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ストーカーにご注意を

またまた見直ししてません

 俺は、冒険者ギルドに入り受付に行く。


「すみません冒険者登録したいんですけど」


受付の綺麗な女の人にそう伝える。


「はい、冒険者登録登録ですね。ここに必要事項などを書いてもう一度こちらの窓口に来てください」


そう言って1枚の用紙を渡される。


「あちらにペンなどを置いておりますのであそこで記入をお願いします。代筆が必要であれば1000ピルでやっておりますが」


「いや大丈夫です…ありがとうございます」


俺は用紙を見ながら答え、言われた場所に行く。



 氏名  ガク マイクラ


 種族  人間


 年齢  17   性別   男


 武器  剣


 戦闘スタイル  剣と魔法


 魔法属性  火



  

(ねえー魔王、魔法属性ってのはなに?)


(ん?あー人間は複数の魔法を使えるやつが少ないからの、私みたいに全属性操れる人間はおらぬよ)

 

(へーそうなんだ)


俺はテキトーに、火と書いておく。そもそも年齢も嘘だしな。


「書けました!」


先をどの窓口にいる女の人へ持っていく。


「では身分証を発行しますのでこちらの板に少しでいいので血を垂らしてください」


 針と金属の板を渡されたので、言われた通りに血を垂らす。血が付いた板は少し青色に光るがすぐに消え元のただの板に戻った。


「この板に情報を打ち込むので5分程お待ちください。その間、ダンジョンの情報を無料でレクチャーしていますがお聞きになられますか?」


「いや結構です、それよりもその板が出来たらもうダンジョンに入れるの?」


「確かに入れますが、危ないですよ?装備もあまりよろしくないようですし、それにダンジョンにはさまざなな罠があり初心者が一目で見分けられないようになってますよ。今日はギルドで無料の講習を受けていかれた方がいいですよ」


俺が造ったダンジョンのレクチャーって……俺がダンジョンのことを最も理解しているんだから必要性を感じない。それに今日はダンジョンに入って俺自身がどれくらいダンジョンに通用するかも見ておきたっかた。


「いや本当に大丈夫なんで、それより依頼ってあそこのボードに貼ってあるのでいいんですか?」


「い、依頼も受けられるのですか?それなら尚更、講習を受けていかれた方がいいですよ?」


「いやだから大丈夫だって、じゃああそこで依頼見てるからさっきのができたら呼んでよ」


(この娘もしつこいのーガクよりダンジョンに詳しい者なんていないのにな!)


「分かりました、ただし星2ダンジョンの依頼は受けないでくださいね」


「はいはーい」


テキトーに返事をして依頼ボードを見に行く。


(ガク、その星って結局なんなんじゃ?)


依頼ボードをみながら俺は説明する。


(星っていうのはダンジョンの難易度と自分自身のレベルを表していて、俺達は今星なしで星3以上のダンジョンには入れないんだ。ちなみに星なしと星1は、星2までのダンジョンまで星2からは一段ずつダンジョンのレベルが上がっていく感じだよ!」


(なるほどのう、で?星を上げるにはどうすればいいんじゃ?」


(簡単に言えばダンジョン攻略だね、ダンジョンに自分に力を認めさせれば勝手に星が増えるよ、まあいきなり星5ダンジョンを攻略出来たらすぐにでも星5に成れたんだけどね……こればかりは地道に上げるしかないよ)


「ねえちょっと!ねえてっば‼アンタよ!アンタ!聞いてるの?」


 魔王に説明していて気づかなかったがどうやら話かけられていたみたいだ。


「なにか俺に用ですか?」


声の主は、ブロンドヘアの俺と同じ歳くらいの女の子だった。


「アンタ新人でしょ?それなら私と組まない?今からダンジョンに行こうと思ってたからちょうどいいのよ」


「いや俺は一人でダンジョンに行くから他をあたってくれ」


「ちょ⁉なんで断るのよ!こんな可愛い子がパーティーに誘ってあげているのよ」


 うわー自分で可愛いってこの子ちょっと痛い子だな。見た感じこの子初心者だし、多分一人で行くのが不安なんだろう。俺にはこの子とダンジョンに行くメリットもないし正直、足手まといだ。


