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響たちは無事にチーム入りすることができるのか

チーム探しに没頭していた響達は森で少女の悲鳴を聞きつける。そこに待っていたものとは、そしてその少女の正体とは、

「チームに入れてくれませんか。」


「2人も入れられないわ。」


「実力もわからないやつを入れられるか。」


「男の方弱そうね。他を当たって頂戴。」


「金払ったら入れてやる。」


ーー「ダメだ。全然チームに入れない。」

チームに入れる人数には制限がある。

チームが功績を上げれば多くの人数が入れるようになる。

ギルドでの俺たちの実力を知らない王家の人たちは全然チームに入れたがらない。

今トータルアースには100以上のチームがある。

その中でのトップはローディウスさんたち白の立神が所属しているアースズトップだ。

アースズトップではローディウスさんたち4人を含め、およそ50人の冒険者が所属している。

中堅チームでは20人くらいしか入らない。

「入れなくて当然かー。」

「そうね。せめて実力を証明できればいいけど。」

「気晴らしで失われた森のブラッド系モンスターでも倒しに行こうか。」

「響何言ってるの。ブラッド系のモンスターは普通の冒険者には手に負えないモンスターよ。それを2人だけで倒せと言うの。」 

「もちろん。」

「でも、血液操作ってスキル持ってるらしいよ。」

「前の戦いで見せたけど俺もエフージオでそのスキル持ってるから。あと俺の方がこのスキルを使いこなしてるから。」

「じゃあ、いく?」

「そう来なくっちゃ。」


ーー「響、そっち行った。」 

「二の剣、登り地獄」

俺の剣聖スキルはどんどん上達していき、色々な技も習得した。

「やっぱりすごいわね、剣聖スキル。」

「初代剣聖から引き継いだからな。」

そんなこんなでブラッド系のモンスターを倒して行った。

「これで、100体目!」

気がついたら辺りが暗くなっていた。

「冬香、そろそろ帰ろうか。」

「うん。」 

そう言ってギルドのある方角を向いた瞬間。

「きゃぁぁぁー!」

何処かから少女の悲鳴がきこえる。

「響、この声なんだと思う。」

「わからない。とりあえず声がした方へ行こう。」

「うん。」


ーー「ここら辺から声がしたと思うんだけど、」

確かにこの辺だったはずだ。と思ったその時、

「や、やめてぇぇー!」

さっきの子の声だ。

「近いぞ。でもどこだ、」

そう言って辺りを見渡しても誰もいない。

「木に隠れてるのかな。」

冬香がそう考察する。

木に隠れてるのか、もしかしたら上にいる?

そんなことないだろうと思いながら上を見上げると、

「う、嘘だろ」

数え切れないほどの蜘蛛型モンスターが視界を覆っていた。

「鑑定!」


 名前ー ビジョンスパイダー

 レベルー 24

 HPー 467

MPー 357

SPー 367

スキルー 千里眼


個々の強さはそこまでだが、

「これ、100体は余裕で超えるな、」

数が多すぎる。

「おにぃちゃん、助けてー……」

また声がする。

「どこだ、」

蜘蛛に視界を覆われてどこにいるのかがわからない。

その時、

「響、あそこに女の子が、」

そう言われて冬香が指を刺している方を見ると、

「そこか、」

一匹だけ段違いに大きな蜘蛛がたくさんの蜘蛛の向こう側にいてその蜘蛛の糸に捕まっている。

「今助けに行くから待ってろ。」

俺はそう言ってブラックスターを手に取った。

「四の剣、光源の荒鷲!」

光源の荒鷲はブラックスターに込められたありったけの光魔法を相手にぶつける技だ。

「よし、20体は削ったな。」

もう一回。

「四の剣、光源の荒鷲」

「んっ!?」

攻撃が止められた。

蜘蛛の糸?

スキルか?

でもあいつのスキルは千里眼では?

「スキル鑑定。」

「粘糸」

「粘糸?」

よく見たら種類が違う。

なるほど、それにしても光源の荒鷲を防ぐか。

「粘糸鑑定。」

(粘糸……魔法攻撃を防ぐ。スキル糸使いの強化スキル。)

