エルザ・カレンデュラの追憶
馬車に揺られながらエルザは移りゆく外の景色を眺めていた。
どれもこれも、二度と見ることのない景色だ。
国籍法が適用され、他国の国籍を得た者は一生涯故郷に戻ることを許されない。冠婚葬祭でさえ許さないのだから、そこは徹底している。そういうリスクを負ってでも国を捨てるかという覚悟も同時に問われているのだろう。
エルザは無言のまま、飽きることなく外の景色を眺めていた。守りたくて、でも最後まで守れなかったもの。とりとめもなくさまざまな記憶と感情がよみがえって、エルザの心は乱れ、踏み荒らされた雪の跡のようにぐちゃぐちゃだ。
「後悔していますか?」
「いいえ」
迷わず即答した。景色から向かいに座るレナルド・マストリーク様に視線を向ける。甘い顔立ちの人だ。プラチナブロンドの髪に灰青の瞳。落ち着いた色合いなのに華やかさを感じさせるのはこの整った顔立ちのせいだろう。ただ甘いのは顔立ちだけで、内側には油断ならないものを隠している。そんな鋭さも同時に感じさせる人だった。
「いいえ、後悔はしていません」
エルザは慎重に、もう一度繰り返した。それだけははっきりと言える。私にとってこの結果が最善で最良だ。ただラングレア王国にとってこの結果が最善と呼べるのかは微妙なところだけれど……。いまさらだと淡く笑った私に、マストリーク様が困ったような表情で笑いかけた。
「失礼」
彼の短い言葉とともに、左手の拳に広げた白いハンカチがかけられる。何事かと目を見張った私の左手をシシル様がハンカチごとそっと持ち上げた。ハンカチが取り払われて、左手が露わになるとそこには血が滲んでいる。
「よほど強く握られていたのですね」
「っ、まったく気がつきませんでした。見苦しいものをお見せして申し訳ありません」
「こちらこそ申し訳ありません。こんなに深く傷つくまで気がつきませんでした」
深く傷ついたのは手か、心か。どちらの傷がより深いかはわからないけれど、たしかに手のひらは爪が食い込み、血が滲むほどの傷がついている。血の気が失せ、真っ白になった拳を開いたシシル様がハンカチで傷口をおおった。
「今は手当ができませんが目的地に着いたら処置します。気分が悪くなったり、痛みがひどくなったら教えてください」
まめに気がついて頼りになる人だ。エルザは、そういうところが苦手だからいいなと思うし憧れる。
「シシル様、ありがとうございます」
「平民ですから呼び捨てで、敬語もなしにしてください。皇国語の言い回しが得意ではないのです」
「では私もエルザと。敬語もなしにしましょう……これでいい?」
「とても助かる」
シシルはニコッと笑った。カラッとした彼女の笑顔につられるようにしてエルザも微笑んだ。
「シシルの笑顔は温かくて、素敵ね。話していると優しい気持ちになれるわ」
「そう?」
「ええ!」
「ハンカチを差し出したのは私なのにな、二人のほうが先に仲良くなってしまった」
ハッとして振り向いた視線の先にはどことなく寂しそうな顔をしたレナルド様がいた。
「申し訳ありません、マストリーク様のハンカチをお借りしているのにお礼も言わなくて」
「それはもういいのだけれどね。できれば私のこともレナルドと呼び捨てにしてほしいな。ついで敬語もなしでいい」
いや、それはさすがに。元のつく私と違って、あなたは現役の公爵家ご子息でしょう。しかも長子だからマストリーク公爵家の後継者でもある。
「不敬罪で切り捨てられたくはありません!」
「本人が呼んでいいと言っているのに不敬罪は問われないよ? だから呼んでみて、ね?」
「……っレナルド様とお呼びしましょう。これが限界です」
