覚えていますか?私は、今思い出しました。取り合えずお城の裏門通い続けてます。
同じ世界観での物語が同時進行してしまい・・・夜も寝れない日々、の為吐き出す事にしました!
少しでも楽しんでいただければ幸いです、1つでも楽しみがあるって人生それだけで素敵な気がする作者です。
「あー・・・・またお前か」
「はい、私です。」
にらみ合う?短髪赤毛の衛兵とふわふわの茶髪を後ろで一つ結びする少女の姿を
苦笑して見つめる他の兵士達
そんな彼らの後ろ、門の隣休憩部屋となっている一角の窓から
身を乗り出した銀の長髪を後ろで縛る者から
「ミリアさーん、新しい茶葉が手に入ったのでこちらで一服いかがですかー?」
とお声がかかる。
「あ、いただきます。」
「ジーク!おまっ、ナチュラルに茶に誘ってんじゃねーぞ!お前も受けてんじゃっって」
「今日はおいしいベリーがありましたのでベリーの一口タルトを作ってみました、あ、皆さんもどうぞ」
「「「おぉ!!」」」
「おい、お前らまで!」
一人お怒りのポーズをとる赤毛の衛兵をスルーして、こっちこっちと休憩中の他の兵たちにエスコート?されて休憩所へ入っていく私は、今<城>の裏門に来ている。
事の起こりは今から2週間前だ
もともと王都から離れた田舎の小さな町で育っていた私は
2週間前に父の用事に付いて、この王都まで初めてやってきた
が、おかしな事に帝都に近づいてくるにつれて、見覚えのある風景が頭の中を回る様になった。
最終的にすべてを思い出したのは王都の南門より一直線に城へ続く道を見たときだ、
私は前世と言うものを思い出した。
「王都の門はすべて城へとつながっている」
呆然と目の前の景色を見て呟いた言葉に
「おぉ!おじょーちゃんも噂を聞いてきたのか?」とニコニコしながら同じ馬車に乗って来ていた
どっかのおじさんが話しかけてきた
「すげーよなーほんっとにまっすぐ城に通じてんだからな、俺も最初に見たときは・・・・」
と何か長い話をしだしたおじさんをカットして私は思い出していた。
((・・・ナ、見てみよ、やはりこの王都の道が一番美しい))
最初に思い出したのは城から見下ろす王都
((我らが守るは己の身ではない、ゆえにもしも都の門が落ちようものならば潔く城の門を開こうぞ・・・))
そうほほ笑んだあの方は私に教えてくれた
他国では国の門から城までは入り組んだ道が多い、皇族が、もしくは王族が、逃げれる時間を稼ぐため
城までの間にある民の生活の場が最後の盾になっている、しかし
この都は違う!と、誇らしげに王都の道を指し
((・・・もし門が破られればまっすぐにここに来い、城を開いてここで撃って見せるぞ!))と
「アウレンティーニ陛下」小さくつぶやく声は誰にも聞こえなかっただろう
静かに頬を伝う涙に気づいた今の父がおろおろとしだしたのを視界に写し
私はすべてを思い出した、前世で私は王を支える公爵家の一人娘だった、
今からおよそ50年前の話だ、そんなに時はたっていない
王子の婚約者として14年生き、そして死んだ、この世界でも早すぎる死であったと思う。
10代後半には結婚し子供を作る、そんな世界だ、が、それでも成人前の14歳は早すぎる死、それは
同じ年に生まれた為か、公爵という権力による圧か、生まれながらにして王子の花嫁にと望まれた前世の私が道ならぬ恋をした事が関係する。
当時この国を治める王への恋を
時に豪快に、思い込んだら一直線、でも時に冷静に己を振り返れる、そんな陛下に恋し
民をひたすら想い、誇らしげに王都を見下ろしていた陛下を愛し
王子と共に庭園にいた私たちの頭を優しげになでるその大きな手に想いを自覚した幼い頃の記憶がグルグルと・・・・
そんな前世の私は陛下を狙った暗殺者の剣によって胸を貫かれ命を落とした
飛び出した私を支える陛下の腕の中で
「ーナ!!フィオレンティーナ!!!」
「へい・・か・・・」
「早く!早く回復魔法をっ!」
「無理です陛下!この場はっ魔法を禁じられております!!」
「っ!そこをどけ!ここを出るぞ!術師の手配を!!」
「は!!」
(あぁ、暖かい、陛下の手はいつでも熱いくらい)
「フィ・・・フィオ・・・そんなっ」
まわりの喧騒と陛下の怒鳴り声の中で聞こえてきたか細い声に、そっと瞼を震わせながらもその眼を開く
「ティーナ!!」「フィオレンティーナっ」近しい者達から名を叫ばれる、あれは誰の声だったか
ぐっ
ゴポりと血が流れる!!