「なるほど。、冬香、あの色の濃い方にお前の攻撃は効かない。だから色の薄い方と俺のサポート頼む。」

「わかった。アイスブロック、」

氷の柱が蜘蛛の身動きを取れなくする。

「そういえば、女の子はどこだ?」

さっきまで居たところに姿がない。

どこだ、どう探す。あっ、そうだ。

「千里眼!」

今さっき得たばかりのスキルを使った。

「そこか、」

少女は大きい蜘蛛、マザースパイダーの手によって拘束されていた。

あそこまで行くには、

「七の剣、縮地切り。」

縮地切りは縮地によって相手との距離をつめて切る技だ。

今の俺のステータスで縮地をすれば100メートル離れた相手とも0.1秒で距離をつめられる。

粘糸も全て切り捨てマザースパイダーまで一瞬で辿り着いた。

切ろうとした瞬間、

「なんだ、なんで切れない。」

糸が切れない。

俺は慌てて鑑定をした。

「硬糸」

「硬糸?粘糸とは違うのか。硬糸鑑定。」

「硬糸……物理攻撃を防ぐ糸。」

なるほど。そりゃ攻撃が通らないわけだ。

「冬香ー、こっちに魔法撃ってくれ。」 

「わかった。レッドアロー!」

冬香の炎系攻撃にはファイアとレッドに大きく分けられる。

ファイアは薄い赤で柔軟性がある。

攻撃力でおすと言うよりも繊細な攻撃だ。

レッドは血のような赤をしていて硬い感じだ。

攻撃力がすごいがコントロールが難しい。

そして今レッドアローを撃った。

レッドアローは攻撃力に特化した矢だ。

マザースパイダーはレッドアローを食らった瞬間に溶けた。

「いやぁぁぁー!」

叫び声と共に少女が100メートル以上の高さから落下して行った。

「待ってろ拾ってやるから。」

俺は急いで縮地をして少女を腕の中に納めた。

そして冬香のいる地上に着地した。

「なんとか助けられたな。」

「うん、蜘蛛全部倒せたしね。」

「スキルも3つ手に入れたぞ。」

「まぁなんとかなってよかったね。」

そんな会話をしていると、

「あの……助けてくださってありがとうございます。」

少女がお礼を言ってくれた。

「君の名前は?」

と聞くと、

「リン、私の名前はリン。」

「無事でよかった。リンはどうしてここに?」

少女はここに来るまでの出来事を話してくれた。


ーー「よし、リンも7歳になったな。」

そう言うのはこの国の国王、アーサー国王だ。

アーサー国王は今30歳だ。

20歳の頃からこの国を守り続けている。

そしてリンはその国王の娘だ。

王家の中でもトップクラスの権力を持つことになる。

「この国では7歳になったら王家の人間はチームを作り、自立していかなければならない。明日にはこの城を出てチームをつくれ。」

「あ、明日ですか。どこに住めばいいのですか。」

「自分で考えなさい。お金ならたくさん持たせる。これも自立するためなのだ。お前は次のこの国の王となる。そのための力をつけるんだ。」

「わ、わかりました。」

リンはそう言って城を出た。

「私のチームに入りませんか?」

何度呼びかけても誰も入ってくれなかった。

そうしているうちに1人の冒険者が声をかけてくれた。

「お嬢ちゃん、チームに入ってやろうか、」

見た目はとても悪そうだった。

でもこの人を頼るしかない。

そう考えたリンは、

「お願いします。」 

そう言った。

「じゃあついてきな。家に連れてってやる。」

そう言われたのでついて行った。

「本当にこっちですか。」

冒険者は深い深い森の奥へ入って行った。

「さっきチームに入るって言ったが、あれ嘘だ。」

「えっ、なんでそんなこと、」

「まぁそんなことはいい、金出せ。ここは蜘蛛の住処だ。

俺に逆らったらここに置いていく。」

リンはそう脅されてお金を全て渡した。

「じゃあな、金まくりあげたと国王にバレたら俺の人生終わるからお前は置いていく。」

「えっ、助けてくれるんじゃ……」

ずっと城の中にいたリンには裏切られるなど想像もできないことだった。

そのまま置いてかれた。

リンは蜘蛛のモンスターにすぐに見つかり、拘束されて木の上に連れてかれた。

「きゃぁぁぁ!」


ーー「それでその後あなた方に助けていただいたのです。」

「そういうことか。辛かったな。リン。」

そう言って頭を撫でると、

「えへへっ、」

と言って腕の中で微笑んでいた。

「あのっ、あなた達のなまえは?」

「俺が響でこっちが、」

「冬香だよー。」

と自己紹介をすると、

「響さん、冬香さん、私のチームに、入って、くれま……」

口ごもってしまった。

当然だ。

チームメンバーを誘いたかっただけなのにあんな目に遭ったのだから。

「俺たち君のチームに入るよ。俺たちもチームを探してたんだ。」

「うん。あなたのチームメンバーになるよ。よろしくね。」

「よ、よろしくお願いします。」

そうして俺たちは互いに初めてのチームメンバーとなった。

「じゃあチームの名前を決めよう。」

チームの名前はとても大事だ。

みんなの印象に残りやすく、覚えやすいものがいい。

アースズトップのように名前が知れれば知れるほどそのチームの価値が上がり、収入が入る。

チームメンバーはいわば家族だ。

チームの収入源はさっきのようにチームの価値を上げて得る収入と、各冒険者のギルドでの収入の半分をチームに入れるので、その収入の合計がチームの収入だ。

今の俺たちはギルドからの収入を少しずつもらえるようになっている。

それでも生活がギリギリだ。

「君はそれでもいいのか?」

そう聞くと、リンは

「あなた達がいいのです。真っ先に助けてくれて、話を聞いてくれて、私は城の中であまり良い扱いを受けておらず、家族がなんなのかよくわかりません。でもあなた達とならとても良い家族になれる気がします。」

ここまで言われてチームにならないわけがない。

「家族になろう。リンも冬香も。」

そういうと、リンは

「やったー!ありがとうございます。」

といった。

冬香は何故か顔を赤くしていた。

「なんで顔赤いんだ。体調悪いのか?」

と聞くと、

「うるさい。響のバカ。」

と言われて、リンからも、

「鈍感なんですね、響さんは。」

といわれた。何がなんなのか。

まぁとにかく、俺たちはチームに入ることができた。

「じゃあ名前はどうしよう、」

と話を戻した。

「ネバーエンディングボンドというのは、」

と、リンが言った。

「少し長くないかな、でもいいね、終わらない絆って意味でしょ。」

そういうと、冬香は、

「やっぱり響英語だけはできるのね、」

と言ってきた。

テスト万年1位の人間に言われても嫌味にしか聞こえない。

でも終わらない絆というのはいい。

「よし、決定。略してネバエン。」

「「ネバエン!」」

2人が声を合わせてそれで決定と言わんばかりに声を出した。

そうして俺たちのチームは

ネバーエンディングボンド、ネバエンになった。

ホッとして一息ついた時リンが言った。

「今度のチーム対抗強さ比べって出ますか。」

「なにそれ?」

「年に一度チーム同士の冒険者で戦って優勝を争うイベントです。優勝すれば多額のお金が支給されます。」

「よし出よう。」

生活が厳しいので出るに越したことはない。

そうして1週間後のイベントに向けて準備を整えるのであった。


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