エイプリルフールだから、こんな話
うちには猫がいる。
白黒八割れ長毛の雑種ながら、超美猫だ。
猫親バカではあるが、デレゼロパーセントのこの、女王猫を私は非常にデレデレ愛している。
女王様の特技は、扉あけである。
引き戸であれ、何であれ実に器用に開けていく。
けれど、当然の事ながら、開けたら開けっ放し。
閉めるのは、下僕たる私の仕事だ。
今朝も朝早くから、女王様は各部屋の見回りをされていた。
私の寝室にも、容赦なく進入し、昨日の送迎会で二日酔い気味の私を、強烈な猫パンチで起こす。
あぁ、朝か。
強烈にほほに残った愛しい肉球の感触に、幸せになりつつ、頭の痛みに不幸せになりつつ、起床しようと覚悟を決めたとき
カラカラカラ
耳慣れた、けれどこのタイミングでは耳慣れない音に、私はびょんと飛び起きた。
二日酔いの頭痛が吹っ飛ぶ光景がそこに!
慎ましく閉まっている、わが寝室の引き戸!
閉めたのか?
女王様が閉められたのか?
扉を閉める猫は、猫又だと言う。
うちのにゃんこ、ついに猫又化か⁉
ベットを飛び降りると、愛しい毛玉を探しに、ダイニングへ。
ご飯皿の前で、フサフサの尻尾を不機嫌そうにパタつかせ待つ、愛猫。
尻尾やいかに‼
フローリングにはいつくばり、尻尾をむんずと掴んだ私に衝撃が走った!
強烈な猫キックからの猫パンチ連弾!
シャーっと牙をむく女王様。
真偽のほどは確かめられなかった‥
と言う、話。
エイプリルフールだから嘘だと思っただろう?
勿論、エイプリルフールなので、嘘です♪
猫又になってでも、ずっと一緒に生きてほしいなぁなんて、猫に思いを馳せる猫バカの願望からきた、愛しい嘘です。
扉はやっぱり、開けっ放し。