02
暗かった。
そこに、一筋の光が見えた。
それが私には『希望』に見えて。
また手を伸ばしてしまう。
そんなことをしても無駄だとわかっているのに。
でも、「違う、今度は絶対に」
と。
そう思ってしまうんだ。
何故だろうか。
目には見えない希望を信じた結果があれだった。
ならばもう、何も信じまいとしているのに。
私は、もう一度光に手を伸ばそうとしている。
「ダメだ」「そんなことしても無駄だ」
口ではそんなことを言っていても。
心の中では。
「次は、うまくいく」
と。
そう、信じている自分がいる。
愚かだ。
馬鹿だ。
アホだ。
何故私は、信じることをやめられない?
何故?何故?何故?何故?
「奥様!もう少しです!頑張ってください!」
「・・・・っく!・・・うぅ・・・・・」
眩しい。どこだろう?
あれ?
思うように体が動かない。
「う、生まれました!女の子です!!」
ぼんやりとした視界から見えたのは『メイド服』を着た女性の姿。
「・・・・・・(;゜∀゜)=3ハァハァ見、見せて」
「・・・・はい・・・ですが、この子・・・・」
「泣いてない・・・わね」
「はい。どこも異常はないと思うのですが・・・・」
「・・・別に構わないわ。異常があろうとなかろうと、この子はあの人と私の子ですもの。最初の、ね」
「ふふふふ。この子のお兄様がいらっしゃるではありませんか」
「・・・・・・・そう、ね。女の子がが初めてという意味よ・・・」
「そうでしたか」
・・・・・なーんか、訳アリな感じだな・・・・。
・・・・生まれてそうそう異常って言われた気がする・・・。
泣くって言ったってどうやって泣くんだよ。
・・・・・・・泣いたことなんてないからわかんないよ・・・。
「あら?目を閉じるみたいね・・・寝るのかしら?」
寝るよ。
疲れたから。
ドタッ!
「う、生まれたのか?泣き声は聞こえなかったが・・・?」
「ええ。生まれましたよ。あなた」
「そうか・・・アリー。見るといい。君の妹だよ」
「はい」
「・・・・っ!なんでここにいるの!?あなたは出ていきなさい!私のかわいい娘に触らないで!!」
「・・・・・ビディ!!」
「ですが!」
私は、最後にこんなのを聞きながら、眠りの世界に吸い込まれていった。