「あぁ!そんなっ、陛下これは禁術による傷です!我等の力では・・・」
「なっ?!!」
その場にある者達の視線が私に集まりしばし静寂が落ちる
私はそっと手を伸ばす、こちらを青白い顔で見る今にも倒れそうな私の婚約者へ
「フィオ・・・」
そっとその手を取る王子に向かって最後の力を振り絞る
(もう最後なのだから・・・最後くらい・・・)
「ご、めんなさい、アル、わた、しは」ぐっと握り返す王子がしゃくりあげながらこちらをにらむ
(最後まであなたのことを弟の様にしか思えなかった、弟の様に好きだったのよ、泣き虫で繊細なアルあなたを)
「わ、わかっている、君の気持ちは僕が一番っ!だってずっといっしょだったんだから!ずっどずっぞ!」
(この頃はこんな風に泣く姿を見なくってたっけ・・・)
ふわふわと日に透ける様な金髪を乱れさせ首を振るアルレシオ、そして
ぐっと握られた手をそのまま優しく父へ、陛下の手へと渡す
「アルレシオ?」
自分の婚約者が死にそうだと言うのに父へとその手を預けてくるその息子の突然の行動にいぶかしげな様子
(知っていたのアル・・・ごめんなさい・・・・あぁ陛下・・・また眉間にすごい皺が)
ふふ、と吐血をしながら漏れ出る声に王と王子の視線が私へ戻る
「へい、か、アウ レンティーニへいか」
「ティーナ!頑張れ、今魔術師たちが解呪と回復の法を!」
「へいか・・・」
(あぁ、もう、ほんとに最後なのね・・・)
はっとしてその手を握る陛下に
「ティ」
「もう、あなた の姿が 見え せん」
(最後なら・・・)
「す、きです、へいか」
「な・・・」
「あいして いますアウレン ティー ニ様」
「ティーナ」目を見開いた陛下のその顔をフィオレンティーナはもう見ることが出来なかった
でも
「しぬな。。。死ぬでない!フィオレンティーナ!わ、私はっそなたはまだ子供でっいや、そなたの話をわたしはまだっすべて聞いていない!なぜそうなる?!なぜ私なのだ!なぜっ!」
見えなくなった世界で、今まで聞いたことのない陛下のその声に淡く心が波打つ
「父上・・・まさか」
愕然とした表情で己の父を見つめる王子
(フィオの想いは知っていた、それでも私たちはともに生きていくと思っていた、父への想いもすべて私が一緒に抱えて行こうと、だって母上を亡くしたあとの父はそれでも母上を想い続けていたのだと思っていたのだ、だから・・・でも、父上は、)
王とは人にその思いを悟らせてはいけない
それが上に立つ者に必要な強き心というものだから
だから気づかなかった、まさか己の父もまたフィオを想っていたなんて・・・
はっとして王子を見た王は、その一言で見ない様にとしていた己の想いを
「フィオレンティーナ、私を置いて逝くな」静かに告げる声に
「はい、も うし わけあり ません」
「ゆくなっ!」
「あい してい ます ずっと ずっ と」
「っ私もだ、ティー、フィオレンティーナ私もそなたを想っている!だからっ」
(あぁ、なんて事、なんていう最後なのだろう、想って貰えていたなんて、なんて なんて)
「ずる い かた」
ふふっとほほ笑み、その命が消える瞬間
グッとその手を握られる
「ティーナ、覚えているか?月夜の庭園でしたあの約束を」
もう返事が出来ない・・・でも。。。と弱く手を握り返す
大きな白い月の出る夜、眠れなくて庭園にある東屋で陛下とした幼い頃の約束
(・・・をくれるって言っていた、あの約束を)
「まだ、はたしていない約束がある、そなたに必ず届けようぞ」
ふっと力が弱まる
「フィオレンティーナ・・・」
=想い想われているのに、こんなの悲しすぎるわ、私のすぐ近くでこんなっこんな=
