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時計を見ればまだ6時だった。
冬は夜が更けるのが早い。てっきり8時くらいかと思っていた。
いや、そういえばお腹もあんまり空いてはいない。
執筆はスラスラできるのに、夕飯の献立に悩む人間もそう多くないだろう。
とりあえずキッチンへ行く。
リビングの奥の部屋に当たるのだが、入った瞬間足先から頭のてっぺんまで一気に寒さが押し寄せた。
ブルブルと震えながら、平屋の欠点だと愚痴り、何か食べ物はないかとあちこち探る。
まず、冷蔵庫。
卵しか入ってない。
明日の朝ごはんすら無いかも知れない。
流し台の下にある引き出しを開ける。
辛うじてインスタントラーメンが数個置いてあった。
何とかなったと思い、今日はこれで済まそうと決めたのであった。