13:任務4 -親友の過去ー
ジェイミーはL96A1をしっかり肩付けして、スコープ越しに麻薬精製工場を監視していた。
監視対象は、すぐに工場には向かわず、西へ歩いて行った。
衛星写真と情報にあった工場長専用宿舎に向かったのだろう。
ハゲと浅黒が応対していた帽子をかぶった男は、目標のホセだ。
情報部員が見せた写真では、顔に大きなキズはなかったが、顔つきは間違いない。
「シェラツー。こちらシェラワン。顔にキズのある帽子をかぶった大男は確認したか?」
「こちらシェラツー。確認した。バッカスが、ばっちり写真を撮っているぜ。とりあえず、ひとつ仕事を片付けたな」
少し安堵した口調で、バリーが変身してきた。
「もうひと押し、証拠を残そうか。バッカス、工場内の装置を撮ってくれ」
「了解」
バッカスは、カメラのレンズを工場に向けると撮影し始めた。
「さて、リーダーこれからどうする? すぐに撤退するか? それとも……」
ジェイミーはバリーから、チームの行動選択を迫られた。
−−−どうする……ここで撤退すればこちらの被害はないだろう……
ジェイミーの脳裏に日々の疲労で、笑顔が少なくなっている両親が浮かんだ。
「できれば、狙撃をしたい。しかし、ホセが輸送機に戻ってくる時の状況次第では中止する。賛成か反対か」
チームへの最後の意思確認をジェイミーは行う。
「従うぜ。我らがリーダー」
「おっ? カッコいい事いっちゃってw てか、俺も賛成~」
「後で風俗奢ってくれよな? リーダー」
これで、チームの了承を得た。
「よし、監視継続。各自警戒を怠るな」
ジェイミーの指示で、戦士達の気は引き締まった。