響たちはダンジョンに潜り、順調に進んでいく。
ダンジョンを進む日たち、初めて組んだパーティとは思えないほどの連携を見せる!?
響、冬香、ヴォルガはパーティを結成してダンジョンに潜ることにした。
「俺がとヴォルガが前衛で攻めるから冬香は後方支援を頼む。」
と響はパーティの役割を決めた。
「「了解!」」
と2人は返事をする。
「今日は何階層を目標にしていく?」
と冬香が質問をする。
「今日は30階層のボス撃破だ。ヴォルガは最高何階層まで行ったことがあるんだ?」
と響は目標を定めヴォルガに質問をする。
「俺はダンジョンにもぐったことがねぇ、地上でしか戦ったことがないからな。」
といって、
「私も3年前響と潜って以来行ってない。」
と冬香も続いた。
「なんでヴォルガはダンジョンに行ったことがないのにそんなにレベルが高いんだ?」
と疑問に思った響がきくと、
「勇者にはレベルUPブーストがあるからな!」
と答えた。
呪いがかけられレベルが全然上がらなかった響とは真逆の存在だ。
「俺も最高で15階層までしか行ったことがない。ダンジョン探索では俺らは初心者だ。油断は禁物だ。俺がまず鑑定で相手のスキルやステータスを言うから各自対応してくれ。」
とこのパーティのリーダーになった響が指揮を取る。
「「了解!」」
と他の2人は返事をする。
そうしてダンジョンに潜ることになった。
「なんか思ってたよりも暗いんだな。」
ヴォルガが思ったことを口にする。
「そうだね。ここは9階層。次の10階層にはボスモンスターがいる。今までの雑魚モンスターよりは遥かに強い。がレベル10の時の俺でも1人で倒せるレベルだ。スキルはダクト、当たったら体の中から爆発するから気をつけろ。」
と響はモンスターの特徴を事細かに伝える。
そしてボスモンスターのいるところについた。
「あれがグリムか。でかいな。ちょっと倒してくるわ!」
とヴォルガが自信満々に突っ込んでいった。
「サンダースオリジン!」
とヴォルガが唱えた瞬間至る所からグリム目掛けて雷が飛んでいった。
「すげぇ威力。」
と響は圧倒されていた。
「響と戦っていた時はあの1000倍の火力は出てたわよ。」
と冬香に言われて改めてこのパーティの凄さを肌で感じた。
「ナイスー、ヴォルガー!」
「おう、このくらいなら余裕だぜ!」
とまだ余裕を見せている。
その後もオークやゴブリン、など雑魚モンスターしか出なかった。
そして20階層ボスモンスターがいるところまできた。
「じゃあ作戦通り俺が鑑定をするから。」
と言ってボスらしきモンスターの鑑定をした。
「名前はクレイン。ステータスは弱い。スキルは危機回避。自分に対しての危機を感知できるというスキルだ。あまり殺気を出さずに近距離まで行って確実に倒そう。」
と的確な指示を送る響に対して
「「了解!」」
と返した。
「ウォーターズオリジン!」
ヴォルガが相変わらずの火力でワンパンする。
「あれ、ヴォルガが倒したのにスキル危機回避が追加されてる。」
自分で倒していないのに何故かスキルが追加されていた。
どうやらパーティを組んでいるメンバーが倒してもスキルは得られるということらしい。
「スキルをゲットした。これからは不意打ちは危機回避で知らせることができる。」
とパーティに伝えると、
「さすが響!」
と冬香が言い、
「さすが伝説の賢者様!」
とヴォルガにも褒められた。
(この人たちと一緒にいると心地がいいな。)
と響は今の環境に感謝をした。
21階層からは急にモンスターのレベルが上がった。
1番弱いモンスターでも10階層ボス、グリムと同じくらいの強さを持っている。
でも、
「スキル持ちがいない……」
響はモンスターがスキルを持っていないことに対して不満を持っていた。
「まぁそんなに焦らず気楽に行こうぜ!」
「あぁ、そうだな。」
響はヴォルガに宥められてしょうがないと割り切った。
その後、響たちは順調にモンスターを倒して階層を降っていった。
そして30階層に到着した。
「今日の目標階層。ここのボスを倒したら今日は終わりにしよう。ここのボスは白の立神でもギリギリ倒せたというレベルらしい。頑張るぞ。そして30階層の次31階層からはダンジョンの上層、中層、下層、深層、神層とある区切りの中の中層に突入する。ここからは今までとは段違いに難しくなり、白の立神もほとんど足を運ばないというらしい。」
と響が調べてきた情報を事細かに説明した。
「あれがボスか。」
ボスの姿を見つけたヴォルガが響たちに伝える。
「あぁ、鑑定してみる。」
響はそう言って鑑定した。
名前ー ファントム
レベル79
HPー 37788
MPー 14245
SPー 74256
スキルー幻影
「つ、強い!!」
響はその強さに後退りした。
