5.フレンドにはならない
説明多いです。
外に出て、とりあえず初めに立った広場へ足を運ぶ。そして改めて周りの景色を眺めて呆然とする。初めて観た時には落ち着いて見なかったわけだが、街並みは綺麗で、建物の統一感もある、欧州的な街並み。服装から見ると昔のヨーロッパのどこかの街を感じる。説明を受けたはずなのだが、曖昧な俺はテンに問いかける。テンがしてくれた説明はこんな感じだ。実際は場所に関して以外は制服お姉さんに説明を受けているし、これも街に意識を奪われて流しながら聞いている。
・この世界は、現代の地球を大陸のみ縮小した世界、
場所・地域的名称も場所も現実とは違う。
ちなみに今いる街の名称は「コーク」城壁に囲まれている
・中世ヨーロッパ位の文明レベルで機械的なものは無い
病気等も普通に存在する為、健康には気を付ける事
プレイヤーは死亡した際には教会で生き返る事が出来る。
(ノーリスクではなく、金銭的負担等、状況に差異有れど発生する)
NPCも例外的に生き返る事は一応出来ることは出来る
・プレイヤーもNPCも年齢を重ねる
但し、NPCが年齢を重ねる速度は24分の1
その為に1年の概念は、現実世界の24倍の8760日
ミズキはオートマタを選択した為に年齢の概念は付与されていない
・通貨は全世界共通
ポイントは通貨に変換可能
現実での買い物の関係上、ステータス表示はポイントである
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小銅貨= 10P
大銅貨= 100P
小銀貨= 1,000P
大銀貨= 10,000P
小金貨= 100,000P
大金貨= 1,000,000P
白金貨=10,000,000P
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…で、硬貨⇔ポイントの変更可能
ポイントを硬貨に変換するのは、念じるだけで可能
硬貨をポイントに変換するには、銀行で手数料を払い手続が必要
因みに銀行口座はプレイヤーに自動的に付与されている
・各プレイヤーは常時開ける収納スペースを持っている
高さ60x横幅30x幅20(cm)程の空間
その中に入る物なら重さを感じずに運ぶ事が出来る。
入っている物を自覚しているなら、念じれば手にする事が出来る
限界近くまで入れる際にはテト〇ス的な整理イメージが必要
・プレイヤーはそれぞれしたい事をする
そのしたい事を読み取ったDREAMが表現する
・冒険を希望するプレイヤーが多い為、
RPG的にモンスターや魔王が現れる世界、所謂、剣と魔法の世界である
・プレイヤーだけではなく、運営側の社員、モンスター、
NPCと呼ばれるノンプレイヤーキャラクター
等がおり、基本的に各国の盟主はプレイヤー以外で統治されている
…と、いった感じだ。これって、プレイヤーが居なかったら平和なんじゃ無いのだろうか…などと思うのはきっと無粋なんだろう。確かに、服装なんかは漫画やゲームで見るような服と言った感じだし、武器とか鎧を身に着けた連中もそこらかしこを歩いている。剣や魔法の世界とは面白そうなのと、興味を持ったことだけ興味本位で聞いて見る。
(戦闘とか出来るのか?…時に収納スペースってなんだ?)
