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裏ボス

前半だけ見直ししてます。


 裏ステージもほとんど攻略し、残るは裏ボスだけとなった。


 俺とアリスは、横に並んでボスの部屋に入る。


(俺ここの演出結構お気に入りなんだよなー魔王も気に入ると思うぞ!)


(それは楽しみじゃな!期待しておこう!)


部屋の中央まで進むがボスは出てこない。


「おかしい!部屋の中に何もいない…………もしかしてボスはいないの?」


アリスが俺の思い通りの反応をしてくれて嬉しい。俺はタイミングを見計らって決めていた言葉を言う。


「いやアリス上だ!」


 アリスが俺の言葉に反応して天井に目を向けると同時にソレが落ちてくる。既に魔王から身体強化を貰っている俺はボスの演出に満足しながら横に逃げる。アリスも俺とは逆側に逃げていた。


(どう魔王?ボス部屋にボスがいないと見せて上から落ちてくる演出!ちなみに上にいるのに気づかないと容赦なく最初の一撃でボスに殺されるんだ‼)


(ウーン…………私は不意打ちみたいで好かんがボスの見た目は強そうなのじゃ!)


魔王にはこの演出の良さが分からなかったようで残念だ。


 上から落ちてきたボスの名はスカルドラゴン、15メートルくらいの全身骨のドラゴンだ。


「ガク!左右から叩くわよ!」


反対側のアリスから指示が出る。俺は剣に炎をまとわせスカルドラゴンに飛び掛かる。魔王の魔法を使えば、スカイドラゴンを圧倒できるが、今回は俺がどこまで通用するか確かめる意味で始めは魔王の魔法は、身体強化と剣に炎をまとわせるだけにとどめている。


 俺とアリスの左右からの攻撃をスカルドラゴンは羽で弾き吹き飛ばす。


 弾き飛ばされた俺は空中でバランスをとり着地する。スカルドラゴンは今の攻撃でアリスの方にヘイトを向けたのかアリスの方を見てブレスを出していた。


 俺より先に地面に着地していたアリスはスカルドラゴンが大量に吐いた圧倒的物量の骨を大剣で迎え撃とうとしていた。


「アリスダメだ!避けろ!」


 俺の声は届かず大量の骨をアリスが切り裂くがそれ以上に骨の量が多くアリスが骨の波に飲み込まれる。これ以上スカルドラゴンにブレスを吐かせないために俺は飛び掛かろうとするが今度は俺にヘイトが向く。


 大量の骨が俺に迫る。アリスは選択を間違えたが俺は素直にブレスを躱しスカルドラゴンに向けて走り出す。


 ブレス中のスカルドラゴンは無防備状態、さっきはアリスに気を取られて攻撃に出るタイミングが遅かったが今回はドンピシャだ。


「GEEEEEEEEEEEEE」


俺に斬りつけられスカルドラゴンが吠える。だが思った以上にダメージを与えれていない。


(うーんやっぱ俺の攻撃じゃーあんまダメージ通らないかー)


スカルドラゴンの骨は少しだけしか削れていなかった。


(そうか、そうか!なら私の出番ってことでいいな‼)


(ごめん!もうちょっとだけ待って)


(ム~分かったのじゃ~)


「コンちゃん!」


骨に埋もれていたアリスが聖獣をつれて出てきた。額には頭が切れたのか血が流れていた。


「流石に今のは危なかったわ、ガク私が突っ込むからフォローお願い!コンちゃんお願い!」


 アリスは、髪色と同じ赤いオーラを纏いスカルドラゴンに突撃する。


(あれは聖獣と一体化しておるのか?じゃが人間にそんなことができるのか?)


