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決着そして逃走

今回も見直ししていません!

誤字などあればすいません。

「さあ、第二ラウンドと行きましょうか」


 そうエドワードがいうと四匹の魔獣が一斉に魔王に襲い掛かる。


 マズイ!いくら魔王でも分が悪い、この魔獣たちは100層のボス候補だったモンスター達だ。選ばなかった理由はその見た目が100層のボスにしては味気ないというだけで強さ凶悪さに関しては現在のボスモンスターと遜色ない、それが4匹もいるのだ。



 魔法に対して絶対防御を持つマンモスタートル。亀に牙が生えたような見た目で大きさは30メートルくらい、魔王の攻撃を防いだのもこいつだろう。


 どんな攻撃を受けても超再生ですぐ回復するジャイアントワーム、体の半分以上は地面に隠れて見えないがミミズを巨大化見た目でかなり気持ち悪い。


 毒の鱗粉を出し魔法も使いながら空中を飛ぶヘビーモスラ、羽の模様が気持ち悪い巨大な蛾だ。


 魔法は使えないが近距離戦において無類の強さを誇るマッスルゴリラ、この中で一番小さいが一番警戒しなければならない相手だ。捕まればオリハルコンを砂に変える程の握力で握り潰される。

  

 戦いは、魔王の防戦一方だった。魔王の得意魔法はすべてマンモスタートルによって防がれ、上からはヘビーモスラの魔法と鱗粉で動きを封じられ、下からはジャイアントワームが、地上ではマッスルゴリラとの近距離での殴り合い、どのモンスターも連携が完璧で魔王を休ませることなく攻撃する。


「クフ、あの魔王と呼ばれたあなたが手も足もでないとは情けないですねぇー、どうですかあなたが土下座の一つでもすれば殺さずに僕の奴隷として生かしてあげなくもないですよ、次期魔王になるこの私のね」


 エドワードはあいかわ相変わらずの余裕の表情でそんな提案をしてくる。魔王の表情はうつむいているので見えない。


「貴様程度が魔王だと、笑わせてくれるなエドワード、モンスターの後ろでビクビクしている貴様に魔王になる資格も実力もないわ!いいいだろこの私が真の魔王を見せてやるぞ」


魔王の雰囲気が変わった、その変化にモンスターたちの動きが止まる。急に攻撃が止んだことでエドワードも魔王の様子が先ほどまでと変わったことに気づいた。


「く、クソ……なにをしているんだ!もっといたぶってから殺そうと思っていたがもういいお前たち殺せ‼」


 エドワードの号令により再びモンスターたちが動き出す……がそこに魔王の姿はなっかた。


 その場の誰一人魔王の動きを知覚したものはいなかった。俺は離れていたところから見ていたから気づいた。魔王がマンモスタートルの甲羅の上に立っているのを……そして魔王がなにかなにか呟くとマンモスタートルが黒い炎に包まれた。

「Geeeeeeeeeeeeeee」

マンモスタートルの悲鳴で他のモンスターが魔王が自分たちの後ろに回られていたことに気づいた。


「な⁉あ、ありえない。魔法に対して絶対防御法のマンモスタートルに魔法が効いているなんて」


すでに甲羅の上から退いている魔王に地面からジャイアントワームが襲う。魔王は両手でジャイアントワームを掴むと、空中を飛んでいるヘビーモスラに向けて投げた。ヘビーモスラに避ける暇もなくジャイアントワームにぶつかり地面に落ちる。無詠唱でジャイアントワームとヘビーモスラを一瞬で焼ききり残りはマッスルゴリラだけだ。


 マッスルゴリラの表情は怒りに満ち溢れていた、ドラミングをして魔王に向かって走り出す。正面から向かってくるマッスルゴリラに対して魔王は動かない。

 マッスルゴリラの拳が魔王にぶつかる直前、マッスルゴリラは氷の結晶に閉じ込められた。


「これで終わりじゃ」


氷の結晶を殴るとマッスルゴリラはバラバラになって死んだ。


「後は、エドワード貴様だけだぞ、この魔王を裏切ったんだ骨すら残らないと思え!」


「クッ魔獣どもがここまで役に立たないとは予想外ですよ。本来ならこれは他の幹部への牽制に使うつもりだったのですが仕方がありませんねー、モードデビル」


 エドワードの体から黒いオーラのようなものがあふれてくるとエドワード自身にも変化していく。羊顔だった原型もなく酷く醜いモノへと変化した。


「エドワードにしては裏切り方が甘いと思っていたのだが、貴様がエドワードの体を乗っ取ていたのか、何者だ貴様は‼」


魔王の問いかけに少し驚いた様子を見せるエドワード。


「流石にこの姿までは見せすぎましたか。悪いですがその質問には答えられませんね。ですが貴方はここで死んでいくのでどの道僕の正体を知ったところで関係ありませんよ。デビル召喚!」


