第九話
シュガー、作
遅くなって本当にごめんなさい
「・・・完全に蚊帳の外ですね。まぁ、別にいいんですけど。」
シェルビーはカフェの外を見ながら呟いた。
「けれど、あれですね。このままではハッピーエンドに終わってしまいます。どうにかしてブチ壊さなくては・・・。」
冷めてしまったココアを一口飲んで、方法を考える。彼女が使えるのは、召喚術、エンチャント、性転換術、洗脳術etc・・・。様々な術が使えるのだが、直接破壊、つまり攻撃系の術は使えない。術を編むことや、公式を理解できるのだが、発動ができない。なにかしらの枷が掛かっており、発動できないのだ。その原因を探るべく精霊占いをして、手がかりになりそうな雲雀を見つけたのだが、
「完全に私の事、忘れていますよね。良い度胸じゃぁないですかw(怒」
破壊系の術が使えなくとも、自分自身の身体能力を強化すれば、国一つさえ滅ぼせる。そんな考えを抱いているシェルビーは、印を結んで自身に強化魔法を掛け始める。ちなみにポイントは運勢を上げておくことだ。それによって擬似的な主人公補正がつくのだ。
(『擬似』というところが特にポイントです。モノホンは『不幸』という補正がつきますから。私の場合はただ、タイミングとかが良くなるだけです。)
準備を終えたシェルビーは呼吸を整えて、拳を構える。
「くらえっ!!悪を断罪する正義の鉄槌!アンパンの拳!!」
ここはどこですか。わたしはだれですか・・・。なんてやってみたいよね。
「うっ・・・。ううん・・。」
クソ。一体、何が起きたんだ?確かポーズを決めて、そこから・・・。
あ、そうだ。顔を上げたら目の前に靴があって気を失ったのか・・・。蹴られたな、俺。・・・あれ、誰だろう。スカートだった。中を見てしまった。
「!大丈夫ですかっ!?」
うおっ!誰だ、コイツ・・・って外にいた2人組みの片割れか。
・・・首元が寒そうだな。ネックウォーマーとか来た方が良いと思うぞ・・・。
・・・不覚にもこんな事を考えてしまった。
・・・このご時勢に、他人にこんなにも優しく、心配してくれる人がいるなんて。初対面だぞ。なんて優しいんだ。・・・俺は今、猛烈に感動している!
ってか俺が格好良くポーズ決めて、憧れとか抱いていたり。ふふ、満更でもないな。
心優しい青年の隣にはパーカーをかぶった女性がいた。すごく、冷たい目線。
こちらを見ている。そんなにパンケーキの事怒っているのかな・・・?
何か2人ともイライラしていたみたいだけど、あとから片割れと天使がやってきて、治ったみたいだ。
どうやら双子は神羅と礼羅、パーカーの子はシューリム、天使はアスターというらしい。よっしゃ!LINAを交換してもらえた!ついに友達の数が100人超えたぞ!
俺が感動に浸っていると、どこからともなく足音が聞こえてきた。かなり大きいし、速い。音のする方を向こうとしたら、突然
「兄さん!危ない!」「アスターッ!」礼羅は神羅を、シューリムはアスターを押し倒して伏せた。
「―――――パーーーァァンーーーーチィィィッッ!」
「ぐぼわぁっ!ってなると思ったか!」
本日二回目のアクロバティック登場!!
「・・・ふん。はずしましたか。」
シェルビーに遠慮という文字は無いのか・・・。当たったら死ぬぞ。
「おおっ!すごいdeath!空中回転、初めて見ました!」
おっ?アスターちゃんが拍手してくれている。自然と顔がにやけてくる。オマケに決めポーズ!!
「・・・あなたはそんな人ではなかった・・・。」
?どこから呟く声が聞こえた。この声はシェルビーか。突然どうしたんだ?シェルビーの顔をまじまじ見ると、はっ、と気がついて呆然としている。
「あれ?私は何を言っているのでしょうか・・・?」
よく分らんが、本人が分らないんじゃ、どうしようもないな。
シェルビーとも連絡先を交換して、各自それぞれ帰路に着いた。
いや~充実した一日だったよ。
ウィーフィーならぬwi-fiがつながっている短い間で
急いで打ったので、誤字、脱字があるかもしれません。
後に直します。
次は・・・六月には更新します。努力します