(あー魔王一体化じゃなくてあれは憑依だよ、コンは狐型の聖獣でしかもダンジョンが生み出したモノだから普通の聖獣じゃーないんだ)


 アリスはスカルドラゴンに大剣で斬りつけていく。致命傷までとはいかないもののダメージは蓄積しているように見える。俺も負けずに剣で斬りつけていく。


 スカルドラゴンは鬱陶しいそうに尻尾で俺達を攻撃するが大振りのため余裕で躱す。尻尾の攻撃で一回転したスカルドラゴンは空中に逃げアリスの反撃から逃げる。


「空を飛ぶのは卑怯よ!降りてきなさい!」


そんな話をスカルドラゴンが聞くわけもなく空中からブレスを吐いてきた。俺達はなすすべなくただ躱すしかない。さっきみたいにブレス中の隙をつけない。


(流石に空中に逃げられたら無理ゲーじゃん)


 俺が設定したのはダンジョンとかの罠とかばっかでボスの動きまではゲーム見たいに設定できなかった。他のダンジョンなら冒険者達が勝てないようなボスは死亡者数を見て変えたりしていたのだが、この裏ステージはそもそもボスまでたどり着けた者がそもそもいなかった為ボスを変えることはなかった。


「この距離じゃジャンプしてもギリギリ届かないわね、仮に届いたとしても空中戦は奴の方が有利、打つ手がないわね、ねえーガクの魔法でどうにかならない?」


ブレスを躱しながらアリスがどうにかして攻撃を当てれないか考えている。


(ふっふっふ!今度こそ私の出番じゃな!ガクよいだろ?)


(そうだね魔王頼んだ!出来ればスカルドラゴンを地上に落すだけでお願い!)


(まったくしかたがないの~重力魔法、グラビティー)


魔王の魔法でスカルドラゴンは上から押しつぶされるように地面に落ちた。


「これもガクの魔法なの?見たことないわよこんな魔法」


(はっはっは~魔王にとってはこの程度朝飯前よ!)


「俺のとっておきだよ!それよりも今がチャンスだ」


「そうね、一気に叩くわよ!)


地面に伏せたち上がれないスカルドラゴンに対して俺とアリスは一方的に叩く。


「gaaaaaaaaaaau」


スカルドラゴンは動きを止める。最後はイジメのような終わり方だった。


「ふう!なかなか手ごわかったけど、私達の敵じゃなかったわね♪」


「ああ、空中に逃げた時は焦ったけどな」


 バラバラになったスカルドラゴンの前で俺とアリスはその場に座り込む。お互い体力的にギリギリだったのだ。


(まあまあじゃったの!私もガクたちと一緒に冒険してるみたいで楽しかったのじゃ!)


「あ、そういえば!」


俺はあることに思い出し冒険者カードを見る。俺の思っていた通り冒険者カードには星の数が2になっていた。


 俺が王都に来た理由がこれだ。星が通常一気に2も上がることなんてない。それは魔王の力を借りても不可能だ。それはダンジョンのシステムでどんなに力をダンジョンに見せても弱いダンジョンではそれほど評価されない。


 だがこの裏ステージなら星4レベルのモンスターにボス、それを二人でだが倒した俺は星が二つも上がる訳だ。確信があったわけじゃないが、ダンジョンのしすシステムを考えた時十分可能性はあった。


「なによ急に冒険者カードなんて出して…………私にも見せなさいよ!」


別に隠す必要もないのでアリスに見せる。


「ちょ!なによこれ星2?一気に星が2つも上がったっていうの?ガクこれは前代未聞よ!」


(流石ガクじゃな!後星3つであのダンジョンじゃ!)


アリスは一応自分の冒険者カードを見ていた。


「私の星は変わらず星4だったわ」


 まあ既に星4の実力が認められているアリスの星は上がらないだろう。だが結構な貢献度をシステムに見せれたんじゃないかな?恐らく星5をあと何回か攻略したら星5に上がれるだろう。


「そういえばこの骨ってドロップアイテムだった?魔石も落ちてこないし」


アリスの一言で俺は気づいた。スカルドラゴンの骨がまだ消えていないのだ。スカルドラゴンにドロップアイテムなんてはない。つまりスカルドラゴンはまだ生きているのだ。


「やばい!離れろ」


俺が言うのと同時にスカルドラゴンが動き出す。俺が気づいた時には横に吹き飛ばされていた。壁に叩きつけられようやく止まる。


()ってぇー)


横目でアリスの様子も見るが俺と同じように吹き飛ばされ意識を失っていた。


(ガク!ブレスが来るぞ!)