しかも二人きりのときだけだ。彼の婚約者に誤解されるのは申し訳ないからと答えると、彼はふっと笑った。陰りを帯びた微笑みにエルザの鼓動が一瞬跳ね上がる。
「私に婚約者はいないよ?」
「そうなのですか? 意外ですわね」
「ある人のために、ずっと空けてあるんだ」
ほんのり頬を染めて、切なそうに瞳を伏せる。エルザの胸の奥がツキリと痛んだ。
いいな、うらやましい。ここまで真摯に求められて、相手もうれしくないわけがないだろう。私は愛されるどころか、愛することもできないというのに。幸せそうな誰かの顔を見るたびに自分は結婚に向いていないのだとつくづくそう思い知らされる。すると話題を変えるようにシシルが首をかしげた。
「それにしても王国製の馬車は、外ではあんなにうるさい音を立てるのに実際に乗ってみると静かね」
「外側は緩衝部分に加工を加えてわざと車輪の音を大きくしているの。それで客車のほうは壁の装飾で誤魔化されているからわかりにくいけれど内側を二重構造にしているのね。表向きの理由は堅牢で安全性が高いと謳っているけど、実のところは外の音を消すためなのよ」
私は臙脂色に金糸で装飾を施した内装を指差した。すると興味深そうにレナルド様が手元をのぞき込んだ。
「この改良は、あなたが?」
「発案と改良、製造業者の選定と指示監督、製品の完成までは私が。ですが評判が良かったので今は王妃殿下の名で商標登録されています」
「それはまた、ずいぶんと勝手にされたね」
マストリーク様――――もう、レナルド様と呼んだほうがいいかな。彼は不愉快とばかりに眉を顰めエルザは苦笑いを浮かべた。
国を捨てた今、隠すこともないだろう。第二王子の婚約者であったころ、エルザの献策で評判がいいものは王妃様の功績に、イマイチなものはそのままエルザの責任にされていた。つまり王妃様のいいとこどりということだ。かの方からは直接、『名前を貸してあげるのだから感謝しなさい!』と高らかに言われたのだが、どのあたりに感謝すべきなのかいまだによくわからない。王子妃であるアウローネ様もどこから聞きつけたのか同じことをしてきたが、『悪役令嬢がやったと知れたら世間の評価が下がるので黙っているように』と口止めまでされた。
悪役令嬢である私とは逆に、優しく聡明と評判のいい王妃殿下と、賢明で弁が立つと評価されている王太子妃殿下。聡明で賢明ならば自分で施策を考えればいいのに。まあ似たもの同士、敵認定していた私がいなくなったのだから仲良く手を携えて新しい政策でも法案でも思いついてくれるだろう。
「それにしても私の言葉を疑いもせずによく信じましたね。国を追われる身でありますし、たとえば私の誇張や恨んだ末の虚言とは思わないのですか?」
「思わないよ」
むしろエルザは王国の裏事情をするっと信じたレナルド様に驚いた。普通はそれこそ疑ってかかるべきでしょう? するとレナルド様は一瞬ニヤリと笑って言い切った。
「ある程度、予測はできていたからね」
「は?」
「国の外からのほうがよく見えるものもあるんだ。ラングレア王国の場合、君の発信する情報や行動がそのまま国の方針であったり問題解決の糸口だった。つまり、ユーザ・ロ・バルディアス皇国は君をこの国の基点として認識していたということだよ」
「ということは、本当は申請書が提出される以前から私の存在を知っていて監視していたということですか?」
「正確には四年前にエルザ嬢が第二王子の婚約者となり政務に携わるようになってからずっと、注目していたということだ。だから申請書が届出されるのを皆で心待ちにしていたというのは、決して誇張ではないよ」
それって言い方が変わっただけじゃないのかしら?
