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ミーミルの愚者・m  作者: 色夏
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プロローグ 記録

しっとりと艶のある漆黒の机は強い光沢を持ち、そこに置かれた何やら奇怪な記号の書かれた用紙の数々を目立たせる。机に目を向けた人物はその中でもピンク色で縁を植物のつるのような形やハートマークで彩られた手紙の文字を黙読する。空調もなくほとんど密閉された四角い空間は彼の時折出す動作音以外では無音と取れる位に静寂であった。彼は手紙の内容を一通り読むと小さく鼻から息を出す。淡い群青色に透明感のある澄んだ瞳は天井から降る光を明瞭に映す。暫く目をつむったかと思うと立ち上がり手紙をポケットに入れ部屋を後にする。


部屋を出て一直線に続く廊下を歩いて行く。両脇にはいくつも白いドアがあり始めて来る人ならば区別などできない程同じつくりをしている。しかし各部屋に繋がるドアの中心には区別がつくようにそれぞれ番号が振られていた。その内、21番と書かれたドアの前に着きおもむろに別のポケットの中からカギを取り出しそれをカギ穴に差し込む。中に入るともう一つの部屋に入る。部屋には仕切りというものがなくどこまでも広がるような純白の空間にはそこにある特に古びた様子のない木製の椅子がなければ距離感を狂わせるような雰囲気がある。彼はその椅子に少し腰を詰めるように座り、両肘を自分の両ひざに突いて前を見据える。

「なんだか今すぐにやらなくてもいいような気もするけど、参考までにならいいかな。後からうるさく言われるのは分かっているし、やらないよりはましかな。」

ポケットから先ほどの手紙を取り出し送り主の事を頭に浮かべる。さっきまでの凛とした表情を崩し悩まし気に呟く。

「優先順位が低いからかなり後回しにしていたんだけど。いつかはやろうと思っていたことだったし。」

そうして自分に聞かせるようにけだるげに声を出し、ゆっくり目を閉じて数秒間沈黙する。

その後、静かに目を開けさっきよりも声色を低くして呟く。

「それじゃあ、記録を始めよう。」


初めてです。執筆速度遅いですが優しくしてくださいお願いします。

何度も編集するかもです。

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