『口調…今はまぁ、いいけど…あるわよ。戦ったり使ってみたりする?』
(面白そうだけど、今は街をとりあえず回りたい。)
『わかったわ。』
戦闘も出来ると言う事実に満足をして、勧めてくる言葉がより実感させてくれる。それでも、まずは色々な物を観てみたい好奇心が、剣と魔法へのソレを上回った俺は、街の散策を優先するべくテンに頼む。
ただただ街の中を見て回る。特にテンが主導して案内をするわけでなく、ミズキが好きなように歩き回り、知りたい事をテンに聞いて、テンが答える…そんな散歩である。多くのプレイヤーやNPCが歩き回り、賑やかな雰囲気を醸し出している。なんとも平和な感じである。
そうして気が付いたのは、山を切り崩して城が建ち、その城の三方を城壁で囲んでいる事。そして、凹の字型の城下町の凹んだ部分に城を含む別の区画が存在している。平民街と貴族街の様な区分けなんだろうと理解し、何かファンタジーしてるなぁ…等と思いつつ歩く。
山と言っても、非常に急な切り立った崖で、普通に考えたらロッククライマーなんかは楽しむのかもしれないが、凡人には移動は無理そうな巨大な壁を背にしている感じだろう。
下町…と呼ぶことにするが、ここも5つの区画に分かれている感じだ。
山を背にした城の両脇。山と貴族街を二辺に持つ辺りは住宅街となり、それ以外の区画が商業地域と言った感じがする。道は真っ平ではないが石畳で舗装され、路は直角に曲がり、現実世界の京都や札幌の様な碁盤の目の様に路が張り巡らされている。
建物毎の色さえ多少は違えど、道路に接した建築物の前面は綺麗に一直線に並んだ感じで美しい。高さも大体最高で3階位に揃い、ある種の調和を形作っている。
道幅は1本を除いて全て4m位で今は人しか歩いていない。車があるわけでもないのだからそういうものなのだと思っていたら、城から街の中央に延びる、唯一道路幅が広い道を馬車が駆け抜けた。きっと、御貴族様が街の外にでも出るのだろう。
その脇を歩いていた冒険者風の少年が馬車とぶつかりそうになって側道に向かって倒れたので、駆け寄って短い言葉で尋ねる。
「大丈夫?クラクションとかないもんね。」
「あぶないよね、でも大丈夫だよ。」
「気を付けなよ。」
「ありがとね。君もプレイヤーでしょ。僕はライトって言うんだ。」
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(テンみたいに、自分にしか見えない死神が憑いてたりしてね。)
『私を死神扱いする気?』
(ごめん、ごめん。悪気は…あるよ?)
『…漫画が元なのね。使われ方はその人にだけ見えるからかしら。』
倒れていた少年の名前を聞いて、昔読んだ漫画を思い出しミズキはほくそ笑んだりするが、思考は意図的に伝わった後、検索して理解したテンは的確に突っ込んで来たりする。
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「とにかくライト君、気を付けて歩きなよ。」
「ねぇねぇ、君の名前は?」
「…ミズキだよ。」
見た目が少年のプレイヤーに「君」を連呼されている時点で違和感を感じているが、そもそもプレイヤーの性別や年齢や強さは見た目でわからない事に気付いてない。少し戸惑いつつも応対はする。
「ミズキさんかぁ…ねぇ、僕とフレンドになってよ?」
「友達になりたいの?見た感じ冒険者の様だけど、私は当分、冒険とかする気はないから。」
「フレンドの仕組って知らない?」
「ちょっと待ってね。」
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(フレンドって何?)
『名前の通り友達よ。フレンドになると、その人がログインしているかを知る事が出来たり、メッセージ…これはまぁメールみたいなもんね…を送ったりできるのよ。ミズキは見た目女の子なんだから自己責任でね。後で解除も出来るけど。』
(なるほど。さんきゅ。)
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「えっと、私はナンパされてる?」
「えっ!?」
「君と私は初対面でしょ?急にフレンドって言われても。」
昔のゲームを触った事はあるものの、DREAMしかり、ネットゲームやソーシャルゲームやMMORPG等の知識が欠如しているミズキには、初見で友達…ここではフレンド登録すると言う感覚が全く無い。そんなに人間にフレンドになろうと声を掛けた処で警戒心しか湧き出てこないのは…見たまんまである。
「ナンパではないけど…倒れたところを心配しくれたから、いい人かなって。」
「それ位は普通だよ。君も人が倒れたら「大丈夫?」って声位かけるでしょ?」
「多分…」
「んー、そこで「かける」って断言出来ない人とは、やっぱり友達にはなれないや。ごめんね。」
「……ほえぇ…」
馬鹿みたいな正義感と言うか、愚直と言うか…それだけ伝えるとミズキはライトを残し振り返って歩き出す。ポカンとした顔をしてその場に座り込むライトを残して。そのライトに何かを残して。
ミズキ的にはテンの忠告を聞いて、面倒な事には近づかない事をベースに少し本音も加えて、うまいこと厄介事から逃げきったと思っている。そして、また自分のやりたい事に向かって邁進する。
(まぁ、結構見て回ったし、不動産屋につれてって。)
『不動産屋…ね。』
唐突に伝えて、改めてテンを困惑させつつ、テンの案内で不動産屋?に向かうのだった。
北
山↑ 文章でうまく説明出来ず補足です。
山①②
山★③→東 街ですが、方角は山が西です。
山④⑤ ★が貴族街、①④が住宅区、②③⑤が商業区、
山↓ ★→③に向かって大通りと正門、南北にも門があります。
南
200611 通貨のくだりを解り易く、気づいた誤字を修正。
200617 後書きの住宅区と商業区の位置の間違い修正。