じっとりとした目で見つめると、受け止めたレナルド様はにっこりと笑い返した。
「だけど私が君に注目していた理由は、それだけではないけどね」
「どういうことですか?」
「君がこの馬車を作ろうと思い立った理由はなに?」
「それは……、以前使われていた型の客車で悲惨な事故が相次いだからですわ」
私が第二王子の婚約者となる少し前、人が馬車によって轢かれるという痛ましい事故が多発していたのだ。使われていた客車は王家が主導して導入を推進していたもので、小型軽量化され、車軸の改良により移動音を極限まで抑えた。音の静かな馬車は乗っている人間が快適だし、外にいる人も馬車の音をうるさく感じないと販売当時は好評だったのだが、程なくして別の問題が浮上するようになった。
「あまりにも静かすぎて、外にいる人間が馬車の存在に気がつかないのです」
人通りの少ない夜間や早朝ならばともかく、大通りなどの音が拾いにくくなる場所では相当近づくまでわからない。結果的に衝突事故や、老人や子供など咄嗟に避けきれなかった人間が轢かれるなどの事故が起きた。当然のように客車の導入を進めてきた王家の責任を問う声があがり、その事後処理を任されたのが、どういうわけかエルザだったのだ。
「普通は王子の婚約者になりたての小娘を矢面には立てませんよね」
「つまり王族は逃げたわけか」
「そういうことです」
王子妃教育を受けたわけでもないのに、いきなり対応しろと言われても無理がある。まず事情を聞かねばとさまざまな人間に話を聞いた。
「被害者の子供の母親に、胸ぐら掴まれて頬を引っ叩かれたときは頭が真っ白になりましたわ」
「……ごめん、興味本位で聞くべきことではなかったね」
「いいのです。彼らにとって責任を負う人間が必要なのは当然ですから」
「護衛官は何をしていたのか? それに侍女は?」
「侍女は危ないので下がらせていました。護衛官は近くにいたようですが、よくわかりません」
「わからない? 彼らに処罰はなかったの?」
「ええ。被害に遭ったのは悪役令嬢ですから。しかも王族でもない公爵家の小娘です」
公爵令嬢が、ちょっと叩かれたぐらいで大袈裟に騒いで見苦しい。
だから悪役令嬢などどいう不名誉なあだ名で呼ばれるのだ。
ただ淡々とエルザは言葉を紡ぐ。誇張でもなく、虚言でもなく、これは王から直々にエルザが言われたことだ。そしてレナルドとシシルは彼女を取り巻く闇の深さに戦慄した。王族ではなくても婚約者である公爵家の令嬢が襲われたのに、誰も処罰を受けない。それがおかしいということに、どうして誰も疑問を持たないのか。悪役令嬢と呼ばれているからという理由以前に、王家が、国そのものが身分を軽んじているとしか思えない。
「悪役令嬢という言葉は呪いみたいだな。無意識のうちにじわじわと侵食して、国を弱らせる」
「私もそう思います。罰を免れる魔法の言葉のように使われておりましたから」
それでも立ち止まってはいられない。客車の使用を禁じるよう進言するかたわらで慰問を行い、被害者の家族に罵倒されながらも、ようやく補償も終わった。だが、ここで新たな問題が持ち上がったのだ。
「外の人間からすると危険な客車が、乗る人間の側からすると快適だったのです」
「危険な客車を使い続ける貴族がいたということか」
「そうです」
王家が強く言わないことも影響してか、なかなかゼロにはならず、使い勝手がいいからと使用する貴族が後を絶たなかった。そんな彼らが使い続ける理由はただひとつ、外部から響く移動音が静かだから。
「そこで仕方なく客車の改良に着手しました」
「もはや公爵令嬢のすることじゃないよね」
「ですが、これがなかなか奥深いのですよ! 客車に搭載されている部品で変速機というのがあるのですが歯車式の変速装置を切り替えることで、動力源である馬の力に寄らずとも回転数・方向を調整し、そのうえなんというか部品の形状がため息ものに美し……はっ、申しありません!」