悲しみの声が皆の頭へと響く
静まり返る広間の前
「そこをどけ」
まだ暖かいフィオレンティーナの遺体をその腕に抱き広間へと戻るアウレンティーニ
「父上?」
その広間では魔法が使えない、何故ならその場は精霊の宿る神樹が天井をぶち抜く大広間である為だ
魔術と精霊術は相いれない為、精霊が多いその場では魔法が使えない
精霊術は何百年も前に失われ使える者はいないと言われていた
今この時までは
「フィオレンティーナ」そっと頬につくその髪をのけるアウレンティーニが神樹の前にそっと彼女を下す
そして後ろで呆然としていた己の息子や臣たちへ向き直る
「アルレシオ、すまない、あとのことは宰相に相談しつつルルシルを頼れ」
「父上?!」
(先ほどから頭に響く声はそなたの声であろう)
=えぇ!私が何とかしてあげる=
「頼む」静かに新樹へと頭を下げるその姿を驚きの表情で見守る者達
そして皆の頭へと直接響く声
=この悲しい物語をこのまま終わらせるなんて絶対だめよ=
=今から私のすべての力をもってこの子達の魂を蘇らせてあげる、でもそれは少し時間もかかるし
その姿も変わってしまうわ=
少し悲しそうにいう声
=でも約束とやらも果たせるし、今度は素直になればみんな幸せになれるんだから!=
「達?」
はっとしたように父へと駆け寄る影
「陛下!」
ぐらりと倒れるアウレンティーニの身体を近衛騎士団長が駆けて来て支える
皆が広間へ入る
「父上っ!」
フィオレンティーナが受けた刃はその胸を貫通し、陛下の身をも裂いていた
「禁術で手がないのであろう」
ふっとその胸を抑え
「確かに血が止まらぬ、揃いだなティーナ」
「っつ!」
「精霊は言った、魂の記憶が戻るかどうかはその者次第、フィオレンティーナには声が届いていなかった可能性もある、なので私が先に思い出そう、人の世で約50年、だそうだ、もし私が寝ぼけていたらすまぬが私を見つけてくれアルレシオ、その、色々とすまない」
青白い顔で謝罪する父王の姿に
苦笑を漏らし(しょうがない二人だ・・・私も大概だけど)
「畏まりました、父上、お帰りをお待ち申し上げます」
「アルレシオ、愛する我が息子よ、そなたならきっとこの国を良き方へ導けるだろう、次に会う私はもう王である私ではない、きちんと治めなさい、また会うても邪魔はせぬ、そなたの国の邪魔は」
そう言い残し王はその命を終えた。
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前世の私が没してから約50年ほど
「陛下」
最後の最後にわがまま(自分の秘めておかなければいけなかった想い)を言ってしまった私に陛下は・・・約束を果たすと言ってくださった。
でも、まさかこんな奇跡があるなんて。
思い込んだら一直線なあの方を支えるのは私の役目といつしか思ってしまっていたのよね。
(今でも陛下を想うと心が痛いなんて、色々まだ混乱してるけど、私が死んだとき私は14歳って事は
陛下今80くらいよね)
「まだ、覚えてくださってるかしら?」
色々な意味で・・・
と前世の自分が死した後の出来事、そしてこれから今の自分に起こる事を知らず
ミリアは城を遠目に見上げたのだった。
色々ぐるぐるして書いてます、とにかく書き上げる事をって思っているので
添削は後でしますね、もうすぐ書き終わりますがゆっくり投稿してきます。
間違っているところのご指摘はありがたく!ストーリーの指摘は・・・豆腐なメンタルなので完結の文字記載まで待ってください。
他のストーリーをお待ちの方も申し訳ありません、気長にお待ちいただければ幸いです。
ではどうぞー!




