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リベンジ ー理想の影ー  作者: ソルティ
16/44

16:麻薬組織5

「!」


ホセは、風で帽子が飛ばされ、体勢が崩れた瞬間、側頭部に何かが掠めるのを感じた。


「ボス!」


リカルドが、ホセに警告する暇はなかった。間髪入れずに第二弾が、ホセの腹にぶち当たったのだ。


「ぐぶっ」


ホセの口から血の泡が出た。体の力が抜け、その場にくずおれる。

着弾した腹の大穴から、大量の出血をしている。長くはもたないだろう。

リカルドは、その場にうつ伏せに倒れそうになったホセを支えた。


「しっかり!」


声をかけるが、ホセの目は虚ろなままだ。


「くっ……うおおおおおおお!」


顔に青筋を立てて、リカルドはその場で咆哮する。


「リ……リカルド……」


ホセの顔から生気が失われ、体から力が抜けていく。

何もできない自分を呪うリカルドは、唇を噛み、血を口の端から流す。

数秒後、失血多量でホセは死亡した。瞳孔の開ききった目は、意味もなく虚空に向けられていた。


その時、輸送機の後部から、標準的な野戦用の帽子を被り、迷彩服を着た人間が、8人降りてきた。

いずれも屈強な肉体をしており、厳しい訓練を積んでいることが一目でわかる。

彼らは、リカルドと同様の元特殊部隊隊員たちである。


麻薬組織から提示された高給に惹かれてきた腕の立つ荒くれ共だ。

装備はそれぞれAKS74を持ち、チェストリグを野戦服の上に着て、AKS74のマガジンと無線機を入れていた。


「リカルド! 銃声があったが、敵襲か!」


チームのサブリーダーが、リカルドに大声で話しかける。

その瞬間、彼の近くに自分たちのボスが、哀れな亡骸となって血を流しているのを目の当たりにした。


「クソッタレ!」


額に青筋を立てて、悪態をつくチームリーダーを手で制止したリカルドは、指示を出す。


「すぐ近くに敵がいるはずだ! 追跡するぞ! マルコス! お前は、工場の人間をまとめて工場の周囲を警戒しろ!」


口角泡を激しく飛ばし、周囲に怒鳴りつける。


「へい! まかせてくんなせえ!」


この時ばかりは、マルコスも大きな声で返事をする。


「この借りは必ず返す……」


リカルドは、憤怒の混じる言葉を口にし、決意を固めた。


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