「大丈夫、楽しんでいたことは充分に伝わったよ」
エルザは深呼吸した。危うく馬車を語って馬車並みに暴走するところだった。
「客車の床や天井の厚みを増せば全体的に重くなりますが、その代わりに車体が安定します。そして車輪により近くなる左右の壁を二重構造にしたことで振動が内部に伝わるのを防ぎました。そして背もたれのある部分は厚みを変えませんでしたので視覚的に客室が狭く感じるのを防ぎます。最後に貴族が好むように内装を豪奢にしました。ちなみに外装を派手にせず、内装を豪華にしたのには理由がありまして」
「外からは、派手に飾り立てた内装が見えない。貴族の乗る馬車であると見えないようにするため」
「正解です!見かけが豪華な馬車ほど盗賊に狙われます。また平民の中には日々の生活にすら困窮する者もいるのです。彼らから見て、豪奢に飾り立てた馬車がどう映るか。少なくとも好感は抱かないでしょう」
この試みは功を奏した。一見すると地味な外装だけれど扉を開ければ、まるで別世界のように豪奢に飾り立てられている。しかもオーダーメイドで自分好みの内装に変えられるとあって、新し物好きの貴族が飛びついた。それに軽量化された客車よりもこちらの客車のほうが揺れは少なく、気になるほど音もうるさくはない。
そしてそれとは別に車輪にはガラガラという独特の移動音が遠くからでも派手に聞こえるように工夫を加える。かすかでも音が聞こえたら避ける準備をすればいいので事故の件数が劇的に減った。
「販売が軌道に乗って、事故が減ったところで王家がようやくこの件の終息を宣言しました。一息つけると思ったら、そこから王子妃教育と第二王子殿下に代わって公務と決裁が同時進行で始まって、もう目が回るほど忙しくなりましたの。そうしているうちに気がついたら、いつの間にか王家が勧めた最新の客車は実は私が発案した欠陥品とされていて、信用して販売を任せただけの王家に罪はないという噂が流れていました。そして国民を哀れに思った聡明な王妃殿下と王太子妃殿下が共同で新しい車両を開発したということになっておりましたわ。王家も噂を否定しませんでしたし国民も私が頭を下げている姿を見ていましたから事実と捉えました。さすが悪役令嬢のすることだと、私が第二王子殿下の婚約者になるために功を焦った結果だとも言われましたわね」
「この客車が生まれた背景にはそういう真実が隠されていたのか」
「皇国の目に留まる前の話ですから詳細を知らずとも無理はありません。この時点で、第二王子殿下に婚約を破棄していただけていたら余計な苦労をしなくともすんだものを。うまくいきませんわね」
ここにきて、ようやくエルザは首をかしげた。
「それにしても、なぜレナルド様はこの客車が私の発案と気がついたのです?」
レナルドは、頬をゆるめた。
「君の発想は、貴賤に関係なく国民全体に恩恵があるものばかりだからだ」
エルザは思いもよらない答えに目を丸くする。
「……そうでしょうか?」
「富める者にばかり優しいのではなく、貧しい者にだけ施すものでもない。貧富に関係なく両者へ平等に利益をもたらすものだ。だからこの客車の仕組みや構造を見聞きしたときに君の発案だと思った」
「たしかに設計図自体は他国に公表しておりますが、仕組みや構造を見聞きしただけでわかるものなのですか?」
「わかるよ」
レナルドは真剣な表情で、はっきりと答えた。そう、わかってくれるのか。その言葉がエルザには何よりもうれしかった。ほんのすこしだけ頬を赤らめて、ふわりと微笑む。
「裏付けを取るために少し調べた。指示書や工程書、目撃談や会談の予定、さまざまな情報を集めたが客車と王妃殿下や王太子妃殿下を結びつける線は見つからなかったよ。でも君につながる道は一直線だ」
肩書きに惑わされない正当な評価。それこそエルザが望んでいたものだった。
一度瞳を伏せてから、エルザは車窓に視線を向ける。
