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魔法使いの書  作者: 新規四季
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まだ10月に入ったばかりなのに雪が降った。

チラチラとゆっくり降りてくる氷の結晶に初めは幻想的で、灰色の空から降り注ぐ幾重もの雪に魅入られたが、直ぐに寒さが勝った。


夜見には雪が降ったからと共感する友達も居なければ、親も現在は留守だ。


寂しさを覚えたのは寒さのせいかもしれない。


この街は雪は降っても積もらない。そんな例年なのだが、今年は少し違うようだ。


夜見からすれば、今年はいつもと違う事ばかりだと思わずにはいられなかった。


起きるのに億劫な寒さ、スっと消えた眠気。

さっさと着替えて朝食代わりにインスタントコーヒーを作る。


夜見はインスタントコーヒーは嫌いだ。

ちゃんと豆から挽いてドリップして飲みたい派なのだが、従来の面倒くさがりな性格では、余程気分が乗った時じゃないと自分でドリップなんてしない。


クソ不味いコーヒーを飲みながら朝のニュースをみる。

どうやらこの雪は一日続くらしい。


少し高地にある自分が通う高校へ向かう。


玄関を開けた途端に家の中が以下にマシだったか思い知った。

夜見は寒がりだ。女性にしては細く、余分なものが無い。女性らしさの感じるシルエットではあるが、それが夜見自身に良い影響を与えたことは1度もない。


大きなため息が出る。

その息は白く、街の冷気の中に消えていった。

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