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知っていると、実際に体験するとは大きく違う。

講習でモンスターの特徴や出現ダンジョン等も勉強したし、スライムの中でもノーマル、ミドルとビックではその強さのレベルが違う事も習った。

知識では持っていたのだ。

だが、目の前にしてその存在に思わず足がすくんでしまう。

だって、そうだろう。

せいぜい自分の身長程のスライムだと思ったら、その何倍もある大きさのスライムがそこにいたのだから。


「落ち着いて」


「え、え?」


ミラーハが俺の肩を掴みまっすぐとビックスライムを見つめていた。

そうだ、扉は開けたが中には入っていない。

ダンジョンのボスは部屋に入らない限り攻撃してこないのだ。

まずは、どうするべきか。


「スキルは何を持ってるの?」


「持ってないです」


「もって、は!? スキルツリーは!?」


「す、スキルツリー?」


スキルはレベルアップ時にたまに手に入ると習ったが、スキルツリーなんて聞いたことも無い。

もし、新たな力を得る手段であるなら、ここは聞いた方がいいか。


「スキルツリーの使い方を教えてほしいです」


「子供でも知ってることよ」


うん、我慢我慢。


「仕方ないわね、教えてあげるわ」


「お願いします」


このダンジョンをでたら、さっさと別れよう。

どんなに美人でも、性格がキツイのはな。


「スキルツリーは右手の甲のレベルクレストを二回たたいて右になぞると、自分がとれるスキルとスキルポイントが分かるわ」


「二回たたいて右になぞる」


その瞬間、何かが頭の中に入ってくる。

それは講習等で知ったものや、聞いたことも無いようなスキルの一覧だった。

だた、スキルツリーというだけあってすべてのスキルがすぐ手に入るわけではなく、多くのスキルがそれに関連するスキルを最初に習得する必要があるようだ。

スキルポイントは5ポイントある。


「スキルツリーで手に入るスキルや消費するスキルポイントの量は人によって違うわ」


「それはどうして?」


「種族によって爪や牙の有無もあるし、個々人だって得意不得意があるでしょ? それと同じよ」


確かに言われてみるとそうだな。

それで、俺はなにが得意で、何が不得意なのかな?


魔法系は初級身体強化魔法、初級回復魔法は1ポイントだが、それ以外の初級は4ポイントも必要みたいだ。

攻撃系のスキルはどれも3ポイント以上。

逆に能力を底上げするようなスキルはどれも1ポイントだ。

であれば。




タカトウ ユウキ Lv2

スキル

身体強化 精神強化 思考強化


初級身体強化魔法 初級回復魔法





「これでどうよ」


スキルを選択すると右手の甲からツタのような模様が伸びていく。

そして、右手前腕にまで伸びて止まったのだった。


「無事スキルツリーをから習得できたのね」


「この模様は?」


「スキルツリーで習得できるスキルには限界があるわ。そのツタが幾重にも伸び、身体を覆うほどになるとスキルを所得できないし、スキルポイントも使用できなくなるの」


上限がある?

もしかして、取り返しがつかないことをしてしまったのでは。


「そういえば、どんなスキルをとったの?」


「こ、これだけど」


「……」


ミラーハが言葉を失う。

やっぱり安易だっただろうか?


「ねえ、攻撃スキルはどうしたの?」


「あ」


強化系スキルは能力の底上げするスキルで、攻撃手段ではない。

消費スキルポイントの少なさや、今の攻撃手段が拳だったことから念頭から外れてしまっていた。

先を見ると身体強化の先に必要ポイントが3であったが拳闘術がある。

そもそも、持っているスキルポイントのほとんどを使って魔法をとっても良かったのか。

でも、中途半端な攻撃手段を持っていても一撃食らって死ねばそれまでだ。


「やれるだけやるか」


ボス部屋へ入ろうとするとミラーハが手を掴んで止める。

何なのだろうか?


「やめない?」


「でも、ボス部屋は誰かが攻略しないと次のボスはリポップしないし。リポップするにしても数時間はかかる。そもそもこのダンジョンは人気が低すぎて中々他の探索者が来ません」


それに、ビックスライムは危険度2でも普通に出てくる可能性があるモンスターだ。

こんなところで逃げていてはこの先に進めないのだ。


「分かった。私は補助系の魔法くらいしか持ってないの。あまり身体能力も高くないし、直接戦闘には参加できないからね」


「獣人って身体能力が高いって勝手に思っていましたが」


「まあ、獣人の中では珍しい部類かもしれないわね。それで、どうするの?」


「行きます」


「なら、『ブースト』」


俺の身体が急に軽くなる。

そして、俺も『ブースト』を自分にかける。

だが、ミラーハほどの効果は感じなかった。

たぶん、彼女は中級身体強化魔法を持っているのかもしれない。


「よし準備は整ったな」


「行ってらっしゃい」


俺はビックスライムに向かって走り出した。

スライムだけあって動きは遅い。

だが、ミドルスライムの何倍も体力が高いという。

どれだけ数多くの攻撃をビックスライムに叩き込めるかが勝敗を分けるはずだ。


「まずは一発目! (パン!!


たった一発の攻撃でビックスライムは水風船がはじけるように割れてしまったのだった。

もしかして、ビックスライムは分裂するのか!?


「魔石」


望んでいた魔石がそこに落ちていたのだった。



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