「私が王家とカレンデュラ家に――――ラングレア王国そのものと呼んでいい彼らに尽くしたのは、この日のため。私は己という存在を天秤の片側において重さを量ったのです。この国が私の全てを捧げても守るべきものであるか見極めたかった」
「結果は聞くまでもなさそうだね」
「私が耐えがたいのは、彼らが私の期待を裏切ったことです。私から大切なものを奪うのであれば、彼らも同じように身を切って対価を支払うべきでした」
己が両手を悪役令嬢のもたらした利益で満たした王国の民、一見すると得をしたように思える。だが悪役令嬢を失ったとき、彼らの両手に利益は残るのだろうか。エルザは真摯な眼差しをレナルドに向けた。悪役令嬢と呼ばれた女性の瞳は、かつてよりも一層澄んで鋭さを増している。魅入られたように見つめ返すレナルドの鼓動が高鳴った。
「私を悪役とするか、善人とするか、それはあなた達次第です。私の期待が裏切られないことを願っています」
「なるほど、我々と対等でありたいということですか」
「私もそれなりにがんばってきたので、そろそろ幸せになりたいのですわ!」
「それでは私達はあなたを幸せにする手伝いをするわけだ。結果が予測できないだけに、やりがいはありますね」
「はい、期待しています!」
エルザはレナルド様が差し出した手を握り返す。大きくて温かい手だ、と思ったら急に思い出した。
「そういえば、今日レナルド様に人生で初めてエスコートされましたわ」
エルザが何気なく口にした台詞を聞いた彼は固まる。
「ええと、まさかそうなのか? 君は公爵令嬢だったし、ずっと婚約者がいただろう?」
「第二王子殿下の婚約者になってから、いきなり事故の後始末を押し付けられたり肩代わりする公務や決裁に忙しくなったりしたので、重要な宴や式典にしか出ておりませんでした。しかもそういうときには必ず第二王子殿下が遅れてくるので、仕方なく一人で入場していました。次の婚約者のときは、ご存知のとおりですわね」
一般的に婚約者がいないときや不在のときは父親が親族の男性がやるものなのだが、運悪く親族に独身の男性がいなかった。そして父親からは体裁が悪いからと頑なに断られたのだ。ちなみに親族以外の男性には、面と向かって『悪役令嬢のエスコートは嫌だ』と断られた記憶がある。ねえ、いくらなんでもひどくない⁉︎ これじゃ、物語の悪役令嬢よりひどいじゃないの! だが、レナルド様の反応は想像していたものとちょっと違った。
「あれが、はじめて……。なんでそんな重要な情報が抜けていたんだ……知っていれば花を持っていったのに」
「もしかして嫌でした?」
「いや、うれしい。できればもう一度最初からやり直したいくらいだ」
「ふふ、じゃあまた機会があったらお願いしてもいいですか?」
「もちろん、光栄だよ」
柔らかな眼差しで、慈しむような声で。そんなにも嬉しそうな顔をされては勘違いしてしまう。
――――彼の婚約者の席が埋まるまでのことだと忘れないようにしないと。
「それでは、今後のことについて話そう」
「よろしければユーザ・ロ・バルディアス皇国のことを教えていただけますか。ずっと憧れていたのです!」
「もちろんだ、君が知るべきことはここで全部話しておくよ」
瞳を輝かせて頬を薔薇色に染めた彼女は、悪役令嬢と呼ばれる前、公爵令嬢であったころのままだ。枯れていなかった愛らしい微笑みを前にしてレナルドはほくそ笑んだ。
……今後、外交の場で生き生きと美しく咲く彼女を目にするたびに悔しがればいいさ。自分達の愚かさのせいで、この世に二つとないカレンデュラを失ったのだと、思い知ればいい。
「国籍法の規定では本日から一週間は異議申し立てができる。この期間だけは王国の動きに注意が必要かな?」
「それでしたら、たぶん大丈夫ですわ。すでに種はまいてきました」
「策があるとか?」
「ちょうど一週間後に行われるのです、レディ・カンファが」
お楽しみいただけるとうれしいです!