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第18話 読書

青い石についてネットで調べるのにも限界があった。

そう感じた来人は図書館に来ていた。

普段なら手にもとらないオカルトの本を机に積んで。

妹からの依頼を終えた翌日、来人は市内の図書館へと足を運んでいた。


ネットだけで調べてもダメだ。


それを痛感した来人は。


紙の書籍、つまりはほんという手段を選んだのだ。


「いい手がかりでも見つからないかな」


自宅から図書館まで来人は自転車で来ていた。


見渡す限りの田んぼや畑も市街に近づいていくにつれて徐々に消えていく。


次第に商店や飲食店に新築アパートなどが来人の視界に広がってきた。


市街地であるものの娯楽施設の数は少ない。


子供たちが外で元気に遊ぶ光景も見受けられる。


夏休みとはいえ来人のように図書館を利用する中学生はそれほど多くない。


「どこ探そう」


図書館に入り来人は案内板で目当ての本がありそうな場所を探した。


しかし、なかなか見つけられない。


しょうがなく受付の職員に尋ねた。


館内は親子連れも目立つ。


そのため来人は本を借りに来た小学生たちの列に並ぶ羽目になった。


ようやく自分の順番が来た来人を中年の担当者の女性が事務的に迎えた。


「図書の貸し出しですか」


「いえ、オカルトに関する本はどこですか」


「少々お待ちください」


担当の女性から探していた本棚の位置が印刷された紙を来人は受け取った。


後ろもつかえていたので来人は速やかに列を抜ける。


「たくさんあるな」


目当ての場所に来たものの陳列された本の数に来人は舌を巻いた。


ひとまずは直感頼み。


何冊か本を選ぶと来人は近場のテーブルに置いて積んだ。


胡散臭うさんくさい本ばかりだな」


開いた本のページを見て来人は顏をしかめた。


目次に並んだ項目がこうだったからだ。


血が沸く泉。


魔女の晩餐会ばんさんかい


人に種を産み付ける食人植物。


極めつけは吸血鬼。


常軌を逸したものばかり。


それでも来人は根気強く作業を続けた。


だからこそ、来人は浮世離れした怪異にかれ出した。


いつのまにか当初の目的も忘れて。


ずっと来人は本を読み(ふけ)っていた。


どんどんページをめくる速さが遅くなっていく。


「いかん、こんなことをしている場合じゃない」


来人が気づいたころには閉館の時間が迫っていた。


ただ調べものがあっただけなのに。


オカルトなんて普段なら絶対に読まないのに。


カテゴリされていた書籍や手に取ったもの。


全てを完全に読み終えたわけではないのだが。


本を読んだ後の来人はとても充実した気分だった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

みなさんは初めて図書館に訪れたのは何歳の時か憶えていますでしょうか。

それでは次回の更新は2/26の17:00頃を予定しています。

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