第八話
朽ち太陽神さん、作
目の前で何やら言語っぽいものを発している人形がうごめいている。
「うるさい。黙って。俺と兄さんの関係なんてどうでもいいよね?余計なお世話。それから邪魔。目障り失せてくれる?」
「今、一息でしゃべってたヨー。ケラケラwww。」
「草うざい。・・・ねぇ、歯、食い縛れよ。」
人形を鷲掴みにして、足元に放つ。そして・・・シュート!!
思い切り蹴り飛ばした。ケラケラケラwwwwキラーン。
「で、シューリ・・・?修理ちゃん?はどうしてそこまで突っかかってくるワケ?」
「誰が修理だ。」
「ごめんごめん。こっちは名乗ったのに名前、教えてくれないんだ?」
「シューリム」
「ふうん。さっき散々俺のことバカにしてたけど何なの?」
「アスターの邪魔しやがって」
「アスター・・・?花のこと?花言葉は『さよなら』だよ。」
「花言葉とかキモ。」
グサッ。心に刺さった。礼羅はさっきの人形を蹴り飛ばして、ストレスが解消されたはずだったが、また胃に穴があきそうだ。
「そこで寝ている人がかわいそうだから、運ぶの手伝え。」
「いいよ。俺が運ぶから。」
そう言ってヒョイッと担ぎ上げた。そしてベンチへ。
「細い男の一人くらい女の力なんて借りなくても大丈夫だから。」
シューリムのイライラが積もっていく。
「お前な・・・「う・・・ううん・・。」
男の意識が戻ったようだ。
「!大丈夫ですかっ!?」
自然な体運びで、その人に触れる。この角度からだと、相手からは礼羅の首筋から鎖骨にかけてがよく見えて、見栄えがいい。
今の季節、長袖で露出が減るけど、その中でも露出があると男って結構簡単に落とせるんだよね。隣から冷た~い視線(ゴミを見る目とも言う)を感じるけど、スルーで。
「ああ、大丈夫だ。」
「よかった。」
この銀髪男、満更でもないのか、それともふざけているのか・・・と思うシューリムであった。
新羅side
「あの・・・。さ、さっきはお店教えてくれてあ、・・・ありがとうdeath。」
「わざわざそれを言いに来たのか?」
コクンとその子が頷いた。
「そっか。サンキューな。俺は柊神羅よろしくな。君は?」
「アスター・ドミニス。よろしくdeath。」
「アスターか。いい名前だな。花言葉もあるぞ。たしか、信じる心だったかな。なーんてな。」
「柊の花言葉は不滅の輝きdeathよ。」
「よく知ってるな。」
ポンッと頭を撫でるとアスターはわずかにはにかんだ。
「あっちで俺の弟と、アスターの姉さん(?)とアクロバティックなイケメンがわちゃわちゃやってるから行ってみよーぜ。」
アスターの手を引きながら、彼らの元へ向かった。
アスターはトテトテとシューリムのところに戻っていった。動きがなかなか愛らしい。
シューリムの礼羅へのストレス&苛立ちが解消された。天使最強。
「さっき突進モロに食らってたけど無事か?」
「あ・・・ああ。こう見えても丈夫だからな。」
「なら良かった。」
この事件を起こした張本人も謝った。
アクロバティックに神羅、礼羅の前に現れたと思ったら0’03で攻撃を食らってしまった不憫なお方である。(そして礼羅のターゲットになっています。色仕掛けの。)