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第125話「事情」

 クレスの周辺には現在3人のナンバーズがいる。

 彼を含めれば4人ということで、この真実を一般人が知れば阿鼻叫喚の世界となるだろう。

 避難勧告は間違いなく出されるだろううが、そもそもとしてみな生存自体を諦めてしまうかもしれない。

 

 ついナンバーズの日常を垣間見て油断してしまうが、彼らは本質的には災厄なのである。

 世界に仇なす者なのだ。

 

 しかし本来であればクレスの元に来るのは3番目の災厄であるエルメスだけだった。

 手違いでアウラとマキナはこの王都に辿り着いてしまったのである。

 その事態を組織のトップであるエリザが知るか知らないかは一先ずとして、エルメスを派遣したことには確固たる事情があった。


「我々が世界に仇なす者であるならば、やつらはシンプルに人に仇なす者なのかもネ」


 屋上から周囲を見下ろすエルメス。

 彼の瞳には入り乱れる人々の姿がある。

 みな嬉々として表情で散策をしており、これから自分たちを恐怖させるような事件が起こるとは、当然のことながら微塵も考えていない。


「うーン。エリザちゃんが言うからには本当に〝事件〟は起きるんだろうけどナァ」


 溜息を一つ。

 実際は「事件が起こる」とまで断言はされず「事件が起きるかもしれない」と、あくまで推測のテイで言われたのだが、


「完全にフラグだよネ。エリザちゃんが予想が予想で終わるはずないシ」


 逆にこの文化祭が何事も起こらずハッピーエンドで終わるというビジョンの方が見えない。

 なにせ既に災厄が複数いるのだ。

 それ自体が既に被害を生じさせる。

 

「今回の事件の鍵が異世界より召喚されし勇者、それを狙う謎の組織――」


 エルメスはポツリと零す。

 いつもの温厚な表情は消え、さもめんどくさそうに、


「――だったら最(、、、、、)初から(、、、)勇者なんて(、、、、、)殺してしま(、、、、、)えばいいのニ(、、、、、、)


 彼らがいなければ世界はこれまでの世界のまま。

 ただ災厄だけが跋扈する単純な世界。

 そこには革命も叛逆もなく、なにか些事を気にすることもない。

 全てはあの4人の勇者が現れてからだ。

 だったらその根源を絶ってしまえばいい。

 殺してしまえばいい――


「なーんて。冗談だヨ」


 再び笑みを浮かべ、独り言さと斬ってエルメスは屋上を後にした。

 どうも、東雲です。


 間に合ったはいいものの、本文が少なくて申し訳ないです。

 次回は増えると思いますので……。

 そして今日からコミカライズ開始ということで、既に1話が公開されています。

 できるものなら、サイトへの直リンクを張りたいのですが、小説家になろうのルール上できないそうです(残念……)。

 ↓にある告知イラストをクリックすると、幻冬舎コミックスの公式サイトに飛ぶので、少し下にスクロールすると【ブースト】のサイトがあります。


 よろしくお願いします!

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