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第17話 収穫

ようやく妹からの依頼をこなした来人。

達成感に満ちる裏で彼のスマホにはフリマアプリからの通知があった。

来人が帰宅してもまだ家の明かりはついていた。


今日一日の疲れをこらえて来人は玄関の扉を開ける。


リビングから漏れているクーラーの冷気が来人をねぎらう。


「ただいま」


「兄ちゃんお帰り」


妹の返事に来人は安心した。


そして、ウエストポーチから収穫を取り出して机の上に置いた。


「これが欲しかったんだろ」


取り出してみたものの。


自宅の照明を浴びたアズゥのプラネタリウムはというと。


それは来人にはとても陳腐に見えた。


「手作り感めちゃめちゃ漂うね」


依頼した品をまじまじと朱理は見つめる。


妹の気に召さなければ来人は骨折り損だ。


朱理は手にしているプラネタリウムを机に一旦置き来人へと向き直った。


「兄ちゃんありがとう。大好き」


満面の笑みだ。


朱理は大きく笑いプラネタリウムを抱えた。


来人への感謝とともに。


そのまま自分の部屋へと朱理は駆けて行った。


「よし。一件落着」


ようやく一個ノルマ達成。


妹の笑顔に来人は達成感と充実感に満ちていた。


困難ばかり。


辛く危ない目にもあった。


それも妹からのお礼のおかげでようやく報われた。


まだまだ課題が山積みなのはしょうがない。


それでも僅かだが来人の肩の荷がおりた。


「今日も良い日だったな」


肩を回しながら来人は自分の部屋に向かった。


「風呂はいっか」


自室で来人が入浴の支度をしていた時だ。


スマホの画面にフリマアプリからの通知が届いていたのだ。


そこには信じられないものが表示されていた。


「買い取り希望者がいる」


なんとあの電波的な解説つきの石を欲しがる者がいたのだ。


しかも、十万の値が付いていた。


このままいけば。


間違いなくこの人物が買い手になるだろう。


「まだなにか書いてあるぞ」


買い取り希望者はメッセージも添えていた。


それを来人は読み上げた。


「直で渡せば更に倍額渡します、だと」


あまりにも好条件すぎる。


半信半疑ながらも。


購入希望者に来人は感謝ばかり。


次の日、石は購入者のものになるよう段取りがついた。


相手からもそれは確認済み。


返事と一緒に購入者の名前が記載されていた。


「名前はヴェルデ、ニックネームかな」


どのような人物だろうか。


それも会えば分かるだろう。


来人の興味は購入者の素性ではない。


あの青い石を欲しがる。


これが意味するものは。


石についてなんらかの情報を持っている。


だとすれば、来人にとって何よりも貴重な人物だ。


更に嬉しい点もあった。


あの石を理解している人間ならば厄介事も押し付けられる。


来人の肩の荷が一気に軽くなった。


「まだなにか書いてあるぞ」


買い手からのオーダーが他にも来人へと寄せられていた。


「取引前日に面会したい、か。この要求は呑むしかないよな」


段取りを済ませるため来人は買い手へと速やかに返信した。


「どんな人かな」


一番大事なのは石について。


買い手も会えば分かるので気にしてもしょうがない。


しかし、そこはやはり気になるところ。


買い手の顔を来人は想像してみた。


真っ先に来人がイメージしたのはアズゥだった。


「大丈夫かな」


その後も考えてみる。


頭を傾けども傾けども。


アズゥの顔しか出てこない。


思い描いてみても結局アズゥのような性格に行きついてしまう。


買い手がついた喜びは束の間。


新たな疑問に来人は頭を悩ませた。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

以前、「昔図書室で読んだ本みたい」と懐かしんでいただければなという旨を書きました。

時間をいただいてばかりですが懐かしめましたか。

少しイジワルを言って申し訳ありません。

ではでは、次回の更新は2/25の17:00頃を予定しています。

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