205季 世界の理、始まる日常
「飛翔!起きなさい!」
「…ん…まだ朝5時だよ…」
「いいじゃない!早起きは三文の徳なんだから!」
…こういった日常を期待していた自分がいた。真音が朝に起こしに来て、京子と甘い朝ごはん、雪と一緒に学校に行って…そんな日常…
「飛翔さん、それ絶対夢ですね。」
「まず私起こしたくないわよ。めんどくさいもの。」
「で、私と学校かい?私のモーニングルーティンは絶対参考にしないほうがいいよ。」
「そうです!雪は朝から風呂に入って!さらに化粧に1時間半!長くないですか?」
「…京子、それと隣でうんうんと頷いている真音、君たちもこれは参考にしていいんじゃないかな…」
「嫌です!朝はギリギリまでゆっくり寝てカップラーメンのお湯を入れる!それに限ります!」
「…ちょっと京子、あなた…それでいいの?本当にそんな感じで…」
「結構二足歩行って疲れるんです!私本当は…あ、無理でした。」
「形態変更か…この世界では禁忌だよ…」
「…待って?パーティーどうなった?」
「パーティーですか?まだ集合時間じゃないですよ?あと7時間は待ちますよ?」
「しかも今回…全部出前で済ましそうね…私たち仮にも学食サークルでしょ?何かしら料理しないと!」
「あ、キッチンはうちの使っていいよー」
「言われなくても勝手に使ってるって。」
こうして昼前から仕込み始めたいつもの3人、あの日常はやっぱり夢でした。
「京子の属性に…残念がついてしまったわ…」
「天然美人だと思ってたらずぼらというね。」
「で、私たちは何を作ってるの?」
「手羽先!台湾ラーメン!本場の…」
「それじゃあ伝わらないわよ!」
「とりあえず私は手羽先唐揚げ、台湾ラーメン、あと抹茶小倉あんかけスパ」
「それ絶対色々混ざってない?…京子は何作ってるの?」
「…あ、グリーンサラダです。」
「…京子、学食の時はそんな姿見せないじゃない。いつも通りにやってみた感じ?」
「…どういう感じにやればいいのかなって…」
「京子は京子、私は私。それだけでしょ。それに、私はそのままの…いつも通りの京子が好き。みんな同じだと思うわ。」
「真音…ありがとうございます…!」
「……パーティーって何時からだっけ!」
「ひーくん…あと5時間だよ。」
「うーん!意外とリアル!」
「それでもいいじゃないですか。もっとご飯を作りましょう!」
「そうだわ!…ところでとった出前はどうするの?」
「ひーくんって大食いだっけ?」
「…無理。」
「あちゃー…みんな来れるといいね…」
「大丈夫よ。あと5時間でしょ?」
大丈夫という言葉、これがフラグにならなければいいのだが…
「フラグにならないわよ!」