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日常が崩れ去った日

悪ふざけの賜物



「野菜マシアブラマシニンニクマシマシ」

「麺半量の野菜マシ、味玉トッピング」

「野菜マシマシアブラマシマシニンニクマシマシ」



店内ではカウンターに座る客が自分好みのラーメンをオーダーする。その注文はまるで呪文を唱えるようだった。



「あいよー!」



食券を受け取り注文を受けた店主は極太の平打ち麺を湯がく。

店内はカウンター6席のみの小さな店だ。商店街から少し外れた路地にその店はあった。


『脂野郎』それがこの店の屋号だ。

二郎インスパイア系と呼ばれるコッテリかつボリュームのあるラーメン屋である。


メニューは『脂麺』のみ。

量が通常のラーメン屋の大盛くらいのボリュームがあり、麺半量にして頼む人もいるくらいだ。

濃く背脂たっぷり浮かんだ豚の旨味たっぷりの醤油スープに絡むたっぷりの野菜と極太平打ち麺。

店内には夢中で麺をすすり、シャクシャクと野菜を咀嚼する音が響く。



いつもとかわらない忙しさ。

本来は14時閉店だが、麺100食分(脂麺50人前)が完売したので店じまいの用意をする。

並んで待ってくれていた人に麺が完売したので提供出来ないことを説明し、店頭の暖簾を外しす。



カウンターを片付けて、明日のスープの仕込みをしよう。

寸胴でたっぷりの水に豚の背骨や大腿骨を入れて臭みを抜くため湯でこぼす。


茹でている間に今日の売り上げを計算し帳簿に記載する。どんぶり勘定してると税理士が口うるさいため面倒だが毎日ちゃんと記録していた。


下茹でしてアクを洗い流し、豚の骨から臭みをぬいたあとはもう一度鍋に骨とたっぷりの豚肉、キャベツの芯やネギ青い部分などのトッピング野菜の余った部分、たっぷりのニンニク、大量の背油を入れて豚の旨味を凝縮したスープを作る。


そしてラーメンの味の決め手となるタレはこだわって選んだ濃い口醤油とみりん、旨味成分である業務用グルタミン酸ナトリウムをこれでもかと投入し一煮立ちさせ、スープに入れていた豚肉を漬け込めば完成だ。

タレに漬け込んだ豚肉はそのままチャーシューとしてトッピングしているため無駄がない。



あまり頼む人はいないが、追加トッピングの味玉やメンマも少しだけ仕込んでおく。


野菜は開店前に刻んで蒸すようにしているので、閉店後の仕込みがひと段落すればもう帰ろう。


「だー疲れた。今日もよく働いたなぁ」


腰をトントンと叩き、帰るために店の裏にある出入り口から店を出ていつもの商店街の路地裏へ出た。



はずだった。




そこに広がるのは見慣れた商店街ではない、レンガのような土壁のような異国情緒あふれる路地である。



「・・・どこだ、ここ」


はっと後ろを振り返りドアを確認するが、そこには建物の壁があるだけで見慣れた自分の店はない。

大学生のとき二郎系にハマり、ラーメン屋修業を経て26歳で手に入れたカウンター6席だけの俺の城。



これは夢だ、きっと夢なんだ。



「うぉぉぉぉぉぉぉおおお!!起きろ!!俺!!」



叫びながら店があったはずの場所に立つ建物に頭を打ち付けた。



建物の住人から通報されるのは自明の理である。

気が狂った人間が叫びながら頭を壁に打ち付けていると通報されて当たり前だ。



兵隊のような格好の二人組の男が駆け付け、「お前!薬でもやってるのか!ちょ、暴れるな!詰所まで来てもらうぞ!!」と押さえつけられる。




「離せぇぇぇ!!俺を帰してくれぇぇぇぇぇ!!」




連行された。



作者の悪ふざけにより誕生しました。

好きなものは二郎系ラーメンとプロテインです。ジムで筋トレが趣味です。プロテインはレジェンド派です。

好きなものや趣味要素が組み込まれます。

これらが無理って人は真面目に書いてる

「勇者として召喚されたなんて知らなかったから異世界で農家になりました」

をよろしくお願いします

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