202季 聞こえる漣、調査結果
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ドナウ川の漣が鳴り響く正午過ぎ、弁当屋には綺麗なお姉さんが3人並び、優しい接客、美味しい弁当、少々割高な値段も結局美食には負けられず、一方学食サークルは…
「あの弁当屋…調査してきて。」
「はい!」
と、飛翔が調査に行こうとしたところ、京子とゆりねが弁当を買っていたので真音はそれを一口ずつもらうことにした。
「…これ、美味しいわ。しかもやばいぐらいに。」
「とんかつ弁当ですよね…あえてサクサクにしないようにしたのでしょうけど…それが逆にいい感じになっていますね…」
「こっちのハンバーグ弁当は弁当らしい感じの弁当ね…これにどうやって勝とうと思うの?」
「…そうなのよね…」
「それと、このかつ丼は美味かったぞ。」
「飛翔?何賄いを無視してるんだ?」
「…今日の賄い、何にしようとした?」
「飛翔にはハンバーグよ。」
「…おいこら、どう見てもキャロライナ・リーパーだろ。だから買ったのに。」
「こんなことするからよ…というより今回からシフト制廃止したのね。」
「基本来れる人が来る感じで、だからメニューも固定をやめたの。その代わりちゃんと今日のメニューは電子掲示板とか色々なところで発表しているから問題なしよ。」
「…あぁ、このかつ丼ね。普通だよ。弁当としては満点だけど。」
「弁当屋じゃないの?」
「由依さんたちのところ?あれ売り切れてたわ。明日買うわ。」
「…ルーナって…」
「閉店したんですか…」
「そうなんだよ。あのコーヒーがまた飲めないのか…」
「…いや、チャンスよ。私たちの学食は何時から?」
「仕込みは10時…あ、そういうこと。」
「狙いは朝ごはんよ!」
「朝活ね…会長に相談するわ!」
「その心配はない。ただ学長に相談するべきだがな。そうだ、相談してくる。」
「その心配もないぞ、本庄君…このキャラ嫌だ。まぁ、朝ご飯はいいんじゃないか?」
「ありがとうございます!」
「…ただ私たちは朝ごはんを作れない。みんな多分辛いと思うから。そこで!由依さんに相談するの!」
「私に…ですか?」
「本人だよね!?というかここはどうなってるの!?」
「まぁまぁ。話を聞いたんだけど、朝の時間帯は私たちが使っていいの~?」
「あ、朝ご飯が正式に決まったら…」
「私はいいけど…他の二人がね…」
「まぁ、要相談ということで…」
「それよりも…忘れてない?」
「…あぁ。あの店か。元気にしてるかな…」
「本当にそうだよ。」
「…リコリスか。あそこはもう閉店した。」
「…学長…どうして…」
「あのあたり、私の家があるんだよ。」
「…変わったんだな。いろいろと…」
「変わったと言えば…」
時代も季節も、きっと変わり続ける。その中で僕たちは変わらない日々を過ごしていくのだろう。