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魔法使いの書  作者: 新規四季


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明亜夜見と、紗永無垢が寝静まった夜。

その2人が追っているバケモノは目を覚ます。


深夜も深夜。健全な人々は寝静まり、欲に従い、理性に枷を付け、夜を楽しむ人々。

華やかに色ずく人工的なライトに照らされて、そういうお店に入る人。酒に溺れる人。

その、眠れない街の1箇所に、別の不幸が忍び寄る。


そのバケモノは最初は些細なものだった。傍から見れば酔っ払いの千鳥足のような歩き方。自分のあり方を迷うかのように、自信なさげで、さまよって見える。


「あ、あれ?ここどこ?」


少女は眠りについていたはずと、少し前を振り返り思う。確かにベットに入り、最近聞こえてくる幻聴を無理やりかき消すようにイヤホンを付けて眠りについたはずなのだ。


不意にパチクリと悪夢の途中に死んで目覚めるような、感じで意識が覚醒した。


少女はトンネルの中に居る。後ろは光が全くない闇。前は辛うじて街灯の弱い光があるだけ。虫が光に群がるように、導かれるように街灯へ向かう。


あるいは本能的に闇を怖がり、光を求めたか。どちらにしろ、今どこにいるのか、家までどれくらいなのかが知りたかった。まるで夢遊病。


今この時すら夢じゃないかと思うし、そうであって欲しいと切に願うが、裸足でいるから、小石を踏む度に確かな痛みがあるから、最悪な事に現実のよう。


トンネルを抜ける。無性に泣きたくなる。

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