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虚構の世界  作者: ちよ丸&朽ちた太陽&シュガーアップル
始まり―邂逅―
5/9

第五話

朽ちた太陽神 が書きました。

「ねぇ、あれ見て。」


礼羅がとあるカフェを指差した。


「このカフェがどうかしたのか?」


「中だよ中。棚見える?」


そう言って神羅と目線を合わせようと礼羅は顔を近づけた。


「正面に棚があるじゃん。その上に置物があるのわかる?」


「ああ。何か置いてあるな。」


「あれ、貰えないか交渉してくる。」


そう言って、店内に入ってしまった。おいおいおいおい、マジか。急いで礼羅の後を追う。


「すみません!」


「--------」


思わず耳を塞いでしまうような泣き声が聞こえた。


「おい、礼!いきなり道場破りみたいに入るから泣いちゃったんじゃねーの?」


「俺が入った時から既に泣いていたよ。じゃあ、交渉してくるから、兄さんはそこで待ってて。」


「迷惑かけんなよ。」


「この時点で結構迷惑だよね。」


屁理屈野郎!!と思った神羅であった。

神羅が店内を見回すと、先刻から泣いている少女・・・少年?が目についた。

→神羅は『お人好し』を発動した。


「さっき、すげー泣いてたけど大丈夫か?」


「美味しいパンケーキ・・・。」


何のことだと思い、テーブルの上を見ると・・・絶句するようなブツが皿の上にのっていた。むこうの人が食ってるサンドイッチは普通なのに、こっちはかなり事故ってる。何があったんだ・・・。


「これが出てきたら、そりゃ泣くよな。」


少女(少年?)は今だにヒクヒク泣いているし、保護者っぽい女の子はブチ切れたのか、テーブルに手をついたまま動かずうつむいている。


「ここから50mくらい先にマジで美味いパンケーキの店があるから、良ければ行ってみてほしい。そこはアタリだから。オススメはキャラメル&クリームミルクアイス添え。」


泣いていた子が目を見開いてこっちを見ている。・・・驚いているのか?まあいいや・・・。


「俺さ、この辺の飲食店はわりと精通してるから。」


さっきから俺しか話してねぇ!!と思った。すると、少女(少年?)が何か言おうと口を開いた。その時、後ろからぎゅっと抱きしめられた。


「兄~っさん。」


礼羅だ。吐息がかかる。


「貰ってきたよ。」


「よかったな。」


「うん。早く帰ろ。・・・その子さっき道で見かけた子だ。」


「この子の事を言ってたのか。」


「近くで見れば見るほどポ〇モンのキャラに似てる。」


ゲーム脳め!!


「ていうか早く帰ろうよ。兄さん。」


礼羅が新羅の服の袖を引っ張る。


「なんでそんな機嫌悪いんだよ。」


「別に悪くないし。(ボソッと)なんで神羅って誰にでも優しいのさ・・・。」


礼羅がブツブツ言ってるけど、何も聞こえない。気にもならないが。

カランカラン♪(←ドア)



~礼羅side~


正直交渉は得意。今回は相手がオネェだったし、尚更楽勝だったからな。ちょっと上目遣いで微笑めばコロッとね。オネェの人のテンション上がってる・・・気味悪い。早く帰りたい。そう思って神羅を探すと、泣いていた子のところにいた。

自覚してるけど、俺、結構嫉妬深いんだよね。器も小さい、独占欲は膨大。でもこればっかりは、しょうがないよね?・・・だって原因は新羅なのだから。この『家族』て立場もうんざり。なんせ、これ以上先に進めないんだし。・・・とにかく、優しげに話してるのに苛立って後ろからホールド!!

何すんだよ・・・とか言ってたけど、幸せでした。ごちそうさまです。神羅の匂い・・・。安心する。この世で一番好きな匂い。実は幸せすぎて、店を出るまでの記憶がないんだよねWW


~~~~~~~~~~~~


「結局、礼の乱入でほとんど会話できなかった。」


兄さん(・・・ )、疎まれてただけなんじゃないの?それか警戒の対象だったとか。」


「そうだったのか?余計なお世話だったかもな」


「むしろ、こっちを助けてほしかった。」


「何?交渉か?」


「違う違う。もう一組別のお客さん達いたじゃん。そのうちの女の人が怖い顔でこっちを見てたんだよ。」


「被害妄想はよくないぞ。」


「だから違うんだって。何か、好意じゃなくて敵意でもなくて、ターゲット・・・的な?俺は恐ろしかった。」


そう言って、自然と体を密着させてきた。

つくづく思う。俺は礼羅に甘い!!

・・・そういえばさっきの子はどうしたんだろうな・・・。それに礼羅が恐ろしいと言った人もきになるな。鋭い奴だからな・・・礼羅は。

・・・気にしても仕方ないな。うん。


「ところで何貰ったんだ?」


「ん?木彫りの熊だよ。くわえてるのが鮭じゃなくてPSPなの。」


「マジでふざけたオブジェだな。」


「これでも限定品なんだよ。」


「そ・・・そうか・・・。」


口ごもった。


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