(ごめんまだ動けない)


(仕方がない、私が魔法で防ぐがあのモンスター強くなってるのじゃ)


 スカルドラゴンのブレスと魔王の魔法がぶつかり合う。魔王が言った通りスカルドラゴンは明らかに強くなっている。さっきまでのスカルドラゴンのブレスは、魔王の魔法に劣っていた。そして現在はほぼ互角。


(俺の知らない間に誰かがスカルドラゴンを変えた?ボスモンスターを倒して強化されて復活するダンジョンは確かにあるがここじゃない!誰だよ勝手に俺のダンジョンを汚したのはよぉー)


(ガク落ち着くのじゃ!とりあえずアリスを離れた所に移さないと危ないのじゃ)


(大丈夫魔王、落ち着いてるからただ怒ってるだけ!魔王もっと身体強化、強くできない?)


(できるが…それだと体の方がモタないぞ?)


(じゃあそれでお願い。こいつは俺のダンジョンのバグだから俺直々にやらないと気が済まないんだ)


(どうなっても知らんからな!)


(全力でお願い‼)


身体の感覚が今までの身体強化の時よりさらに研ぎ澄まされる。それと同時に激痛が全身に走る。


「グッ」


(いわんこっちゃない、魔法を解くぞ)


「ダイじょおぶだがら‼」


スカルドラゴンは警戒していたのか攻撃をしてこなかったが、しびれを切らしてブレスを再び吐く。


 遅い!今まで以上に強化された俺の目にはスローモーションのようにゆっくりブレスが俺を飲み込もうと迫って来る。


 俺はアリスを抱えて攻撃がこないところまで逃げアリスをそっと置く。


「なんだ?今ので俺を倒したつもりか?」


言葉が分かるはずないが、スカルドラゴンは離れた所に逃げた俺を睨む。


三度(みたび)ブレスを吐くスカルドラゴンに対して俺は正面から来る大量の骨を剣で斬りながら進む。


 途中で剣が耐え切れなくなり、あっけなく折れた。俺はそれでも拳を使い殴てブレスを押し返す。


スカルドラゴンのブレスも止み、ブレスを押し返した俺に怒ったように尻尾の攻撃が来る。


「さっきはそれでやられたけど今度は違うぞ」


ブレスと同じように俺は正面から尻尾を受け止め掴む。スカルドラゴンは焦って飛ぼうとするが俺は逃がさない。


 尻尾ごとスカルドラゴンを持ち上げて地面に叩きつける。何度も何度も。それはダンジョンが全体が揺れる程だった。


(ガクそろそろ限界じゃ、これ以上は体がもたんのじゃ!魔法も後一回くらいじゃし)


(ならそれも合わせて後一撃で終わらせよう、もうこんなダンジョンいらないし、とびっきり凄い魔法願い!)


(い、いいんじゃな?本当に凄いの撃っていいんじゃな?)


スカルドラゴンは地面に叩きつけられて動きを止めてはいるがまだ生きている。


俺は軽く飛びつつスカルドラゴンに全力の拳をぶつける。さらに追い打ちのように魔王の魔法がくる。


(雷神:トールハンマー)


俺の身体強化された拳はスカルドラゴンを貫いて地面全体にまで響く。さらに雷がスカルドラゴンを完全に消滅させた結果…………ダンジョンが崩壊した。





珍しく見直ししてたら

「流石に空中に逃げられたら無理ゲーじゃん」が無料ゲーになってて自分でも笑いました。


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