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崩壊

見直しなんてしてないんだからね!

ダンジョンの床が抜け始め暗闇に落ちていく。


(もう動けないや)


(が、ガク私ももう魔力がないぞ)


転移魔方陣はもう出ている、30メートル程の距離だが今の俺は体が言うことをきかない。


とうとう俺がいるところの床も抜け暗黒の世界に落ちていく。


ダンジョンはこの世界のどこにあるわけではなく時空の歪みにあるって魔王軍の誰かが教えてくれた。つまりこの暗闇に落ちたらもう戻る手段はなくいずれ死ぬだろう。


「もしかしてピンチだった?」


アリスがそっと俺を抱えガレキをつたって転移魔方陣のあるところまで戻る。


「アリス………助かったよ」


「もしかしてガクそのケガ、あのモンスター倒したの?」


「…………見ての通りボロボロだけどね」


「ちょ⁉本当にガク一人でボス倒しちゃったの?」


「うん…それよりも…ここも早くしないと…崩れるよ」


もう残っている足場は転移魔方陣があるここだけだった。


「分かってるわよ!」


アリスはそう言って転移魔方陣に乗るのだった。



・・・・・・・・・

アリス視点


 ガクを抱えたまま転移魔方陣にのり見覚えのあるダンジョンに戻ってきた。だがここでも崩壊が起きていた。


「まさかさっきのダンジョンと連携してるの?」


考える余裕もなく出口のある方に走る。


「コンちゃん!拡声魔法最大出力でお願い!」


私は相棒(コンちゃん)に声を大きくする魔法を頼む。


「私はワールドナイツのアリス!今ダンジョン全体が崩れてるわ!死にたくなかったら全力で出口へ逃げなさい!」


 ダンジョンにいる冒険者全員に伝わるよう努力はした。ワールドナイツを知らない冒険者はいないだろうしダンジョン全体が揺れている状況なら今の声を聴いて出口に向かってくれるだろう。


 幸い、さっきと違いそこまで崩壊の速度は早くない。


 いつの間にか気を失っていたガクを背負い出口に向かう。何度かモンスターと出会うが抗戦せず、すり抜ける。


 出口に着くとそこには何人かの冒険者がいた。どうやら避難誘導で残ってくれたみたいだ。


「まだ避難できてない冒険者パーティーはいるの?」


ダンジョンが崩壊していく理由は分からないが、原因が私達にあるのはなんとなく分かる。関係のない冒険者ほ死なせたくはなかった。


「門番の人からの話では7人組のパーティーがまだ戻ってないそうです、あと貴女(あなた)がアリスさんですか?」


「そうよ私がアリスよ…………それとその7人組はもういないから!早くこのダンジョンから出るわよ!」


私の名前を出すと少しざわめいたがすぐに全員が出口の転移魔方陣に乗る。最後の一人が転移魔方陣に乗るのを確認して私もすぐにこのダンジョンから出た。


 ダンジョンを出ると冒険者が大勢集まっていた。


「おい!これはどういう事なんだ!いくらワールドナイツだからってやっていい事と悪いことがあるぞ!」


一人の冒険者がそういうと他の冒険者も、そうだ!そうだ!と後ろで叫んでいる。


「説明は後いくらでするから、今はこの子を早く治療所に連れて行かないとダメなの」


「そうやって誤魔化そうとしても無駄だ!ダンジョンが崩壊するだって?そんなウソまでついて俺達をダンジョンから出した理由を話せ!」


アリスの周りに冒険者が集まる


 冒険者達にも依頼がありそれがアリスのせいで失敗するかも知れないのだ。ダンジョンが崩れると聞いてとっさに従っていた冒険者達がダンジョンを出て冷静に考えた結果アリスの言ったダンジョンの崩壊を信じられなっかったのだ。


 アリスが何か言う前にダンジョンに入る門が崩れた。冒険者達は目の前で起きたことに言葉が出ず静かになる。


「さっきも言ったけどこの子を治療所に連れて行かないとダメなの!道を開けてくれる?」


冒険者達は道をあける。


私は、ダンジョンの近くに必ずある治療所に向かう。


「怪我人よ!」


勢いよくドアを開ける。治療所に40代くらいの男が一人いた。


「あなた回復魔法使えるの?」


「中級までしか使えませんよ!その抱えてきた人の治療は無理そうですね」


これは仕方がないことだ。星2ダンジョンの治療所に上級回復魔法が使える者を置けるほど回復魔法が使える者は少ないのだ。

 

 そして下手に大怪我をしている者に初級や中級の回復魔法をかけると却って悪化し最悪死亡することもある。だから今ガクを治せる者はこの治療所にいない。


「あのー私達がギルドから回復魔法が使える人呼んできましょうか?」


ダンジョン内で最後まで残っていたパーティーの一人がそう提案してくれる。


「あー…あなた達まだいたのね…そうねお願いするわ」


付いて来てことにも気が付いていなかった。恐らく冒険者にしては珍しい善良な冒険者たちなのだろう。普通の冒険者なら親しくもない冒険者など放って置く。


(後でちゃんとお礼言わないと)


冒険者が治療所から出って行くのを見てそう思う。


「その少年もそうですが、貴女の方もひどいですよ!僕の魔法で完璧とは言えませんが治しておきましょう」


ガクをベットに寝かせ私は回復魔法をかけてもらう。


ギルドに向かった冒険者を気にして入口のドアばかり見ているとドアが開いた。冒険者たちがギルドから戻って来るにしては早すぎる。


「ニャハハ!アーちゃんいるかニャ?」


空気を読まない声のデカさとこの口調、私は一人しか知らない。


「ニャ⁉アーちゃんボロボロじゃニャいかー」


「え!アリス怪我をしているのですか」


「ん…」


続々と治療所に入って来るのは私のパーティーメンバーで猫族のココ、人族のカナデ、人族のターニャだった。


「なんでココ達が王都に来てるのよ、ギルド待機だったはずでしょ?」


「それがニャ!カーちゃんがアーちゃんの一人での依頼について団長に文句言っちゃったのニャそれで」


「いややっぱいいわ話さなくても、それよりもターニャ!ガク…この子を貴女の魔法で治して」


ココの話は大体長いのを思い出して説明を辞めさせる。


「ちょアリス!ターニャが男を触れないの知ってるでしょ?」


「そうだけど、この子…ガクに助けられたのよ」


「なニャ⁉アーちゃんが助けられるほど今回の依頼やばっかたのかニャ?」


「説明は後でするわ!それよりもターニャ?」


 ターニャはすでにガクに触れていて上級の回復魔法をかけていた。。これには私を含め全員が驚いた。


 ターニャはギルドメンバーでさえ男だったら例え治療の為でも触れることはない。私が頼んだのもダメもとではあったがまさか本当にしてくれるとは思ってもいなかった。


「た、ターちゃん?悪い物でも食べたのかニャ?」


「んん…この…ひと?…ま…ぉぅ?」


小さい声で何やら言っているがアリスたちには聞こえない。ターニャはなにを言っているのか基本パーティーメンバーでさえ分からないのでアリスはガクを治してくれるならどうでもいいかと思いただ見守るだけでであった。




とりあえず簡単なキャラ紹介?見たいのもすぐ出しておきます。

あと「異世界死霊使いのゾンビな日常」も投稿し始めたので良ければそちらもご覧ください。

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