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リベンジ ー理想の影ー  作者: ソルティ
37/44

37: 亀裂1

ジェイミーは、エイミーと別れ、実家からヘリフォードへ戻った。

彼は任務がなく、訓練のみを行っていたときだった。


キンコーン


自宅のチャイムが鳴り、ジェイミーはドアへ向かった。

のぞき窓で訪問者を確認すると、いかつい顔をした男性が立っていた。


「ジェイミーさんですか? 警察の者です。少しお時間をいただけまか?」


警察手帳を目の前に出されたので、本物のようだ。

ゴツゴツした感じの声で、少し発音を聞きとりにくかった。


「なんですか?」


ドアを開けて、対応した。

何かやらかした覚えはなかった。


「実は、あなたの知人のエイミーさんについてお聞きしたい事があります」


ピクッとジェイミーは、反応してドアをすぐに開けた。


「彼女に何かあったんですか?」


まくし立てるように聞いた。


警察の男は、少し面食らったようだが、すぐに話し始めた。


「落ち着いてください。私は、ロンドン警視庁の刑事です。ここは、ヘリフォードなのですが、ロンドンで発生した事件ですので、私がここに来ました。エイミーさんのご家族から連絡があり、二週間ほど連絡が取れない状況なのです」


ジェイミーの血の気が引いた。


(まさか……)


エイミーに財布を拾って、手渡したサラリーマンの男が思い浮かんだ。


「今のところ目撃者がいなくて、関係者に聞き込みを行っている最中です。それで、何か思い当たるふしがあれば、教えていただきたいのですが」


刑事の肩眉が、ちょっとあがり試すような目つきだった。


「はい。実家に帰省していました。その時、彼女と久しぶりに会いました。彼女が、ハンドバックと運転免許証を落としたのですが、それを拾って手渡ししたサラリーマンの男が気になります」


刑事は、その情報に反応した。


「もう少し、その話を詳しく教えてください」


ジェイミーは、詳細を話した。


刑事はそれを殴り書きで、メモを取っていた。


「分かりました。ご協力感謝します」


あらかた話し終えて、刑事はその場を去ろうとした。


「待ってください」


ジェイミーは、刑事を引きとめた。


「フィンには、事情聴取を行っていますか?」


ジェイミーの目に怒りが見て取れた。刑事は、その目をチラリと見ると、答えた。


「ええ。聞いています。彼の情報によると、失踪する前、エイミーさんは、自宅に怪しい手紙が届いたと言っていたそうです。内容は、新聞紙の文字を適当に切り取って貼り付けて、意味不明な文章が書いてあったそうです」


ジェイミーの眉間に皺が刻まれた。


「フィンは、その時点で、彼女に危険が迫っていたとか、言っていなかったですか?」


声に怒りが、混じっていた。


「いえ、言っていませんでした。その時は、単なるイタズラだと思い、特に感じることはなかったと言っていました」


ドン!


ジェイミーは、怒りが頂点に達して、近くの壁を殴りつけた。


刑事は、その姿を見て険しい表情をした。


「捜査は、続けます。では、失礼します」


刑事が去った後もジェイミーは、動かなかった。


いや、動けなかった。


(なぜ? どうして……)


自問自答しても答えはでなかった。

直接聞いてみるしかなかった。


ジェイミーは、スマホを取り出してクレンデンヒル本部へ電話した。

フィンが任務から戻ってくるのは、いつなのかを確認するためだ。


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