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心地いいのは夢だから
なんなんだろ、これ。
ずっとここにいたくなるような感じがする。
柔らかくて、優しくて。
俺は一体どこにいるんだ?
すると、どこからか懐かしい歌が聞こえてくる。
どこかで聞き覚えのある、歌。
「…なんだったかな、この歌…」
思い出がたくさんある、この歌。
全てが思い出されるわけじゃなくて、一つ一つ、
霞みがかってしか思い出せない。
つまりは、あんまり思い出せてない。
「…誰かと一緒に歌った気がするな。」
ニコニコ笑いながら隣を見て歌う俺と、その隣にいる…
誰かは思い出せない。
「なんか、寂しい感じがする…」
胸の中にぽっかりと空いた、穴。
何かが、足らない。
何かが。
その何かが分からないから、どうすることもできない。