「ごめんな!じゃおれ急いでるから!」


女の子は何やら騒いでいるが、俺は無視して依頼ボードから依頼を一つ取り剥ぎ取り、そろそろ呼ばれそうだったので受付に行く。


 受付に行くとちょうど出来ていたカードを受け取り、先程剥ぎ取った依頼を渡す。


「いきなり討伐系の依頼ですか……ゴブリンは弱いと言っても一人では危険ですよ?」


「星1のダンジョンの依頼ですし、問題ないでしょう?」


「はぁー分かりました、ではくれぐれも気を付けてくださいね」


 俺が受けた依頼はゴブリン10体討伐だ。こいつらなら魔王の力を借りずに倒せるだろし。夜になる前には宿に帰れるだろう。つまり手ごろな依頼だった。


 俺は冒険者ギルドを出てダンジョンに向かう。


・・・・・・・・・・

受付嬢視点


 私はいつも道理、窓口で仕事をしているとその男が来た。始めはよくある冒険者志望の新人さんだと思った。文字も書け教養もあるのでどこかのお坊ちゃんかも知れない。


 マニュアルに従って用紙を書いてきてもらうまでは、良かった。ただガクという新人は自信過剰なのか、講習は受けないと言っているのだ。


 通常、新人には講習を受けてもらっている。必ず受けさせなければならないという訳ではないのだが、ほとんどの新人は講習を受けてくれる。それは冒険者の危険を誰しもが分かっているからだろう。子供のころ親に悪さをするとダンジョンに捨てるよと言われるくらいだ。


 依頼を受けたいみたいで、間違って星2の依頼を持ってこられたらギルドとしては断ることができないので最初に釘をさしておく。


 そしてあまり見慣れない新人の女の子と話していたと思ったら、依頼ボードから何か持ってきた。タイミングよく冒険者カードが出来ていたのでついでに渡す。


 驚いたことに討伐依頼を持ってきた。確認したがやはり自信過剰のお坊ちゃんだな。冒険者の間ではゴブリンはダンジョン最弱四天王の一角だと言われているから簡単にできると思っているのであろう。


 ただ期限を見ると今日中の依頼で討伐数が10体だった。これは絶対無理だとは思ったがあえて言わないことにした。この時間帯(3時ごろ)からギルドが閉まる7時までにゴブリン10体はダンジョンの地形に詳しくない新人には不可能だ。せめて期限が3日あればギリギリソロでできるラインだ。


 ガクが出て行ってすぐに新人の女の子が来て薬草採取の依頼とガクとパーティーになったのだと言ってた。新人が一人が二人になったところで変わりはしないだろうが。


 時刻が5時を回ってベテランの冒険者達が帰ってきた。この時間帯が一番ギルドの受付に人が並ぶ。いつも道理だがガクが自分の受付に並んでいることに驚く。


(ありえない!こんなに早くゴブリン討伐ができるはずない!ならなぜ並んでいるの?)


そしてガクの順番が来る。


「依頼達成しました!」


ドン!と置かれた袋の中には確かにゴブリン10体分の魔石があった。


「確かに確認しました……これが今回の依頼料になります……随分と早かったですね」


「え?そうですか?……あ、すみません結構ならでるんで俺は行きますね」


そういってギルドから出っていてしまった。すぐに後ろの冒険者が着てしまったので仕方がない。


ただこのことはギルド長に報告すること決めた受付嬢であった。


・・・・・・・・・・


ギルドを出て王都の西にあるダンジョンに俺は来ていた。ダンジョンの門前には看板が建てられており星1ダンジョン「ウエスト」と書かれていた。

 

 俺はダンジョンに名前は基本付けない性格なので、人間が勝手に付けたのだろう。


「お!今から挑戦かい?見たところ新人だな、気を付けて行って来いよ!」


門前にいた見張りのおっちゃんにれいを言いつつ門を開ける。どのダンジョンでもそうだがこの門からダンジョンの中へ強制転移する。


 ウエストダンジョンは洞窟の中をイメージして造ったダンジョンだ。俺も割と初期の頃に造ったダンジョンだから細かいところまでは覚えていない。なんとなくこっちの方にゴブリンが湧くように設定した気がする。


 うろ覚えで進んでいるのは、仕方がないだろう……ただし問題が一つあるとすれば


「あのーなんでついて来るんだ?」


俺のすぐ後ろにはギルドで話しかけてきたブロンド女がついてきていた。


(あ、そういえばギルドを出てからずっとつけてきていたぞ!)


