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1話 謎のロッカーで···

→→→→→兄ターン


俺は瀧川ヒロシ。高校2年生。中学の時は野球部一筋だったが、高校に入ってから帰宅部で毎日ヘラヘラして暮らしてる健全な男子高校生だ!


放課後今日は予備校もバイトもないから同じクラスの田中と、田中の推しのVチューバーの生ライブに行ってきた。


「田中、Vチューバーのライブてモーションキャプチャーで生歌なんだな。声援OKのCGアニメ上映かと思った」


「それは声援OKのCGアニメの上映な」


「箱に入るヤツとも違うんだな」


「アドな」


「歌ってMCしてる人とキャプチャーの人別じゃないか?」


「信じろ」


「先に掲示板見たら既婚で子供いるみたいだぞ?」


「信じろ」


「ゲーム実況でゲームやってるのスタッフらしいぞ?」


「信じろ」


「裏垢でファンのことボロカス言ってるみたいだぞ?」


「忘れろ」


「田中、お前、心強ぇーな」


「地下アイドル推し活動で鍛えられたからな···」


田中は遠い目で言った。

と、スマホに着信。妹のカズネからだった。なになに···


「買い物したら荷物多くなったから来てくれないか、って。近いみたいだ。今日俺、街出るって朝、言ってたからなぁ。田中、俺ちょっと妹のとこ」


「リアル妹との仲良い絡みに嫉妬ぉーーっっ!!」


「いやっ、急に心弱いな田中ぁっ?!」


田中に強めに絡まれたが、どうにか振り払い、俺は妹の元に急行した。



→→→→→妹ターン


「いやー助かったよ、ヒロ(にい)


半分持ってもらっても大荷物だった。駅の近くの総合スーパーでセールだったのとゲーセンでUFOキャッチャーに行ったから。

私はいくつかの店で出禁になるくらいのUFOキャッチャー荒らしでガンガンぬいぐるみ取るタイプ。


そう私、瀧川カズネは中学2年生。小学生の頃は水泳やってたけど今は放送部。


放送部の活動は正直そこまで熱心じゃないけど、校内放送やたまに朗読会や読み聞かせなんかを老人ホームや幼稚園なんかでやってるのにはきっちり参加してる。

それ以上なにすんの? て思うだろうけど、放送部って大会あるんだよ。超厳しいヤツ! そこまでは、無理···


「ユミと来たんだけど、彼氏に呼ばれて行っちゃうし、UFOキャッチャーは今日はなんか特に当たりだったし」


「程々にしないとまた出禁されるぞ?」


「へっへっへっ」


ヒロ兄は普通くらいの人で、普通に優しいからちょうどいい。


私、最近お父さんに反抗しちゃってるからその分、頼っちゃうよね?


なんてヘラヘラしてると、


「ん? なにアレ?」


ビルとビルの間の路地の向こうにロッカー? が見えた。


「ロッカー? 不法投棄的な? ちょっと見てみるか? 死体とか入ってたりして? へへ」


「えー? ヒロ兄、やめときなよ〜」


でもヒロ兄は面白がってずんずん路地に入ってっちゃうっ。余計なこと言っちゃったよ! 


しょうがないから後に続くと、なんか歪んだロッカーだった。


「気持ち悪っ。やめとこ。帰ろうよヒロ兄」


「よしっ、開けるぞっ!」


「やーめーな、よー!」


止めたけど、止まらないヒロ兄っ。結構苦労して、ばぁん! と開けちゃった。


途端、ドォウゥッッ!!!


真っ黒な風が噴き出して私達を巻き込み、ロッカーの中に吸い込んだっ!


「おぉぉぅーーっ??!!」


「きゃああーーっ??!!」


私達兄妹は闇の渦に呑み込まれていったんだよ···

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