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19 対決!試作品九本勝負!

 さてさて、開発局員同席の元、試作品の性能テスト。

 妹の出番が無いので、ダイジェストでお送りします。



 試作品 その1

 デスサイズ


「使いづらいっす」

「え。そこを乗り越えてのロマンでしょ?」

「いやいや、ロマンとかいらねっす」

「いやいや、武器こそロマンでしよ?」


 不採用。

 なお、会話相手は開発担当者。



 試作品 その2

 ガトリングガン


「これ、エーテル持ちます?」

「計算上は、2秒の連続運用が限度だ」

「無駄な瞬間火力! 意味ねー」

「ちなみにマシンガンも俺が作ったんだけどあっちは7秒だ!」


 不採用。

 根本的なブレイクスルーに期待。



 試作品 その3

 エーテル型グローブ


「これはね、発動する為に台詞が必要なんだ」

「ほうほう」

「言うから覚えてね」

「はい」

「俺のこの手が真っ赤に」

「ストップ!」

「いや、まだ途中だけど」

「聞いた事があるんすけど」

「そう? 気のせいじゃ無いかな? 続けるよ。

 真っ赤に燃える。勝利を掴めと」

「ストーップ! アウト!!」


 不採用。

 最終回でラブラブやる予定は無いのです。



 試作品 その4

 ブーツ型


「え、どうやって使うんですか? これ」

「踏むのよ」

「え」

「踏むの」

「踏む」

「踏んで叫ぶ」

「叫ぶ」

「この、雌ブタがーって」

「雌ブタ」

「さあ、思いっきり踏んで頂戴!」

「お前の趣味じゃねーか! 変態!」

「あぁ、もっと罵って!」


 不採用。

 そう言うのは、R18でお願いします。



 試作品その5

 マイク


「歌で攻撃するんだ」

「それは、まさか」

「そう、俺の歌を」

「ストーップ!」


 不採用

 街中で歌を歌うなど市民の不興を買う事この上無し。



「何がダメなんだ!」

「いや、実用性を考えて下さいよ」

「実用性って言うけどね、剣と銃、既製品の完成度が高すぎるのよ!」

「そこに割って入るなら、もう、それはネタ枠しか無いんだよ!」

「割って入らなくても良いんで、素直に長所を伸ばして下さいよ」

「素直……そうよね! 素直が一番よね! 私は! 鞭を作るわ!!」

「そう言う事じゃ無い!」



「一応武器はこれくらいかな。次は、弾丸」



 試作品 その6

 スタングレネード弾


「そうそう、こう言うのですよ。実用性」

「でもね」

「でも?」

「一発が限度なんだ。エーテル消費的に」

「燃費悪すぎすね」


 要検討。

 更なる性能向上を期待する。



 試作品 その7

 ペイント弾


「お、これも実用性有りですかね」

「そう思うかい!?」

「後で、レーダーとかで探せるんですよね?」

「まさか」

「え?」

「カラフルになるだけだよ?」

「え?」

「色が付くだけ」

「蛍光とか?」

「全然」

「固まるとか?」

「3分ぐらいで消えるよ」


 不採用。

 だから、実用性をだな……。



 試作品 その8

 跳弾


「当たると、跳ねる」

「あー、場所によっては便利かも」

「妖魔に当たっても跳ねる」

「馬鹿か」


 不採用。

 実用性!

 喧嘩売ってんのか?

 コイツラ。



「弾丸は、より酷いです!」

「いやー難しいね」

「疑問なんですけど、皆さん、このカテゴリ、結構ふざけてません?」

「そんなことは無いよ。やる気ないだけで」

「一緒。そこに大した差はない!」


「さて、こんな所かね」

「ロクなの無いじゃないですか」

「うーん、妖魔の実物が手に入らないからねー。みんな敵の事が想像しづらいんだよ」

「実戦研修とかしないですか?」

「こんな奴ら、実戦に連れて行ったら迷惑だろうからね」


 こんなって。


「一応もう一個あるんだけど、これは、武器として完成してない代物だな。見るかい?」

「まあ、ここまで付き合ったんですから」


 試作品 その9

 エーテルニードル


「指定空間座用に20センチ長のエーテル固定体を出現させるんだ」

「へー。空間に?」


 説明を受け、そして実践。

 目標、七メートル先の空間。

 ……目測より三メートル程離れた所にエーテルの針が現れる。

 そして、そのまま地面に落下。

 しかし、その衝撃にもエーテル体は砕けない。


「でも、指定が難しくて、思ったところに出そうとしてもあんまり成功しない。遠ければ遠いほど特に」


 なるほど。


「固定体って、強度持たせてある?」

「まあ、それなりに。土の地面ぐらいなら刺せるよ」

「あ、それは危ないな」

「固定体の持続時間は三十分ぐらいですね」

「これ、面白そうじゃないですか?」

「でも、武器としても道具としても完成度が低いだろ? 何の役に立つ?」

「うーん、言われみればそうですけど、よかったらこれ、試作テストで持っていきますよ。勤務中に使い道見つかるかもしれないですし」

「そうか。そう言ってもらえると、来てもらったかいがあるよ」

「よろしくお願いするよ! 後で、技術仕様書とか注意点とかまとめて送るから!」

「了解です。使うことがあったらレポートしますよ」

「ありがとう!」


 とりあえず、新たな道具を手に入れた。

 空中に太さ1.5センチ、長さ二十センチ程のエーテルの針、円錐を出現させる。

 ただ、その出現位置コントロールが難しいので武器としての使いみちは無さそうか?

 しかし、固い、という特性は他に無いものなので、その点で何か役立つ所があるかもしれない。

 持っていてもまぁ、損は無いだろう。

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