「ヴォルガ、冬香、こいつのステータスは結構高い。相当なダメージを与えないと倒せないだろう。そしてスキルは幻影。このスキルは幻を見せたり自分の分身体を見せるものだ。」
響がそう説明していると、
「分身しやがった。」
ファントムは響たちの気配に気づいて分身体を作ってしまった。
「幻だから多分攻撃はしてこないがどれが本物かわからない。どうしようか……」
響はこのままだと永遠に終わらないと思った。
「私がやる。」
冬香が名乗り出た。
「私がやるっていったって、どうやって、」
「私の魔法の中で1番攻撃範囲が広いものを使う。」
響の体に対して冬香はそう返した。
「じゃあ頼む。俺たちも10体くらいは倒しとく。」
「ワイドレンジ・レッドボール!」
冬香がそう唱えると、
「す、すげぇ!」
空間のあらゆるところに超高火力の火の球が出てきて200を超えるであろう幻影を全て焼き尽くした。
「あれが本体だ!」
本体の姿を見つけたヴォルガはみんなに知らせた。
「あとは任せとけ!」
みんなの頑張りを見た響は感化されて攻撃を仕掛ける。
「五の剣、無避倒本!」
無避倒本とは敵に避けられないと錯覚させて動きを止める技。単体では攻撃力が低いが相手の動きを止めるので他の攻撃が当てやすくなる。
「三の剣、光の剣」
光の剣は眩しすぎる光を刀身から放ち光魔法で切る技だ。
眩しくて失明することもある。
こうして確実にファントムを仕留めた響はスキル幻影を手に入れた。
「何とか倒せたわね。」
「いやぁ、今回何も役に立てなかった!!」
「冬香の魔法のおかげだよ。ありがとな!」
響がそういうと、冬香は、
「あ、あ、当たり前でしょ。」
と顔を赤らめながら慌てて応える。
ヴォルガはその光景を見て
「あ、俺は冬香ちゃんを諦めねぇぞ!」
と決意をしたようだ。
鈍感な響は何が何だかと言わんばかりにキョトンとしていた。
そうして響たちはチームの家に帰った。
「引っ越しをしましょう。みなさん!!」
ドアを開けると同時にリンが響たちにそう言っていた。
「どうした急に、」
響たちは戸惑っていた。
「最近収入が増えました。前回のイベントでとても儲かりました。この家は狭すぎます。以上。」
確かに狭すぎる家ではみんなは同じ部屋で寝ることになっていて、今まではそれで良かったが、ヴォルガがチームに入ったことによりそれがよくなくなった。理由はヴォルガのイビキだ。ヴォルガのイビキは竜の息吹きくらいの音量をしていた。
「それにしても急じゃないか?だから次のイベントで優勝できたら引っ越すことにしよう。」
リーダーである響がそういうと、
「そうね、」
「あぁ、優勝するぞー!!」
と他のメンバーも納得した。
「これで優勝したらリンも王家での位が少しは良くなるんじゃないか?」
王家には王家の人たちの中で位があり、その位によって国の待遇が変わる。1番位の高い人が国王となる。アースズトップの王家人、アーサーだ。
アーサーの前の国王は民衆のことを何も考えず絶対王政をしていたという。だから冒険者もどのチームに入るのか重要に思っている。
響はリンがとてもいい人だと知っているので位を上げてあげたいと思っているのだろう。
「次のイベントは来週だよな。」
イベントは不定期に回ってくる。一年やらない時もあれば2日おきにやる時もある。
「次のイベントは確か、パーティ対抗戦だよな。パーティの連携をしっかりとしてパーティ同士で戦うんだったな。」
響はギルドでレオナさんに教えてもらったことをチームのメンバーに話した。
「じゃあ俺らのパーティの実力を世に知らしめるチャンスというわけだ!!」
とヴォルガは言うが、
「俺らは個々の能力は確かに高いが、チームとしては素人同然だ。だからこれから1週間ダンジョン上層でパーティとしての俺らの実力を高めるぞ。」
響たちはダンジョンの上層でパーティの連携力を高めると決めた。
「あと一つ提案だが、俺たちのパーティの名前、決めないか?」
チームの名前はネバエンだが、パーティの名前はまだ決めていないので響はそう提案した。
「「いいね!」」
みんな同意した。
「俺たちは伝説の存在である賢者や勇者の力を引き継いでいる。だからレジェンドアドベンチャーズって言うのはどうだ!!」
ヴォルガがそう提案する。
「伝説の冒険者。悪くないが、俺からも提案がある。俺の案はリトルアドベンチャーズだ。伝説って感じで、上であぐらをかいているよりもいつも自分たちよりも大きな存在、強い存在がいて自分たちはまだまだ弱いと、初心に戻り、努力を続ける方がいいと思ったからこのパーティ名がいいと思う。」
「そうね。それが響らしいわ。」
「確かに、それ最高!!」
「響さん、素敵です!」
そんな感じでみんなが納得したので
響、冬香、ヴォルガのパーティは
リトルアドベンチャーズ
と言う名前になった。
そして響はいった。
「来週のイベント、優勝するぞー!!」