8 (まだまだ続く)
結婚の申し込みをする為に、あの娘に会った。
その時、あの娘は
「師匠、今日はどんな用ですか?師匠からの頼みなら、例え火の中水の中、ドラコンの口の中にでも入ってみせます」
って、極端な事を言っていた。
そうじゃないよ
もっと真面目な話だ。
「君の想いは、良く判った。 こんな年齢のおっさんが、君みたいな素敵なレディに似合うとは、とても思えないのだが、僕と結婚して欲しい!!」
「じゃあ、ドラコンの口の中に入ったら、私との結婚を認めてくれる訳ですか?」
だから、ドラコンから離れろって!!
「良かったぁ~。 ようやく師匠との結婚が夢でなくなったわ!!」
「本当、5歳の頃から15年、行き遅れになっても待った甲斐がありましたわ!!」
「師匠って鈍いから、どう誘惑したら良いか、悩みましたわ」
そう言えば、やたらとあの豊かな胸を、僕の二の腕に押し付けていたなぁ。
娘としか思っていない相手だったから、リアクションに困ったけど。
「師匠、これからは『旦那様』って呼んでいいですか?『旦那様』って呼ぶのは、私の幼い頃からの夢だったんです!!」
こんなやり取りがあって、結婚が決まった。
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あれから15年の月日が経過した。
結婚して、長男と15年近く離れた長女が生まれて、僕と彼女は幸せだった。
だが、幸せは永遠には続かなかった。
回復魔法が使えない僕は、ある日の戦闘で弓での攻撃を見えない位置から受けて、酷い怪我を負ってしまった。
自分たちの陣地まで帰って行けたら、回復魔法が使える僕の弟子がいたはずだった。
だが、領主様、その時は王様だったが、その怪我の治療に当たっていた弟子は、僕の所に来る事が出来なかった。
念話で連絡したにもかかわらず…
そうして戦場で、僕は死んだ。
偉大なる魔導師の称号と共に…
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朝になった。
目が覚めた僕が気付いたら、
「いやぁ、ゴメンごめん。 あまりにも眠くなって、つい君を放置して、寝てしまったわ」
という、天使ツィラの軽い謝罪の言葉が来た。
お前なぁ、いったいどうするつもりだったんだ!?
などと話していたら、
「何だかあの人の気配が、ここから感じるわ!!」
と言って、妙齢の女性がこの部屋に入って来た!!
間違い無い!!
この魔力の雰囲気は、あの娘、愛しい
「マリア・ヒラト」
が入って来たのだ!!
「マリア・ヒラト」って、「あの娘」の名前です!!
何だか出しそびれてしまいました…