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第16.5話「計謀」

 アルーレ大陸。

 そこは魔王や魔族が多く住まう土地である。

 

「————では作戦は予定通り進んでいると」

「————間違いありません」

「————人間共も油断しているようですなあ」

 

 とある魔王に使える幹部たちが一同に、今話題に上がっているのはハーレンス王国に召喚された勇者のことである。

 ただ肝心の発案者たるあの方はいないが。

 しかし不在だろうと会議はやる。 

 今は異世界人を『暗殺』するための策の進捗状況を確認している最中なのだ。

 重要な時間、王国に潜伏させていた魔族から伝達されていく。


「しかし勇者が4人もいたのは予想外ですな」

「ええ。成長する前に早く殺しておかないと」

「今の世の中、目障りな人間ばかりですね」


 勇者以外にも剣聖や戦姫など厄介な存在ばかり。

 認めたくはないが、上述した者たちには魔族と張り合えるだけの力がある。

 彼女らを仕留めるには相応の時間と手間がかかる。

 しかし召喚されたばかりの勇者なら、警備は兎も角個人の練度はそうあるまい。


「1度目は舞踏会で、失敗すれば……」

「まあアイツらなら確実に決めてくれるだろうさ」


 不安が全くないと言ったら嘘になる。

 しかし魔王様の命令、失敗は許されない。

 初めに仕掛けるのはハーレンスで絶大な権力を持つ公爵家、その長男の誕生日祝いで催される会でだ。

 仕入れた情報だと勇者も参加するそう。

 警備も固いだろうがその警護の中心は公爵の方に流れる。

 勇者は多少なりともガードが緩くなるはず。


(暗殺に特化したあの魔族を送り込んでいます。潜入は造作も無いこと)


 勇者の暗殺はほぼ成功すると言っても過言ではない。

 追加で出来るものならそのまま貴族の身柄も拉致したい。

 四大貴族を生け捕りに出来れば、一方的な要求をすることが出来る。

 なにせ最終目的はあの連中(・・・・)を殲滅すること。

 奴らがこの世界にのさばる上、世界支配は叶わない。

 例え忌々しい人間を使ってでも数字は討ち取らなくてはいけないのだ。


「さあ、朗報を待ちましょう————」


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