2015年
悪い出来でも残しておこう
いつかの明日の糧になる
2/7
金曜の仕事帰りに同僚と寒さを恨む如月の駅
2/8
軒先の蝋梅横目に路地を行く
お茶室で雨傘たたんで一休み
城跡の花待ち遠しい佐倉の春
2/11
恒例行事と渡してみたが今年のチョコは一つだけ(女心)
義理のはずだが部下に見つかりブランドチョコだと驚かれ(男心)
2/12
春の雨鴨と波紋と土塁跡
2/15
何処までも限りなく降り積もる雪
どの思い出もいつも二人で
2/17
白鷺の親子のたたずむ小川かな
2/18
帰り道冷たい雨に濡れながら自転車で越える特急列車
2/20
白浜の夕日に染まる春の荒海デニムの裾は波にぬれつつ
2/22
初雁のぬる湯に浸かるさらさらと
3/4
春近しティッシュの山と空の箱
3/5
並木道花のつぼみはまだ固く
3/6
赤茶けた傷んだ毛先を切り捨てて春風切って進め自転車
3/19
春風に花待ち遠しい並木道
3/22
鮮やかな門前通りに菜の花壇
4/1
夜桜を二人で見上げる帰り道
八重咲きは枝垂れて風に遊ばれて
街灯にもたれて輝く桜色
晴天の朝にピンクの花弁降る
4/4
東名は春の嵐に桜舞う
4/14
旅先で鳴くよウグイス海眺む
4/17
モクレンや頬もほころぶ虹二重
4/19
菜種梅雨晴れて手つなぐ月夜かな
5/10
カラフルな矢車菊と梅雨を待ち
5/20
友と来て迷宮館で騙し合い
那須の宿硫黄の香り肌に染み
春は短し絆は永し
5/26
また今日も眠れぬ夜が明けていく寝息をたてるあなたの横で
5/27
衣替え待てずにブレザー脱ぎ捨てて 進め!自転車!! 君を探して
真夏日か 汗ばむ肌にそっと触れ
詰め襟を緩め「隙有り!」南風
5/31
コンビニのバニラソフトに君のkiss
6/24
いにしえの城跡 紫陽花 通り雨
山城に昔を偲び酒を呑む
7/5
絽の羽織、神田の鳥居をぬらす雨
雨降れば傘が咲くなり聖橋
傘たたみ赤門手前で金魚すくい
7/7
涼やかな梅雨の合間の薄曇り
7/16
懐かしい匂い立ちこめる雨の草刈り
草を刈る仕事人打つ暴風雨
台風に負けてたまるか!駅へ急ぐ
草色のフレアでロングなスカートを2色に染め分ける休日の嵐
浴衣着て、髪をまとめて、下駄を履き、巾着片手に戦闘開始
御神輿と人の流れに逆らって、手を離さぬよう2人で行く夏
友だちに今日は会いたくない夏祭り
8/8
いざよいに重ねた肌の温もりも遠い昔の夢のことかも
メッセージ送ってさびしさ紛らわし
9/17
秋風に思い出いっぱい散らばって
曇天も言葉失い涙雨
悔しさに現世濡らすは雨粒か
友の旅立ちを思って。
9/25
砂の丘、ラクダ、オアシス、水平線
10/7
珈琲は深く甘く芳しく
10/28
少し前に新聞で見かけた細川幽斎の歌
必ずと契りし君が来まさねば強ひて待つ夜の過ぎ行くは憂し
11/1
よそ見して呟く君の「かわいい」が私の心に深く刺さった
タイプとか好みと違うと言うくせに、何で私の手を握ったの?
少しでも近づきたくて頑張ったオシャレを笑う無神経なヤツ
いつだって不安ばかりでつらいから、ちゃんとあなたの言葉をください
12/11
寒空に訳知り顔の夜半の月
12/12
あまりある身をも憐れと思えども人には知れぬ思いわずらい
12/24
「きてほしい」願いかなえるサンタ服
メッセージ、送信押せぬ24時 布団の中の臆病な僕
クリスマス 去年は興味が無かったが…
駅前で見かけたツリーと君とカレ
12/31
頼りなく揺れる枝垂れの青柳 忘れられじと忍び手折らむ
風吹けば揺れる柳のひと枝と 何ともなしに忘らるるかも
大晦日つまみのキュウリにおぉ味噌か
御粗末様でした。