 エドワードが出した黒い穴の中からデビルと呼ばれたモンスターが次々と出てくる、数を数えるのも嫌になるほど出てくる。


「フン!雑魚が何体出てこようが私が消し炭にしてくれる‼」


 魔王はそういうが、今度こそ絶体絶命というやつだろう。魔王自身負傷こそしていないが四体の魔獣での戦闘で体力と魔力の消耗が激しかったはずだ。さらに今から無限に湧き出てくる勢いのデビルとエドワードを倒すのは不可能だ。


「魔王……もう諦めよう」


俺のその言葉に魔王は驚いて戦闘中にもかかわらず俺の方に顔を向ける。


「フハハハハハ……聞きましたか貴方が守ろうとしていた人間が諦めようですって……クックック、これは本当に傑作ですねー」


 ツボに入ったのかエドワードが腹を抱えて笑っている。


「ガク……そうか……わかったぞ確かにこの人数は私でも無理かもな……よし諦めよう」


「え?ほ、本当に諦めるとは、これはつまらない幕引きですね。貴方まで諦めてしまったら面白さなんてなくなりますますよ?ホントに興ざめですね。では素直に死んでください」


「「何を勘違いしてるか知らない(けど❘のだが)、(俺たち❘私たち)は戦うのを諦めただけで死ぬとまでは言って(ない❘ないのだ)」


「魔王こっちだ!」


 魔王が俺の意図を汲んでくれるかは正直賭けだったがちゃんと分かっていてくれたみたいで安堵する。魔王があそこでエドワードを倒そうと動いていたななら俺にはどうしようもなかったし、恐らく負けていただろう。

 魔王は真っ直ぐ俺に向かって来る。


「チッ逃げる気ですか⁉ですが逃げ道など、どこにもありませんよ」


 確かにエドワードの言う通りボス部屋には出口というものは存在しないし移動はすべて転移魔方陣でおこなわれている。今ここから逃げようとするならダンジョンを好き放題移動できるマスターキーがいる。しかし今そのますマスターキーを持っているのはエドワードだ。だから大丈夫だとエドワードはそう思っているのだろう。


 95階層ボス部屋……そうここが95階層ボス部屋だからできるのだ。あのふざけた隠し部屋があるんだこのボス部屋には。


 俺はスキルを盗られて役立たずになってから魔王の戦闘をただ見ていただけじゃない。俺は不自然のないように魔王の戦いに巻き込まれない位置に移動するように見せて確実に隠し部屋の前まで移動していた。


「ガクこれからどうするのだ?」


魔王が俺を抱きかかえる


「この壁を壊してくれ」


「任せろ!エイ!な、これは転移魔方陣?なんでこんなところに、いや今はそんなことはどうでもよいか」


そう隠し部屋には、転移魔方陣を設置しているんだこの階層には。転移先はランダム、しかも人間界の陸地のどこかに。これは俺が悪ふざけで作ったただの嫌がらせだった。考えても見てほし95階層のボスを倒した冒険者が隠し部屋を見つけ転移魔方陣に乗るとダンジョンから追い出されまた一からやり直さないといけないのだ。作った俺でも流石にバランスが悪いと思って隠し部屋は簡単にバレないように隠しておいたんだ。まさか嫌がらせで作ったものに助けられるとは思いもしなかった。


「デビルその魔方陣にそいつらを入らすな!」


エドワードがデビルたちに命令するがもう遅い。


「偽エドワードよ、私は再び戻ってくるからの、それまで首を洗って待っておれ」


俺は魔王に抱きかかえられたまま転移魔方陣のなに入る。行先はランダム、後からデビルたちが追ってこようとも転送先は別の場所になるだろう。転送される光に包まれ少しの浮遊感を感じ、俺は無事どこかに転送されたことを確認する


「ガク大丈夫か」


そんなに心配しなくても大丈夫だよ


「ガク死ぬなよ、死んだら許さないんだからな!」


泣かなくても大丈夫だよ、あれおかしなー声がでないや、ちょっと本気でやばいかも魔王の声もだんだん遠のいていく。


「クソッ、死なせんぞガク!絶対死なせないからな」




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