203季 主人公の交代、そうはならない
「というわけで私が久々に来たってことなんだけど…朝ごはんを作るの!?」
「そうなのよ…急で困っちゃうよね…」
「まぁ、真音ちゃんの願いだしね~」
みなさんどうも~店長のマリアですわ~由依とるるを呼んで明日から朝ごはんを任せているというけど…これでいいのだろうか~…
「…おかわりが繰り返されているわね…」
「いいじゃないの~」
「…ところで、朝ご飯のニューは決めてるの?」
「全くだわ~」
「それなら…私に考えがあるの。」
「さすがるるちゃん!!」
「とりあえずトーストとコーヒーを用意しようよ。話はそれからよ。」
言われるがままトーストとコーヒーを用意する三人。朝ご飯の営業まであと一時間半。
「とりあえずできたわね。」
「わかったわ!この中に唾液を入れるのね~いやらし~」
「…ここがそういう店なら100点だわ…でも…ここは学食よ。そんなサービスは衛生的によくないわ!」
「それと…ちょっと恥ずかしいです~」
「いや…えぇ…思ってた反応と違う…」
「まりあんぬ、私はサキュバスだよ?しかもご無沙汰の。」
「あ…ごめん…あとなんでるるはいけるの?」
「なんでだろうね…」
「…朝からボケない方がいいね…なんか世界の心理が見えたよ。」
「あ、ゆで卵できたわよ。」
「いつの間に!?」
「あとはどうしますか?」
「…グリーンサラダと小倉用意して…たぶんゆい姉はそういうと思う…」
「んぬ!正解!」
「マリアだよ!」
こうしてモーニングセットを200円で売り始めた。しかし、コーヒーが苦手な学生の事を考えていなかったのは、知る由もなかった。
「とりあえず100食売れたね…でもちょっと残っちゃった。」
「どうしましょうか…」
「おはようございます!」
「あ、ひーとクソゴミエイム!」
「誰がクソゴミエイムじゃ!真音だよ!」
「まぁまぁ、ぬの話はいいんだよ」
「…ひー?私はマリアだよ?」
「…そう、ありがとうね。」
「えへへ!」
「…俊ちゃん…やるなぁ。」
「このパンを活かして!今日はハンバーグを作ろう!」
「そしたら私はカレーとチャーハンを作るわ!」
「それなら僕はてんぷらにしよう!」
「あと誰が来そうなの?」
「京子は次の時間からだから接客だし…雪は明日担当だから…涼とか?」
「…気長に作っておこうか…ところで結局この作品の主人公って誰だっけ。」
「飛翔くんがそれ忘れるんだ…」
「確かに、飛翔が主人公らしくないのよね…でもこれって駄目なのかしら。」
「僕はそう思わないけどなぁ…」
「そう、飛翔がいるだけでいいの。いないとやっぱり、おかしくなっちゃうからね。」
「…え、なんでこんな壮大な話になっているの?」
飛翔、主人公は君だ。忘れてはダメだ。