(マジか!この女ヤバいな新手のストーカーだわ!後魔王その情報は早めに教えてくれたらうれしかったわ)


(悪意を感じなかったのでな)


「たまたまよ!たまたま!私もこの方向に用事があるの!」


そう言って俺の少し後ろをついて来る。


 俺はもう気にしないことにしてダンジョンに進む。5分程歩きようやくお目当てのゴブリンと出会う。数は3体。


(魔王は今回何もしなくていいよ!身体強化なしでもやれそう)


(む……分かったのじゃ!、まあ雑魚じゃしの!)


俺は剣を構える。


「右は私が、左は任せるわ!真ん中は早い者勝ちね!」


「おい⁉︎何勝手に決めてんだよ!クソ‼︎」


既にブロンド女はゴブリンに向かって走っている。俺も少し遅れて走り出す。


ブロンド女は腰にあるレイピアを取り出し、ゴブリンの脳天を突き刺す。


「グギャ!」


俺も剣を上段から振り下ろしゴブリンを倒す。俺より先にゴブリンを倒していたブロンド女の方がゴブリンに近い。


(魔王身体強化お願い‼︎)


(任せろなのじゃ‼︎)


俺は体が軽くなる様な感覚と同時にゴブリンの後ろに回る。


「え?」


そして無防備になっているゴブリンの背中を斬りつける。ゴブリンが灰になり魔石になる。


「早い者勝ちだろ?」


ブロンド女に向けて言う。


「ちょっとアンタ今の何なのよ‼︎」


俺は自分の倒したゴブリンの魔石を拾う。


「企業秘密だ!ほれ、お前の分の魔石だ!」


魔石を投げると返される。


「いらないわよ、アンタの獲物でしょ?後私の名前は…アリアよ!そういえばアンタの名前聞いてなかったわね!教えなさい!」


「大魔王だよろしくな!有り難く貰っておくけど後で返せなんて言うなよ」


(な⁉︎ガクは大魔王だったのか⁉︎私と同じじゃな!)


「へー大魔王ね!いい名前ね…ってなるかい!ちゃんと答えなさいよ!」


どっちとも取り合わないで先に進む。


それから30分程かけてゴブリン10体分の魔石を手に入れる。


「ガク、あなた意外とやるのね!センスあるわよ!」


俺は何度も名前を聞いてくるアリアが鬱陶しかったので名前を教えてしまった。


「てかアリアも新人なんだろ?なんでそんな上から目線なんだよ」


「ゔ…それーはー、あ!私の方がガクよりも早く冒険者になったからに決まってるからじゃない!そんなことよりギルドに戻って早く報告済ませておきましょ」


(このアリアとか言う娘、何か臭いのー)


(魔王もそう思う?俺もアリアは何か隠し事があるっぽいよね!冒険者ギルドで喋りかけて来た時から変だと思ったんだよねー、何か目的があって俺たちに近ずいて来たくさいし、まさか魔王が俺の中にいるのがバレてるとか)


(いやそれはないじゃろ、ガクと私は完全に融合しておるから他人には絶対にわかるはずないのじゃ!)


(まあ何が目的かは分からないけど一応気を付けておこう)



 ギルドに帰り受付に行くとよくわからないが受付嬢が驚いた顔をしていた。後ろにはまだ人が並んでいたので理由は聞けなかった。


「ほら、アリアお前の分の取り分な」


俺は報酬額の半分を払う。


「ちょ!それはガクの報酬でしょ?なんで私にくれるのよ」


アリアは報酬を受け取らない


「あのなアリア!ゴブリンを半分倒したのはお前だろ!だから俺が受けた依頼だがアリアにも報酬を払わないと俺のプライドが許さない!だからお前が受け取れ!」


「はあー分かったわよじゃあこの報酬は受け取る。その代わりあんたも私が受けた薬草採取の報酬受け取りなさいよ!」


そう言ってアリアから渡された報酬は俺がアリアに渡した報酬と同額だった。アリアはしてやったりと笑っていた。


「どう?これから料理がおいしいお店知ってるんだけど一緒に行かない?」


「いか(行くのじゃ⁉)…………いくよ」


こうして俺はアリアと夕食をともにすることになった。


やっとダンジョンにいけた!

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