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日常=異世界冒険記  作者: かなた
第1章 〜運命転換期〜
1/7

変化の始まり

拙い文章になってると思いますが、どうぞご付き合いお願いします。

日常というものは人それぞれだ。ある人にとっては友達と談笑すること、ある人にとっては散歩すること、ある人にとっては人を殺すこと。 たとえどんな内容であっても自分が普段体験していることならば日常といえるだろう。

そしてある日、僕の日常は壊され、非日常が訪れた。




「退屈だなぁ」


放課後、高校からの帰り道で火肩(ひがた) 祐大(ゆうだい)は呟く。しかし彼の周りには誰もいないのでその言葉に反応する者はいない。最近独り言が増えたなと感じるが無自覚に発してしまうのでどうしようもない。

高校生活も7ヶ月経つとさすがに慣れた。通学方法が中学では自転車だけだったので最初の頃は毎日電車に乗って通学することにわくわくしていたが今では何とも思わない。今日も電車の中で睡魔とバトルして勝利し、後は自宅まで歩くだけだ。駅から自宅まで近いとはいえなぜ自転車を使わないかと思うかもしれないが、健康の為に通学の際には乗らないようにしているのだ。

祐大は今の生活に嫌気がさしている。

毎日特に代わり映えのない日常、当然時が経てば生活は変化するがそれもそのうち日常となるのだろう。

祐大は自分の人生に劇的な変化が欲しいと思っている。とはいえそんな事が起こるはずもなく諦めてはいるがそれでもそう願ってしまう。

物凄い美少女が頭上に落ちて来ないかなぁと妄想したりするが、実際には何も落ちてこず、もし落ちてきたとしても鳥の糞ぐらいがいいところだろう。そもそも家はご都合主義のように一人暮らしではなく家族と住んでいるので住まわせることなど到底できないが。

駅から15分程歩いて家に到着。なかなかの良物件である。


「ただいま〜」


礼儀作法にうるさい親のお陰で挨拶はしっかりできる。


「「おかえり〜」」


両親の揃った声が聞こえた。相変わらず仲の良い2人だ。

とりあえず鞄を部屋に置き手洗いうがいをすませ、もう用意されている夕食の前に座った。ちなみに彼の帰りが若干遅いのは、部活をやってるせいだ。あれを部活と呼べるのかは微妙なとこだが…


「いただきます」


今日のメニューはご飯、豚汁、カレイの煮付け、冷奴だ。まず冷奴に上から醤油をかける。そして皿の上に垂れた醤油にワサビを溶かす。ワサビ好きな彼は周りが驚くくらい多めにいれるのが特徴だ。そして4分割した冷奴を口の中に放り込み、飲み込む様に食べ、カレイの煮付けに手を出す。小骨を剥がしながら身を取り出しご飯と一緒に食べる。美味い!!そして口の中を洗い流すかの様に豚汁をすする。そんな中、父が口を開く。



「明日からこの家で一人暮らしをしてもらう」

「ぶふ!?ゲホッゲホッ」


むせて豚汁をこぼしてしまった彼を責められる者などいるだろうか。


「こぼすんじゃないの」


……母がいた。


「は?え?どういうこと?何で?」


彼は慌てて、こぼした豚汁を拭くこともできずにクエスチョンマークがたくさん付いた発言をした。当然だ。もしいきなりこんな事を言われて動揺しないで済む人は修行を積んだ仙人ぐらいのものだ。


「実は2人で海外に転勤する事になった。明日の朝出発する」

「はぁ!?いくらなんでも急過ぎるでしょ !!」


そうだ。急過ぎる。異国の地に転勤するのならば、会社はもっと早くに伝えるだろう。


「なるべく家庭内をそういう雰囲気にしたくなくてな、お前には普段通りにして欲しかったんだ」


湿っぽいのは嫌いだ。そう言いたいのだろう。両親は社内恋愛から結婚した。2人共優秀な社員らしく、社内ではなかなかの立場に立っているらしい。

となるとこの海外転勤はきっと栄転なのだろう。夫婦をまとめて海外にやるというには会社の気遣いなのか?世の中というものをよく知らない祐大はそんな予測を立てた。


「家事についてはしっかり仕込んだおいたから大丈夫でしょう?」

「まぁ、うん」


大抵のことなら祐大一人でこなせる。障害といえるものはお金くらいのものだろう。そのお金も当然振り込んでくれるだろう。


「分かった。気をつけてね」

「結構あっさり受け入れたな?」

「まぁ、もう決まったことなら仕方ないよ。いきなりで驚いたけど」

「よし。じゃあ明日から大変だと思うが頑張れよ!」



ご飯を食べ、風呂に入る。そんな毎日やってる動作を終わらせ、自室へ戻るといつもは無い感情が芽生えている。それは興奮と呼ぶものである。両親が海外へ行くというのに、すんなり受け入れたのはそういうことだ。いつもと違う大きな変化。そんなものに祐大は興奮しているのだ。

(やべえ 、一人暮らしだ、冗談で思ってたことが本当に起こってる〜。)

後は落下型ヒロインを用意すればいいのだが、そんなものが用意できるはずもない。それでも、もしかしたら〜 とか考えちゃうのが妄想男子の正しい在り方だろう。

布団に入って寝ようと思うが興奮の余りなかなか寝付けない。幸い明日は土曜で学校はない。ゆとりバンザイ。高校生にゆとりとか関係無い気もするが…

高校生になって買ってもらった次世代携帯ゲーム機(名前は伏せる)をやってるうちにようやく眠くなり、祐大の意識は深い闇へと落ちた。



「え?」


次の日の朝、祐大が最初に出した言葉がこれである。ちなみにその言葉を吐き出してしまった要因となっているのは、テーブルの上に置いてある一枚の書き置き

『いってきます』

まさかここまで両親が湿っぽいのが嫌いだったとは初めて知った。つまり両親は祐大が寝ている間に彼を起こすこともせずに、出発したのだ。これには流石にびっくりした。

見渡せば家の中にある両親の物はごっそり減っていた。ついでに祐大の大事な戦艦の模型が消えてる気がするが彼は人間ができてるから怒らない。数分後に父に模型返せというメールを15件送ったが…


「本当に…行っちゃったんだな」


両親がいないことを実感し、ようやく祐大の心に寂しさが芽生えてきた。

一人暮らし。したことのない者にとってはとても魅力的なワード。でも実際にやるとなると大変なのだろう。だが彼は思う。

これもそのうち日常になるんだろう、と。

両親が帰ってくるのは最低でも2年後らしい。1ヶ月も経てば一人暮らしにも慣れているだろう。そんなことを考えつつ、祐大はまずは一人暮らしの第一歩として朝食作りに励むのである。


ファンタジー要素ゼロですが、次話からはどんどんファンタジーにしていくので、ご容赦を(笑)

誤字脱字ありましたら報告お願いします。

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