第24話 留守番
来人が買い出しに行っている間朱理と逢は兄の部屋へと踏み込んだ。
そこにはフリマアプリにも出されなかった彼の思い出の品が残っていた。
来人が買い出しに行っている間の錆山宅では。
朱理が逢にある提案を持ちかけていた。
「兄ちゃんの部屋入ろうぜ」
ニシシと笑う朱理はイタズラ小僧そのもの。
「勝手に入るのはダメだよ、朱理ちゃん」
「兄ちゃんは買い出し中だし、バレやしないよ」
元気よく朱理は来人の部屋を目指して駆けていった。
もたつきながらも逢はそれを追う。
最初こそ戸惑っていたものの。
部屋の前まで来れば話は違う。
もう逢も朱理を止めようとはしなくなっていた。
「オープンザドア」
朱理は来人の部屋の扉を元気よく開けた。
勢い余りドアが壁に衝突する。
大きな音が鳴りつつも朱理は堂々と兄の自室に入る。
一方で逢はそれに恐る恐る続いた。
「お邪魔します」
「逢ちゃんったら。もうちょい気軽でいいのに」
勝手に兄の部屋に入るのは久しぶり。
以前一人でそれを犯してしまい朱理は来人に怒られたからだ。
ただし、今回は友人と一緒。
今の朱理の気持ちと態度は大きい。
現在の朱理に罪悪感はほとんどない。
「なにか面白い物がないかな」
「勝手に漁っちゃダメだよ朱理ちゃん」
来人の部屋を朱理と逢は物色し始めた。
言葉とは裏腹に。
逢は満更でもない顔で本棚に手をかけている。
二人が部屋を漁りだして数分ほど。
「これ昔兄ちゃんが見てたアニメに出てくるペガサスに変身するロボのプラモだ」
「このビー玉が打てるケルベルロスみたいなキャラのオモチャ、昔親戚の男が持っていたよ」
「それ確か婆ちゃんが生きていた頃に兄ちゃんのおねだりで買ってもらったやつだ」
「見て。こっちにはカナタの持っている独楽のオモチャとそっくりのがある」
「多分さ、それ前のシリーズのじゃない。昔兄ちゃんが親戚の叔父さんから買ってもらった物だと思うよ、それ」
「へえ、言われてみればこっちはアイコンみたいなシールがなくて独楽の形がドラゴンみたい」
見つけた物は男子向けのオモチャばかり。
数年前のアニメのプラモデル。
ビー玉を発射するキャラクターのオモチャ。
パーツを組み替えられるスタイリッシュな独楽。
来人が誰にも伝えていないだけで。
売れない理由はそれぞれ。
なんとなく朱理が察した品もある。
今だって遊ぼうと思えば遊べる。
だからこそ、それらは物珍しく。
朱理と逢は実際に手に取ってみた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
自分はお留守番といえばいつも一人でゲームばかりでしたね。
では、次回の更新は3/3の17:00頃を予定しております。




