5 (エヴァさん大爆笑)
エヴァさんは、ひたすら大爆笑した後、涙を流しながら、謝ってくれた。
<ごめんなさい、確かにそれなら言いたくないでしょうね>
<じゃあ、「古都夫くん」って呼ぶ事にするわね。 まさか、「滑田さん」って呼ぶ訳に行かないわよね>
って言ってから、エヴァさんは再び笑い始めてしまった(T_T)
涙を流しながら謝った意味無いじゃん。
って、涙も笑い過ぎて出た涙だったけど…
ちょっとだけ憤慨しながら、エヴァさんの笑いが収まるのを待っていた
ひとしきり笑った後に、
<夜も更けて来たから、私達もそろそろ寝ましょうね>
もうそんな時間帯かぁ
<それじゃあまた明日。 おやすみなさい、古都夫くん>
エヴァさんは、そう言うとすぐに寝てしまった。
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僕は、夢を見ていた。
ポンテ・ヒラトって名乗っていた頃の夢だ。
僕は、田舎の農家の家に生まれた。
父と母は、普通の人よりは魔力があって、生活魔法は使えるくらいのレベルだった。
僕は小さい頃、水汲みに苦労していた母親に楽をしてもらいたくて、水を生み出す魔術を覚えて、畑に水をまいたり、料理などの生活用水を貯めたりしていた。
3歳の頃から毎日、魔力が尽きる寸前まで水を生み出す魔術を使っていたら、魔力がどんどん増えて行った。やがて、他の畑の分まで、水を生み出していた。
また、村長の家にあった「はじめてのまほう」って本を借りて、字の勉強をしながら、あらゆる初期魔法を覚えて行った。
そのうち、領主様の家にあった中級魔法の本や、上級魔法の本まで村長は借りて来て、僕に貸してくれた。 おかげで、本に書かれていた回復系魔法以外の魔法は、ほとんど全て覚えて行った。
でも何故か、回復系魔法は覚えられなかった。
5歳になった僕は、村長に言われるまま、ゴンド大陸最大の魔術師養成学校に、飛び級で入学する事になった。本来12歳から入る魔術師養成学校に、飛び級とはいえ、5歳から入るって、異例中の異例だった。 でも、僕のあの時と同レベルの魔力を持った魔術師って、各国の宮廷魔術師長くらいだったらしい。
ちなみに、水に困る事の無い様に、家の近くに地下100mくらいの井戸を魔法で掘り、「クリエイト」の魔法でポンプを作り、水に困らない様にした。
ついでに、余った魔力で、溜め池も作り、そこに水を生み出して注ぎ込んだ。
村長は、物凄く驚いていて、後日領主様から褒賞金を出してもらう事になった。
それが学校での生活費になったのは、嬉しかった。
少々贅沢しても、卒業まで無くならなかったし。
そして、僕は魔術師養成学校に入学した。