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社会人競技ゴルファー
微かに聞こえる、小鳥のアラームが夢から現実へと引き戻す。
「今日も仕事だ」
寝ぼけた頭で今日のタスクを思い出し、段取りを考える。
素早く身支度をした後、通勤電車に乗り込む。
スマホでニュースを確認すると、一番上に写真付きの大きなニュースが載っていた。
‘天才ゴルファー 八代 5打差 完全優勝 !!’
誇らしげに大きなトロフィーを持つ、その笑顔は子供の頃から変わらないものだった。
そっと下にスクロールし、経済のニュースに目を移した。
長い通勤時側を経て、会社に着くと、今朝整理していたタスクを順番にこなしていった。
ちょうど午前の仕事が一段落したところで、社食へと繰り出す。
同じ部署の長谷川先輩と、くだらない話を交えながら昼食を取っていると、見慣れない男が長谷川先輩に話しかけてきた。
「おう長谷川、この間の件、人集めてくれたか?」長谷川先輩は一呼吸置いて、答えた。
「ゴルフの件か。すまん、まだ集まってなくてな。」俺は限りなく気配を消した。