0.プロローグ
なんとなーく、思いついた話をちまちま書いて見ようかなぁ…と。
暇つぶしにでもなってくれれば、良いですね。
とりあえず…10話位まで我慢しつつ読んで貰えるとマシかも知れません。
俺は、長谷川瑞貴、ちっちゃな会社で輸入雑貨を取り扱う会社員である。
働いて、帰って寝る…そんな毎日をおくっている。
これを繰り返す俺の部屋に、そんなに必要なものは多くない。
ミニマリスト…とまではいかないが、特別なものは無い部屋。
ベッドにテレビ兼用のパソコン、冷蔵庫、コンロ、電子レンジに電子ケトル。
洋服タンス代わりに積んだワイン箱、シングルベッドに洗濯機。
あとは、ちゃぶ台…こんなもんだ。
月に何度かの休みは、定期券で行ける範囲で散歩する。
そして、見た事のない店で何か食う。
テイクアウトでも、店内飲食でもいい。
通勤時間は1時間だが、その分定期でいける範囲もそこそこ広い。
通勤時間の短い範囲に引っ越さない理由はそれ。セコイのは自覚している。
最近だとこれが俺の唯一の楽しみなのかも知れない。
どこにでもあるチェーン店じゃ、どこで何買っても同じ味だ。
知らない店で、適当に買い食いなんかをするのはすげぇ楽しい。
だから、就職もなんとなく海外に関わりたかったんだ。
そんなに優秀でもない俺には、今の会社は丁度いい。
たまに海外にもいけるしな。
学生時代はバックパッカーってやつだ。
リュックサック一つで、色んな所に足を運んだ。
知らない国で、食ったことのない料理を食って、
観た事も無いような景色に建物、街並み、雰囲気を感じる。
今じゃ、VRっていうのか?
ゴーグル着けてチャチャっと仮想現実世界に飛んじまう。
家に居ながらにして、世界中の色んな所に行けちまうんだ。
色んな会社が独自の世界を作り出しているそうだ。
1台の機械で色々やらせてくれりゃいいのにな。
その辺はスマホよろしく、製品販売の戦力かね?
俺は歩きたい、相方はVRでもいい。
そんなのも理由の一つで、2か月前に彼女とも別れたしな。
なんでわざわざ二人で仮想世界に行くんだよ。
旅ってのは、そういうものじゃねぇと思うんだが…
好奇心ってのは、リアルでないと満たされないだろうよ。
まぁ、一番の理由は別のとこだが、積み重ねってやつだ。
そんなある日、俺の生活が一変しちまう。
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カラン、コロ~ン♪
「おめでとうごさいまーす!2等、DREAM一式でーす!」
取引先のでっけぇ会社の忘年会に呼ばれた俺は、
忘年会のビンゴ大会で、その一式とやらを当てた。
バケツでも入ってるのかと思わせる箱を受け取った。
そんな俺を見て、一緒に来ていた同僚が俺に話しかける。
「おっ、DREAMか。CMやってるけど面白そうだよな。」
「面白い?そもそも、DREAMって、何なんだよ?」
「はぁ?…お前、テレビとか見ねぇの?
CMでガンガン宣伝してんじゃん。最新のVRマシンだよ。」
何も知らない俺に説明してくれる。
最後発のVRマシンだとか、色々と説明して来るんだが、
聞きなれない言葉がズラズラと並び、頭に入ってこない。
そんなものだから、
「へぇ」
とりあえず、適当に相槌を打つ。
「んだよ、それ結構すんだぞ?興味ないなら、俺にくれよ。」
色んなVRに手を出してる話をよく聞いちゃいたが、
これはまだ持っていないのか、図々しくよこせという同僚。
「あんま興味はねぇけど、まぁ、一回やってみるわ。」
折角貰ったんだ、やる訳ねーだろ…と思いつつ返答する。
あんまり興味がある訳でもなかったんだが、食わず嫌いもなんなんでやってみる事にした。タダなわけだしな。
…
……
VR馬鹿にしてたわ…すまん。
これは俺が仮想現実の世界で、俺がちんたらし始めた話である。
200611 最後の一文、ちょっと修正
201009 「折角貰ったんだ、やる訳ねーだろ…と思いつつ返答する。」…の部分。
「やる訳ねー」…が2通りで解釈出来る為に訂正の指摘を頂くも、playでなく、giveの方なので直さずそのままです。丁寧に言えば「あげる訳ないでしょう」と言うことで。