!?…聞こえてますよ。ところで本当にわたくしでいいんですか?」
「…飛翔、気持ちに迷いはよくないぞ。」
「…僕は、結花さんを幸せにしたい。」
「飛翔さん、わたくしは貴方を幸せにしたい。一緒に幸せになりませんか?」
「はい!」
この状況でも他の天使たちは帰ってこない。つまりこの関係は…?