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リベンジ ー理想の影ー  作者: ソルティ
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39:利用

ジェイミーは、一通り話し終えるとキャシーに目を向けた。


「フィンとはそれきり話していない。エイミーは、二週間後に山中で遺体になって発見された」


淡々とした口調で、事実を言った。


「……そうなの」


キャシーは、なんと言っていいかわからなかった。


「俺もその後、窓際に追いやられてSASを辞めた。食うために民間軍事会社に転職したよ。かなり危険な任務に駆り出されて、それはキツかったが」


ジェイミーは、夜空に目を向けて、遠い目をした。


「だが、彼女を殺したヤツを野放しにはできなかった。だから、俺を訪ねてきた刑事とコンタクトをとって調査したよ。そして、ようやくここを見つけたんだ」


C4爆弾を握る手に力がこもった。

気まずい沈黙が、二人の間に広がった。

しばらくしてキャシーが口を開いた。


「どうしようもない時って、あるんじゃないかな?」


か細い声で言った。


「そのフィンさんもあなたと同じで、戦闘能力の高い人かもしれない。でも、タイミングが悪くて気づけない時だってあると思う」


キャシーの視線は、ジェイミーを射抜くようだった。


「そんな事は、わかっているんだよ」


ジェイミーの冷たい目が、キャシーを睨み返した。


「では聞くが、頭では理解していても、感情が抑えきれない時だってあるだろ?」


握り拳を作って、地面に打ち付けた。

土が飛び散って、周辺を汚した。


「あの時、俺が彼女に警告しておけばよかった。すでに不穏な空気を感じていたんだからな」


打ち付けた腕が震えて、顔に青筋が立っていた。


「この煮えたぎった気持ちを解消するには、クソッタレのウォルター、そして愚かなフィンを殺すしかない」


ギラついた目をキャシーに向けて、威圧した。


「それでも……あなたたちはエイミーさんを」


キャシーの口を布が、覆った。

睡眠剤が染み込ませてあった。


「もう、何も言わなくていいんだよ」


ジェイミーは、胡乱な目でキャシーを見た。


「お前には、役に立ってもらう。それだけは確実だ」


彼は、淡々と準備作業に戻った。


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