第2話
「ざっくり言うと地球は〜う〜ん君達の言う闘技場?いや剣闘士かな。」
「人間っていつかは科学技術の発達でいつかは必ず四次元空間の創造に成功するのね。って言ってもわかんないかなぁ〜つまりぃ……」
「あっ、つまり君達は、僕達創造主に創られた水槽の中のペット?であり剣闘士でもある……というか」
「う〜ん、まぁ言いたいことは伝わったと思うから本題に入るよ。」
「地球人にはもっともっと強くなってもらっていつかいろんな大会で優勝してもらいたいんだ!」
「だからお古の元地球、いらないからあげるね。科学技術の発展速度も君達と同レベルだからビビらないでうまく使ってね。」
「あっ、わかってると思うけど拒否権はないからね。」
「長い目で見るけどさ……」
創造主は地球を“地球”とした際、当時最も栄えていたミステカ王国のライングイネ・シュプールの枕元に現れた。
自身が創造主である事を信じさせた後、自分が地球人に元地球の所有権を渡す事、元地球への渡り方、創造主と地球との関係について伝えた。
ライングイネはこれを一字一句余すことなく本に書き留め国宝として厳重に保管し、シュプール一族にのみ閲覧を許した。
一般に公開されたのはライングイネの孫、ステイフォ・シュプールの代であった。
年端もいかないような子供が自分達の所有者であり自分達は奴隷同然の剣闘士として扱われるという信じられないような話は、国際社会の発展に大きく貢献し“世界中の指導者のあるべき姿”とも言われる史上最も尊敬される偉人ライングイネの直筆で書かれた事が助け疑う者は少なかったが、それ故に世界中を絶望に陥れた。
この流れを変えたのはステフォだ。
「我々は創造主に選ばれた誇り高き地球の民である」
「創造主より授かった超能力を高め立ちはだかる敵をなぎ倒そうぞ!」
“誇り”という言葉を多様した演説はそのほとんどが地球人を鼓舞する内容のもので、多くの民が奮い立ち、人間の存在理由等多くの哲学に答えを出した事でも地球人の認識を大きく変えた。
また、ステフォの政治により元地球人は地球人にとって“いつか必ず殲滅して当然の相手”となっていった。
後に地球人は来たるべき戦いに備え科学と超能力を軸に様々な技術を発展させることになるが、当初それが外交面での大きな優位性となることが判明し、次第に各国で競うようなる。
その中で超能力や科学を使った戦争や非人道的な実験行為が発生しなかったのは超能力者の出現頻度の低さのおかげである。
どの国も超能力の育成を最優先課題としたが超能力者の希少性故に集められる情報は極わずかであった。
これを解消したのが各国首脳が結成した実質的な国連の役割を果たす“世会”の発表した以下の記述だ。
“お互いのために超能力に関する情報の一切を世会に報告し世会で扱う事とする。なお、世会に寄せられた情報は一部一般公開とする”
互いに監視しあえるという環境と世界中から集められる超能力に関する情報から、世会本部には“超能力者育成機関”が設置された。




